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「……それで、その相手が分かれば必要な教育を施して、ソビエトから情報を抜き取るつもりだ。思い当たる人間は居るか?」
枢軸の三国が集まる会議にて、他の策や案がまとまった所で話を切り出した。
うちの組織の範囲でソビエトと交友関係のある人間を探したものの、俺と俺の上司を含めた一部の上層部が会議で同席したことがある程度で、疑わしい人間はいなかった。
「私の所も先輩と同じ感じです。それなりの地位がなければ、国と会う機会すらありませんから」
日本の言う通り、国というだけで相手はかなり絞られる。でも、知覚している内では女は居ない。
会議の帰りやらでたまたま会った町娘、とかの方が可能性が高そうだ。そうなるとかなり難しくなってしまうが。
「思い当たる人が居る……っちゃ居る、かも?」
「なんだと! それはどこのなんというやつだ!」
勢い余ってイタリアの肩を掴むと、必要以上に怖がられ、日本に少し仲裁された。
その時のイタリアには恐怖とは関係ない、落ち着いた驚きが混ざっていたような気がする。
「確証はまだないから、言って混乱させたくないんだよ。ナチスって今年中にソビエトとの会食があったよね。その時探ってきたらどう?」
「そうか……まあ、それほどのことは話さないと思うが、少しつついてみようか」
どんな聞き方をしようか思考しながら会議室に後の二人を残し、一足早く帰路に着いた。