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#ライトノベル
umaimon
4,234
ライラック💜💫【🎨🫧】
50
翌朝。
学校にはいつも通り、生徒たちの声が響いていた。
2年A組。
「あや、おはよー」
「おはよう」
あやはいつも通り席に座る。
隣では、みくとまゆらが話していた。
一方、別の校舎では――。
2年C組。
「おはよ、りゅうせい」
「おはよ」
りゅうせい、けいすけ、れんとも普通の生徒として過ごしている。
7人には、学校で絶対に守っているルールがあった。
能力は、誰にも見せない。
もちろん、顧問の先生にも。
能力を使うと目の色が変わる。
だから、使うときは一瞬だけ。
周囲から見えないタイミングで。
そして何より――
もともとの身体能力が異常に高い。
能力を使わなくても、普通の生徒よりずっと速く動ける。
だからこそ、普段はそれを「運動神経がいい」で誤魔化していた。
体育の時間
「今日は体育館でバスケットボール!」
体育教師が告げる。
A組とC組、それぞれ体育が始まった。
あやたちは体育館へ向かう。
「今日はバスケか」
みくが小声で言う。
「能力使わなくても余裕だけどね」
まゆらが答える。
「でも、やりすぎると目立つ」
あやが注意する。
「先生にバレたら終わり」
「了解」
4人は普通の顔をして体育館へ入った。
一方、C組。
「今日バスケじゃん!」
れんとが笑う。
「俺たち、普通にやるだけでも目立つんだよな」
けいすけが苦笑する。
りゅうせいが周囲を見る。
「だから抑える」
「了解」
試合が始まった。
あやはボールを受け取る。
「おっ、あや!」
相手が迫ってくる。
あやは軽く横へ動いた。
スッ。
「え?」
相手が一瞬見失う。
「速っ!」
「あ、ごめん」
あやはわざと少し速度を落とした。
――危ない。
今のは普通より速すぎた。
「身体能力高すぎだろ!」
「たまたま」
あやは笑ってごまかす。
その直後。
みくがボールを奪う。
「みく、パス!」
あやへ飛んでくるボール。
しかし、少しだけズレていた。
あやは反射的に手を伸ばす。
一瞬だけ――
目が赤く光った。
ボールの軌道が完全に見える。
あやは自然な動きでキャッチ。
「ナイス!」
「ありがとう」
誰も気づいていない。
ほんの一瞬だったからだ。
C組でも。
れんとがボールを追いかけていた。
「れんと! そっち!」
「分かってる!」
ボールが大きく跳ねる。
普通なら間に合わない距離。
れんとは走る。
ドンッ!
床を蹴ってジャンプ。
ギリギリでキャッチした。
「すげぇ!」
「運動神経いいな!」
「まあね」
れんとは笑った。
能力は使っていない。
純粋な身体能力だけ。
それでも周囲からは驚かれる。
体育が終わった後。
廊下でA組の4人とC組の3人がすれ違う。
「今日、危なかったね」
みくが小声で言う。
「特にあや」
はるやが笑う。
「バレるところだった」
「……ごめん」
あやは小さく答える。
りゅうせいが周囲を確認する。
「でも誰も気づいてない」
けいすけも頷く。
「先生も気づいてない」
「なら大丈夫」
あやが前を向く。
「これからも――」
7人は同時に歩き出す。
「普通の生徒として過ごそう。」
その直後。
体育教師が廊下の角から現れた。
「おーい! さっきの体育、みんな動きよかったな!」
「ありがとうございます!」
7人は何事もなかったように返事をする。
先生はそのまま去っていった。
7人は顔を見合わせる。
そして――
誰にも聞こえない声で、あやが一言。
「……危なかった」
誰にも知られてはいけない。
7人が超能力を持っていることも。
そして――
卓球部で起きている異常な強さの秘密も。
コメント
1件
第3話読みました!体育の時間、能力バレしそうになるハラハラがたまらなかったです…特にあやが無意識に目を赤く光らせちゃうところ、すごく緊張感あって好きです。みんな「普通の生徒として過ごそう」って言い聞かせてるのに、身体能力だけで周りと差がついちゃってるのも切なくて。でもそういう隠し続ける孤独みたいなものが、じわじわ伝わってきてグッときました。卓球部の秘密も気になる〜続き楽しみにしてます!🤍