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「洋平!井上と片岡ちゃんって、どうなってるの?」
「いや、最近は、何も聞いてないけど…」
「そっかあ〜どっちに聞けばイイかなぁ?」
「もし万が一、別れてたりしたら…」
「あ、イヤだなぁ〜井上に聞いてみるわ」
「そっちかい!」
「えーだって、井上なら何でも言えるもん!」
「そうだな」
久しぶりに井上にメールしてみた。
『久しぶり!元気か〜い?』
『おーなんとか生きてる』
『片岡ちゃんとは、進んでる?』
『う〜ん、相変わらずだな』
何?相変わらずって…
でも、良かった。別れてなくて…
『結婚の話は?』
『1度はOKもらったのに、今は、仕事が楽しいのか?
忙しいからか?進展なし』
『そうなんだ!常務が父に代わっちゃったし、そりゃあ大変よね』
『いや、楽しそうだよ』
『そっかあ、なら良かった』
『良かったのかなぁ?』
『ん?』
『結婚の話がなぁ』
『そうだよね、ごめん。私が休んでるせいだよね』
『いや、俺たちの問題だよ』
『そう?結婚したいなら、具体的に進めれば?』
『アイツは、ホントに俺でイイと思ってるのかなぁ?』
『えー?何言ってるの?他に居ないでしょう?
自信なくしてるの?』
『う〜ん、今は仕事に負けてる気がする』
『えーっと、それって結構、女性が男性に言うのをよく聞くセリフだね』
『うん。て、ことは…今、俺は彼女を仕事に取られてる状態だな』
『結婚したいなら、上手に働きながら、結婚する
方法を考えてあげれば?』
『アイツも24歳だし、結婚した〜い!って言ってたのに…あ、先輩が27でしたからか…』
『すまない!でも、結婚に年齢なんて関係ないわよ。タイミングなんだから…』
『じゃあ、俺たちは1回タイミングを逃したな』
『まぁね〜これからだって、イイんじゃない?焦る必要はないけど、どうしたいのか?聞いてみたら?』
『今は、まだしたくない!って言われるよ』
『そっかあ〜』
『どうした?お前、戻ってくるのか?』
『う〜ん、私も悩んでて…まだ、6ヶ月だし子どもと離れたくないと言うのもあるけど、戻らなきゃって、どこかで焦ってる自分も居て…』
『もう子ども、産まないのか?』
『そう、それもね〜弟か妹を…とは思ってるんだけど…』
『なら、数年は戻って来ないな』
『そうね〜だから、片岡ちゃんには、私に関係なく、結婚して辞めるなら後任を育ててもらって…って思ったんだけど、仕事、楽しそうなんだね?』
『うん。籍だけ入れてもいいんだけどな』
『一緒には住んでないの?』
『うん、住んでないから、俺は一緒に住みたい!って思ってる』
『そっかあ〜籍入れて、一緒に住みたいなら、それは、もう結婚する!ってことだね。』
『あーそうだな』
『それに関しては、私がとやかく言えないけど、お互いの気持ちだね。』
『アイツの本心は、どうなんだろう?俺そういうのに鈍感だからなぁ〜お前、聞いてくれない?』
『えー!すっごく出しゃばりオバさんみたいじゃん!』
『ちょっとは、責任感じてるなら、聞いてくれよ!』
『マジか?』
『分かったよ。片岡ちゃんがどう考えてるか?聞き出せばいいのね?』
『うん、よろしく!』
『了解〜じゃあ、またね』
『おー!』
とんでもない役を引き受けてしまった…
まずは、挨拶からだな…
『片岡ちゃん、元気?すっかりご無沙汰してしまって…』
『美優さん、こちらこそ、ご無沙汰しています。
美優さんもお元気ですか?
私は、変わらず元気ですよ。新体制で少し不安ながら、徐々に慣れてきました』
『うんうん、元気だよ〜毎日子どもと楽しく過ごさせてもらっています。あ、父がお世話になっております。』
『いえいえ、こちらこそ、お世話になっております。常務さんには、たくさん教えていただいております。出世される方は、違いますね、さすがだなぁと思っております。』
『そうなんだ、よろしくお願いしますね。』
『はい、頑張ります!』
前置きは、これぐらいにして、いよいよ本題!
『片岡ちゃん、その後、井上とはどう?』
知らないふりをして、双方の言い分を聞かないと…
って、裁判じゃないけど…
『あーいつから話してなかったですかね?あの後、プロポーズをしてくれまして…』
『おー!そうなんだ、良かったね〜おめでとう♡頑張ったんだね井上!』
と、知らないふり、知らないふり…
『ありがとうございます。嬉しかったです。』
『近々、結婚するの?』
よし、聞いたぞ!
『う〜ん、嬉しかったんですけど、その後、常務が代わられて、色々新しいことを教えてもらってるうちに仕事が楽しくなってきまして…』
え!井上済まぬ‼︎父か…父なのか…
私だけじゃなく
父娘で2人の邪魔をしてしまって…
本当に申し訳ない…
これは、ホントに責任をとらねば!
『そうなんだ、新しいことって覚えるとやり甲斐が出てくるものね』
うわ、加勢してどうするんだ⁈
井上に怒られる…
『そうなんですよね〜』
『でも、片岡ちゃん、結婚もしたいんだよね?』
『あ、はい!諦めたわけではないし、もう少ししたら…とは思っています』
おー!良かった。首の皮一枚繋がったよ、井上
セーフ、セーフ
『だよね〜♡あなたたちお似合いだもの。父の面倒は、ほどほどに、次は自分たちの幸せを考えてね♡』
『はい、ありがとうございます』
あ、具体的に聞けてないぞ、もう一押しか?
と、思ったら…
『美優さんは、戻って来られないのですか?』
きた〜!
『私も迷ってて、今はね、まだ心美が6ヶ月だから一緒に居たいの。出来れば育休最長の2歳までは…
それに2人目をどうしようか?とかもね〜
だから、もし片岡ちゃんが結婚して出産を考えてるなら、私に構わず後任を入れてもらって育ててくれればイイからね。』
『ありがとうございます。やっぱり、赤ちゃんって可愛いですよね〜』
『うん、可愛いよ〜』
『じゃあ、子どもは好きなので、結婚したらすぐに欲しくなるかも…でも、そうなれば、産休から育休ですね』
あ、しまった…マイナスのイメージを植え付けちゃダメじゃん。
『うん、でも、私、27歳で産んで今28歳だから、
やっぱり子育ては、若い方がいいと思ったよ。
赤ちゃんにも寄るけど、最初は3時間おきに起きるし、これからどんどん目が離せなくなるから体力勝負って言うし…』
『あーそうですよね』
『井上ももう30になったんでしょう?洋平なんて30超えて結婚したから、やっぱり、もう少し早くても良かったって言ってるよ』
まだ、まだ、うちのダーリンは、すっごく元気だけど…♡
井上は、なんか落ち着いてて、すぐにお爺ちゃんになりそうだし…言えないけど…
『そうですよね〜色々手伝ってもらうなら、やっぱり少しでも若い方がいいですよね〜』
『うんうん。私たちは先に一緒に住んで、籍入れて、すぐに心美が出来たからね〜』
『あの人も早く一緒に住みたいと思ってるのかなあ?』
きた〜きた〜!
『そりゃあ、そうじゃない?じゃないとプロポーズなんてしないわよ♡』
『そうですよね?聞いてみようかなぁ?』
そうそう、話し合ってくれ〜!
ん?なんでこんな必死になってんだ?私は…
あ、責任感じてるからだな!
『うんうん、2人の将来設計、話し合えば、もしかしたら、同じことを考えてるかもよ♡』
そう!同じなのよ。ちょっとタイミングがズレただけ…井上の押しが緩かったんだよ
そういうとこだよ、井上!
『そうですよね〜私たちも美優さん夫婦みたいに、なりたいです♡』
『あら〜嬉しい!なら、もう一緒に住んじゃいなよ』
『そうですね♡それから考えようかなぁ』
あは、思ったよりスムーズにいったなぁ〜
やっぱり、結婚したかったんだよね。
良かった。
井上に報告しなきゃ!
何やってんだ、私は…全く
家事しながら、ずっとスマホ触ってたじゃないか…
『井上、大丈夫だ!やれることはやった!
あとは、キミの一押しだ!検討を祈る‼︎』
『え?マジで?どういうこと?』
自分で考えろ!っつうの…まったく…
『私の任務はここまでだ!
この先は、いかにキミが愛を囁くか?だ。
指輪を用意しろ♡
私はこれから買い物へ行く!主婦は忙しい!
じゃあ!』
そのまま、しばらく放置してやった
あはは
頑張れ!井上‼︎
ところで山本は、どうしてるんだろう?
全く忘れてた…まあ、いいか…アハッ
洋平が夜、帰って来て
「美優、今日、井上に指輪を用意しろ!って言った?」
「うん、言ったよ。メールで!」
「だからか…洋平さん、指輪どこで買ったんですか?って聞かれたよ。」
「あー洋平に聞いたか…
買い物行かなきゃで、忙しかったから、片岡ちゃんの気持ちを聞くだけ聞いて、大丈夫だからあとは、頑張れ!って、指輪を用意しろ!って言ったんだけど…そこまで言われたら、分からない?」
「まぁ、分かってるんじゃないか?指輪を買ってもう一度頑張ります!とは言ってたよ。」
「そう、なら良かったわ。」
「で?片岡ちゃん、辞めちゃうの?」
「実は、父が色々教えてるようで、仕事が楽しくなってるみたいで…
それはいいんだけど、井上は早く結婚したいみたいだし、じゃあ話して見れば?って。
結局、2人とも一緒に居たいし、結婚したいみたいだから、じゃあもう一緒に住んじゃえば?って…ウチは、そうだったよ〜って言ったら、そうですね、それから考えますって…」
「そっかあ、結婚するか?あの2人」
「たぶんね。結婚したらすぐに赤ちゃん欲しくなるって言ってたから、後任のことは考えておいた方がいいわね。」
「そうだな。美優は、まだ戻らないんだよな?」
「うん、父が常務の間は、無理だし、なら急ぐこともないし…」
「そうだよな。あーじゃあ、ホントに次、どうしようかなぁ?適任者が居ないなぁ〜秘書課から借りるか?」
「あーそれもいいかもね。私が代わりに秘書課に入れてもらおうかしら?」
「えー?そうなの?」
「ううん、勝手に言ってるだけよ。」
「でも、秘書課は結構なお|局《つぼね》さんが居らっしゃるから、女のバトルがエグいって聞くぞ。」
「そうだね。だから、常務だけは特例で認めてもらったんだもの。案外、そういうのを一新するチャンスかもよ。父が専務になったら考えてもらおうかなぁ?
なら、私もやりたい!改革を…」
「この|父娘《おやこ》は、ホントにすごいなぁ」
「なんか楽しくない?片岡ちゃんじゃないけど、やっぱり新しいことをするのって、やり甲斐があって楽しいよ。」
「まあ、そうだよな。」
「洋平だって、海外事業部から異動して、楽しそうだし…」
「そうだよな」
「あーなんだか又、仕事したくなってきた。」
ジーっと、心美を見て…
「でも、この笑顔も見て居たいし…成長は見逃せないよね〜」
「うん、悩むところだなぁ〜俺は、どっちの美優も好きだよ」
「あ〜ズルいなぁ〜」
「ふふ」
リビングの床に座っている美優の後ろに
わざわざ座って…
ぎゅっと後ろから抱きしめる
2人で心美を見つめる
「バア〜!」洋平が美優の肩から顔を出す
「キャキャ、キャキャ」笑ってる ここちゃん
繰り返す洋平
「バア〜!」
「キャキャ、キャキャ」
自然に皆んな、笑顔になる
「幸せ♡」
「そうだな」
美優の頬にキスをする洋平
顔を後ろに向ける美優
美優の頬を支えて
唇にキスをする洋平
「ふふ」
「キャキャッ」
「ここちゃんに笑われた」
「笑われついでに、もう一度…」
美優のカラダごと自分の方に向け
優しいキスをする
美優も洋平の首に手を回し
熱いキスを交わす
「う〜ん、妊娠しちゃう」
「美優ちゃん、キスだけでは、出来ないよ。
作り方、教えてあげようか?」
「ふふ、バカね〜」
治らない洋平は、益々濃厚なキスをする
「ダメよ。ここちゃんが笑いながら見てる」
「ここちゃん、パパとママは仲良しだからね〜
今からラブラブするからね〜」
「しないわよ!」
「えー!美優〜」
「また、始まった…困ったパパね〜」
「じゃあ、ここちゃんを寝かしつけよう!」
「ふふ、お目目ギラギラに開いてるけどね…」
「ここちゃん、はい、もう寝ましょうね〜」
「ふふ、寝るわけないじゃない、ハハ」
「分かった、俺が寝かしつけてくる」
「うん、頑張って〜」
「待ってろよ、美優、寝ないでよ。」
「寝る〜」
「おいおい、分かった、じゃあちょっと寝てて、
あとで、起こしてあげるから…♡」
「ふふ」
なんで、あんなに元気なんだろう?
ホントに2人目が出来そうで、怖いんだけど…
しばらくして、井上からも片岡ちゃんからも
連絡が来た。
「この度、咲と、めでたく結婚することになりました。色々ありがとうございました。」
「おめでとう!良かったね。先に一緒に住むの?」
「うん、咲がウチに来ることになった。仕事は、そのまま続けるから…」
「うんうん、良かった。井上頑張ったんだね。」
「おー頑張って、アドバイス通りに、指輪も買ったよ。」
「バッチリだったでしょう?」
「うん、さすがだな、《《姉》》さん!」
「ハハハ、誰が姉さんよ!末永くお幸せに…」
「ありがとう!姉さん達の披露宴が先だよねー」
「あ、ホントだね。洋平に言っとく〜」
「片岡ちゃん、おめでとう!」
「ありがとうございます。」
「あ、今度からは井上さんだね。ややこしいから|咲《さき》ちゃんって呼ぶね。」
「はい、なんだか慣れないなぁ〜」
「ふふ、しばらくはね〜そのうち慣れるよ。」
「何かあったら、いつでも聞くよ。末永くお幸せに〜」
「ありがとうございます。お願いします。」
良かった。
そう言えば…私たちの披露宴どうするんだろう?
洋平は、どう思ってるんだろうな…