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「…………あの金で、このドレスを買ったのか」
侑は瑠衣に問い掛けると、彼女が辿々しく頷く。
「このドレス……俺だけが脱がせていいドレスだからな? 覚えておけ」
瑠衣が纏っているドレスのファスナーのツマミに手を掛け、引き下ろしていくと、静けさに包まれたホテルの一室にその音が響いた。
ひんやりした空気を感じている白い背中は泡立ち、瑠衣はもどかしく思う。
(早く先生に抱かれたい……響野先生を…………感じたい……)
こんな事を考えている自分が、堪らなく恥ずかしい。
それはきっと、相手が響野先生だから思う事なのかもしれない。
けれど、芽生え始めた密やかな慕情を、口には出してはいけない。
娼婦が、客の男に惚れてしまったなんて、あってはならない事であり、瑠衣の心の中で、暖めておかなければならない恋心なのだ。
彼女の想いをよそに、侑の長い指先はファスナーを全て下ろし、華奢な両肩に触れながらドレスをくつろげる。
ハラリと音がしたかのように、ドレスは衣擦れの音を立てながら瑠衣の身体を伝い落ちた。
ガラス越しに映る瑠衣は同色のブラとショーツだけにさせられ、背後では侑がスーツを脱ぎ捨てている様子が見えている。
ダークネイビーのボクサーだけになった侑は、再び背後から抱きしめた。
「せんせ……お風呂…………っ……まだ……入ってなっ…………んあぁっ」
「構わん。このまま…………お前を抱く」
侑がブラのホックを容易く外すと、ふわりと浮き上がり、白磁の膨らみを包み込んで揉み上げた。
滑らかな首筋を伝い続ける侑の唇が気持ちいい。
今夜は娼館ではなく、同伴で外に出て壮大な夜の光景を眺めながらの行為。
しかも、客でもある響野侑への想いに気付き、羞恥心が湧き上がって艶声を出す事すら憚られる。
侑の指先が、熟れ始めた瑠衣の小さな果実を摘み、捏ね回すと、身体中に駆け巡る快楽の波が襲い掛かり、堪らず声を上げた。