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今日は平日なのだが、薬草が足りなくなってしまったので、村を出たところにある草原までレーナとノアは薬草を採りに出かけた。 ついでに休みをもぎ取ったノアはレーナと少しでも一緒にいられるよう、薬草摘みに着いてきたのであった。
相変わらず手は繋がれており、いつの間にか恋人繋ぎに変化していたのだが、レーナ自身もまんざらではないので好きにさせていた。
これが二人の初めての外出なので、ノアはデートだと浮かれているらしい。
しかし、二人きりで出かけたということがデートになるのなら、既に一回経験していることになる。
「あれ? 初めてじゃないよね? お布団買いに行った時も二人だったよ?」
「やだ、あれをデートに入れてくれるの? 本当に可愛いわね」
「いや、私は事実を言っただけで……」
ノアが話を聞かないのはいつものことなので、まあいいかと気にしないことにした。
レーナの歩調に合わせてゆっくり歩いてくれているノアの優しさも相まって、くすぐったさもあり嬉しさも募っていく。
家から三十分ほど歩いたところで、村から少し離れたところにある草原に辿り着く。無駄にだだっ広く生い茂る草木を見て、心がすっと落ち着くような感じがした。
植物の独特な青臭いにおいがレーナとノアの鼻腔に届くが、決して不愉快ではないこの香りを鼻いっぱいに嗅ぐ。
自然の豊かさに感謝の気持ちを忘れずにいなくては。
「薬草ってこの辺で採れるのよね? 一応図鑑で見て覚えて来たけれど、レーナに確認してもらうわね」
「うん、それがいいと思う」
レーナとノアは調合に必要な薬草を見つけては採取を繰り返した。ノアは記憶力がいいので、ほぼ間違いなく正しい薬草を摘むことができていた。ノアって頭がいいんだなあ、とのんきに考えながら、レーナは薬草摘みを再開した。
薬草摘みから約一時間、必要な分は取れたのでレーナは摘むのをやめた。
「レーナ、まだあるわよ? きちんと温度管理しておけば使えるわ、採取しなくていいの?」
「うん、必要な分だけあればいいの。摘みすぎて枯れてしまっては元も子もないでしょう?」
「……そうね、自然を大切にするのはいいことだわ」
「そういうことだよ」
レーナはレインの教えを忠実に守っていた。必要な分以外を採取して根こそぎ摘んでしまえば、いずれは枯れてしまうかもしれない。人間の勝手で自然を失うのはあってはならないのだと、レインはいつも言っている。
魔女としてだけではなく、人間のあるべき姿として、レインはレーナに教えてきたのだ。
「レインらしいわね」
ノアは優しく微笑むと、軍手を外しカゴの端に掛けて立ち上がった。レーナも同様に軍手を外して伸びをする。
風がそよそよと頬を撫でていき、後ろに束ねた髪も風に乗って揺れている。
「風が気持ちいいね、ノア」
「そうね、自然を感じるのも悪くないわ」
二人して棒立ちになり、そっと目を閉じる。風のそよぐ音や、小さな生き物達の声、草木の香りがふたりを優しく包んだ。
そして、ぱちりと目を開けると太陽の眩しさに目が眩みそうなる。
人間の住む世界には太陽と月があり、こうして日光に当たることによって植物や動物が生きていられるのだ。
しかし、魔界はどうなのだろう。学園にいた時はついていくのに必死で魔界のことはノータッチだったレーナは、彼の世界をよく知らないことに気づいた。気になったレーナは「ねえ」とノアに聞いてみた。
「魔界ってどういうところなの?」
「人間界と大して変わらないわよ。こんな風に太陽の光は降り注ぐし、月は煌々と輝いて、美しい自然もある。ただ、魔力の濃度が高いだけね。人間には特に影響はないから安心して」
この美しい世界と離れ離れになるかもしれないと少しセンチメンタルになっていたレーナだが、魔界も人間界とそう代わりはないらしい。それに安心したレーナはにこりと微笑んだ。
「それならよかった。いつかはノアのお嫁さんになるんだし、私も魔界に行く心の準備をしておかないとね」
「……そうね」
眩しい太陽の明かりに照らされるレーナは、恋に盲目状態のノアから見れば可憐な妖精が遊んでいるように見えた。
サラサラと指通りのいい金の髪はノアより色が濃くて、海のように澄んでいる青い瞳に見つめられると吸い込まれそうになる。
ノアはレーナとの違いをまざまざと見せつけられた気がして、心がざわついた。先ほどまでこの自然豊かな草原のことを気に入っていたのに、いつかレーナを攫う日が来ることを思うとそれがいけないことのように感じてならない。
ノアは優しすぎたのだ。
だから、どれだけ好きだと愛の告白をしても無理強いはしないし、レーナのペースに合わせることができる。
それは、レーナのことを心から愛しているからだということにノアは気づいてしまったからだ。
いつかの未来、果たして自分は本当にレーナを連れていけるのかと自信をなくすが、ノアは次期王なのでレーナを連れて行かないと別の女を当てがわれることは間違いない。
レーナ以外要らないノアは、心を鬼にする準備をしなければならないのだ。
しんみりとした雰囲気を変えるように、ノアは努めて明るく話題を振った。
「レーナ、家に薬草を持って帰ったら、ローラさんのお店に行きましょうよ! この前のハンカチを買うの。アタシ、この前お給料もらったばかりだから、レーナに贈らせてちょうだい」
なんだかいつもと様子がおかしいように見えるノアに違和感を覚えたが、ノアが触れてほしくなさそうにしていることをなんとなく察したレーナはノアからの提案について考える。
先日レインから初めてお給料をもらったノアは、レーナのために使いたいという。せっかくもらったお金をそんな簡単に使っていいものなのだろうか。
「そんな、悪いよ。それはノアのお給料なのに」
「だからアタシの好きに使うんじゃない。アタシがレーナにプレゼントしたいからそうするの。でも、そうね、レーナが嫌ならやめるわ」
「そんなことない! 嬉しいよ、ノア。私のためにプレゼントしてくれるんだよね?」
「そうよ、最初からそう言ってるじゃない」
いつだってレーナを優先してくれるノアは、本当に優しいと思う。この前の月のものが来た時だって、キスやハグをしただけで、えっちな触れ合いはしなかった。いつもならディープキスをするのに、その時だけは啄むような優しいキスで、レーナは心が落ち着いたのを覚えている。
優しくてレーナ想いのノアのペースに完全に嵌りつつあることを理解して、レーナは言葉に詰まりそうになる。
「……ありがとう、嬉しい」
「レーナが喜ぶのなら何だってするわ」
「大袈裟だよ」
「そんなことないわ。自分の恋人を喜ばせるのは男の特権ですもの」
「もう、すぐそういうこと言うんだから……。本当にずるいよ」
「だって、アタシは人間を誑かすのが得意な淫魔ですもの」
そうだった。淫魔だからこそ、毎日えっちなお勉強をさせられているのだと思い出したレーナは顔を赤くする。
それを見たノアは機嫌がよくなりレーナの頬にキスをした。
「そろそろ帰りましょうか」
「うん」
帰りも同様恋人繋ぎをして、二人は談笑しながら帰宅した。手を念入りに洗い服装も気合を入れて水色のワンピースに着替える。
昼食を三人で食べてお腹を満たしたら、歯磨きをして化粧もうっすらと施し淡いピンク色のリップを塗った。髪はハーフアップにして、毛先を巻けば完成だ。
「やだ! レーナってばとっても可愛いわ!」
いつも通りキスしようとしてくるノアにストップをかけると、あからさまに不機嫌顔になった。
「今はだめ。リップがヨレちゃうでしょ」
「……仕方ないわね、帰ったらたくさんキスしてくれなきゃ許さないわよ」
ひどいことをされるより、キスをされることの方がずっといいのでレーナは「うん」と頷いた。もっとも、ノアは絶対にレーナの嫌がることをしないので、警戒しても意味がないのである。
レインにまた出かけることを伝えると、「夕飯までには帰ってくるんだよ」と呆れ顔で見送ってくれたのだった。
ローラの親御さんの店は本来寝具店なのだが、それだけでは商売が成り立たないからと布や毛糸などの消耗品を販売しているのだ。
この前ローラがリリスと共にレインの店にやってきた時、とても可愛いハンカチを持っていたので、それを買いに行くためにわざわざ着替えたのだ。
もちろん、ノアご希望のデートをするために。
それに気づいているからか、彼の足取りも軽い。カジュアルな恰好をしており、シャツにチノパンといったラフは服装ではあるが、その質素さがノアの美しさを際立たせていた。
ノアと話をしているとあっという間に時間が過ぎていく。気がついたら寝具店まできていたのだ。オープンの看板が出ていることを確認し、ドアを開けるとドアベルの音が鳴った。
「いらっしゃいませ! あらあら、本当に二人で来てくれたのね。どうぞ、ゆっくり見ていってちょうだいな」
「ありがとう。この前のハンカチが欲しいんだけど、まだある?」
「もちろんよ、レーナの分は取り置きしておいたわ」
「嬉しい、ありがとう!」
レーナは店の奥から一枚のハンカチを持ってきたローラに感謝の言葉を述べ、買い物カゴの中に入れたのはノアだった。
「あら? ……ああ、そういうことね。ノアさんからの贈り物なのでしょう?」
「さすがですね。ええ、私から贈らせていただきます」
「素敵ですね、いいと思いますよ」
なんだかノアからもらってばかりいる気がしたレーナはノアに何かを返そうと思い、彼同様ノアにプレゼントすることにした。
この前お高めの下着を買い、懐が寂しくなっていたところでお給料がもらえたので、気兼ねすることなく好きなものを選べる。
ノアに似合うハンカチはどれだろうと考えたが、どうせなら渡すのならお揃いがいい。
「ローラ、このハンカチまだ在庫残ってる?」
「ええ、ちょうど一枚残っているわ。そんなに気に入ってくれたの?」
「そうなの。気に入ったから、私だけじゃなくて、ノアにもプレゼントしようと思って」
微笑みながらレーナがそう言うと、ノアは珍しく頬を染めて片手で顔を隠した。これはノアのクセで、恥ずかしくなったりして顔を見られたくない時に、こうやって顔を隠すのだ。
ノアが喜んでくれたのが嬉しくて、レーナはローラにラッピングをお願いした。
「ローラさん、私の分もラッピングしてくれますか?」
「もちろんですよ」
そうしてハンカチを包んでもらった二人は、ローラに礼を言って店を後にした。
帰宅して早々、お互いに同じものをプレゼントしあう二人はなんだかおかしくなり、くすくすと笑い合った。
それを見ていたレインは「相変わらず仲がよろしいことね」とまた呆れられてしまったのである。
今日もキスから始まる夜のレッスンは、いつもよりたくさん唇に触れられて、昼に言っていた「たくさんキスをする」を実行しているのだと悟り、レーナはノアに応えるように唇を食む。
前までは上半身を可愛がられるだけだったのに、最近は下半身もノアに触れられるようになったのだ。
クリトリスを舐められて、指で転がされたりくにくにと摘まれたりしているうちに、感度が上がってしまいすぐに果てるようになった。
愛液がとろりと出てきてノアの手を汚し、それをいつも目の前で舐めるのだから、レーナからすればたまったものではない。
「汚いよぉ……!」
「なあんにも汚くなんてないわ。レーナはこうやっていつもアタシの手を濡らすから、アタシも最高に嬉しいわ」
とてつもなく恥ずかしいことを言うノアに、レーナは枕で顔を隠して見えないようにする。
しかし、抵抗虚しくさっと枕を取られるとそのままキスをされる。
自分の秘部を舐められた口でキスをされることに対して嫌悪感を抱かないのだから、相当ノアに入れ込んでいると嫌でも分かってしまう。
本当に嫌ならレーナだって拒絶する。それでも嫌だとは思わないのだから、ノアのことを好きだと認めざるを得なくなってきた。
「んぅ……」
「ほら、すんなり入った」
ノアの細いが男性らしい中指は、蜜口はいとも簡単に受け入れる。何度もそうされてきたのだから、身体も慣れていくもので痛みは感じなかった。
「痛い?」
「痛くない、よ」
「それならよかったわ。大丈夫、乱暴なことはしないから」
「うん……」
ナカを抽送されて、いいところを重点的に責められて、またしてもすぐに果ててしまったレーナは荒い呼吸をくり返す。
「はあ、はあ、はあ……」
くたりと四肢を投げ出すと、ノアは初めて下着を脱いだ。お腹につくきそうなくらいそそり立つペニスを見て、レーナはその大きさにまじまじと見入ってしまう。
「お、大きいね……?」
「そう? 普通だと思うけれど」
「そ、そうなの?」
「そうなの」
性教育で習った時に見た張型よりも大きい気がするレーナは、それがいつかナカに入るのだと思うと緊張してしまう。
絶対痛い! レーナがそんなことを思っているとノアはとんでもないことを言い出した。
「レーナ、そこで見ていて」
「え? なにを……?」
レーナの愛液が付いた手で、ノアは勃起したペニスを上下に扱いた。しゅっしゅと扱くノアの顔は、快感に浮かされながらも、熱を帯びた瞳でレーナを見つめた。
「ねえ、アタシがレーナをオカズにオナニーしているところ、ちゃんと見てっ……!」
「お、おかず!? それに、お、おなにーって……!」
言葉の意味を理解して、レーナはかつてないほどに赤面した。レーナの痴態を見て欲情したノアが初めて見せる性的なものに、レーナはくらくらしそうになる。
普段は上品なノアの口からオカズやオナニーといった言葉が出てくるとは思わなかったレーナは、これ以上ないほどドキドキしてノアから目が離せない。恋人のレーナに自慰を見られて感じているノアの蠱惑的な表情に、下腹部からとろりと溢れていくのを感じつつも、快感で険しくなる美しい顔をレーナは見つめた。
「はあ、まだ挿れないから、大丈夫……。レーナのペースに、合わせるから……!」
そして、ノアは果てた。鈴口からはひどいにおいのする白いものが出てきて、レーナの足にかかった。
それは、嗅いだことのない鼻をつくようなにおいだったが、ノアから出たものなのでそこまで嫌な気分にならなかったレーナは、足についた精液を指で掬うとぺろりと舐めとった。
「ちょ、レーナ! なにして……!」
「うう、おいしくない」
「当たり前でしょう! ほら、吐きなさい」
「いや」
レーナはごくんと飲み込んだ。においがツンと鼻を刺激するが、それだけで不快にはならなかった。
それを見たノアは再び勃起して元気になっていた。
「わあ、ノアって絶倫? ってやつなんだね、すごい」
パチパチと拍手するレーナだが、いずれその目の前にそそり立つそれが自分のナカに入ることを思い出し、顔が青くなった。
絶倫の意味も知っているレーナは、果たしてこの男と最後までできるのだろうかと不安になる。
「大丈夫よ、少しずつ慣らすって約束したじゃない」
ノアが優しくそう言うと、レーナは安心したのかどうにか笑みを浮かべてこくんと頷いたのだった。
そして、ノアは元気になってしまった自分のペニスをもう一度扱き、きちんと抜いてからお互い身を清めた。
身綺麗になった二人はそれぞれベッドと敷いた布団に横になる。
そして、レーナはずっと気になっていたことを聞いた。
「ねえ、ノアは今まで、その、反応したりしなかったの?」
「してたに決まっているでしょう。レーナに無理はさせたくないから、レーナが寝た後にいつも一人で抜いてたのよ」
レーナとあれこれしている時のノアの股間はいつも盛り上がっていた。我慢させていたのかと気づいたレーナは「ごめんね」と小さくつぶやいた。
「やだ、気にしないでちょうだい。アタシは今のままで満足しているんだから。少しずつ、お互いのことを理解していきましょうね」
「……うん。ありがとう、ノア」
どこまでも優しいノアに、レーナはどうしていいか分からなくなる。
モヤモヤを取り払うように、布団を頭から被り何も考えずにいると、いつの間にか眠ってしまったようだった。