俺の問いに、小次郎は目を大きく開いた。きっと俺がこんなことを覚えていたのが意外だったんだろう。
そして、口角をうっすら上げた。
「……釣り合ってないよ」
「は、何言って」
あれだけ慎重にいきたいとか言っていたくせに、それじゃあ今までの二の舞じゃないのか。
俺が不満げに眉根を上げると、小次郎は保存食の棚に寄りかかり、再び口を開く。
「面白いことにほんのちょっぴり彼女が上なんだよ。」
「……上って、ほんとかよ。信じらんねぇな」
「僕だって、信じられないよ」
「だけど、釣り合いが取れないなら結局今までと同じじゃねぇのかよ」
「あはは、仕事の部分だったら単純だよ。僕がお店を頑張って釣り合うようにすればいいだけ」
「…………」
今までこの店に本気で向き合ってきた、小次郎がそう言うならそうなんだろう。
俺の部屋でグチグチと恋愛について文句を垂れてた頃を思い出すと、何故か感慨深******
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