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[数えられる恋は森で終わる]
そこから青年と獣は獣の宿に泊まっていた。
そこから互いに距離を詰めていった。
ある日青年はこう言った
深)俺とデートしに行こうよ。
照)場所は?
深)ひ、み、つー、笑
照)そっか
深)ほら!準備して!
照)今?!、
深)今だよ?
青年は図々しく言う。
照)準備できたよー!
深)はーい
照)楽しみ
深)ここです!
そこは10本の木が並ぶ小道だった。
照)あっ、
深)どうした?
照)いやっ、なんでもない、
深)ふーん、そっか。
と言いベンチに座ってまったりと普段話をする。
深)―だよね!
照)ははは、そうだね、
獣は落ち着かないような様子だ。
深)どうしたの!なんか隠してるよね!!
と少し強く言った。
照)驚くなよ。
深)うん
照)この木は―
1年に1本ずつ消えていく命の木 なんだよ。
それで選ばれた人がこの木が失くなったら亡くなるってことなんだよ。
で、その選ばれた人が俺ってことなの。
だからこれが失くなったら俺は死ぬ。
その時青年がふと木を見るとすでに1本消えていて残り9本。
深)9本しかないじゃん、
照)うん。だからあと9年しか生きられない。
深)でも、!俺は一緒にいたいよ!!!!
青年がそう言ったあと獣はすぐに答えられなかった。
拒めば青年は安全に生きられる。
それが、分かっていたから。
森の風が並木を揺らし、葉の影がふたりの足元で重なったり離れたりした。
獣は青年の手を取ろうとして、途中でやめる。
照)後悔する
そう言って目を伏せる獣に、青年は一歩近づいた。
深)後悔する時間があるなら、それでいい
青年は木を一本一本見上げながら言った。
まるで数を刻むように、ゆっくりと。
深)消えていくなら、最初から一緒に見たい。
失くなる前の姿を、全部覚えていたい
獣はその言葉に、初めて震えた。
恐怖ではなく、誰かに自分の終わりを受け入れられたことへの戸惑いで。