🌙 Scene 32:景兎先輩の返信
送信してから、
また静かな時間が落ちていく。
画面を見つめていると、
胸の奥の緊張だけが
ゆっくりと残り続ける。
数分後、
スマホが小さく震えた。
景兎先輩からだった。
「そっか。
返事もらえて嬉しいです。
俺は元気にしてますよ。
最近は少し忙しいですけど、
でも……こうして話せて、なんだか安心しました。」
その文を読み終えた瞬間、
胸の奥がふっと温かくなる。
“安心しました。”
その一言が、
まるで直接声で聞いたみたいに
静かに響く。
私は画面を見つめたまま、
そっと指を動かした。
「忙しい中で連絡くれたんですね。
ありがとうございます。
……私も、こうして話せて嬉しいです。」
送信。
胸の奥が、
ゆっくりと熱を帯びていく。
短い言葉では足りなかった。
でも、
全部を言葉にする勇気はまだない。
その間の揺れごと、
メッセージに滲んでいた。






