コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
リハが休憩になり、
他のメンバーが疲れたー!と騒ぎながら床に倒れ込むのを横目に、俺は水を一口飲んだ。
「めめ、最近元気なくない?」
不意にラウがそう言って、俺の顔を覗き込んでくる。
「え、そうか?」
「うん、なんかずっと考え事してる」
「考え事……まぁ、ちょっと」
誤魔化そうとしても、きっといつも一緒にいるメンバーには簡単に見抜かれる。
だけど、これ以上突っ込まれたくなくて、話をそらした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リハ終わり、人気の少ない廊下を岩本くんと二人で並んで歩く。
会話がない時間が、いつもより長く感じる。
「……目黒」
「はい」
「お前さ」
「最近、ちょっとおかしくね?」
岩本くんがぼそっと呟いた。
「なんかさ、距離取ってね?」
鋭い視線が、俺の奥の奥まで見透かそうとしてくる。
「そんなことないよ、笑」
すぐに笑って誤魔化す。
でも、自分でもわかる。
その笑顔が、どこかぎこちないものになっていることを。
「じゃあ」
岩本くんが足を止める。
俺もつられて立ち止まると、まっすぐに俺を見つめてきた。
「なんで、最近目を合わせねぇの?」
ドクン、と心臓が鳴る。
やっぱり気づかれてた。
「、合わせてるよ笑」
「じゃあ、目見ろよ」
ズルい。
真正面から見つめられたら、誤魔化すのが難しくなる。
「……ほら、見れねぇじゃん」
岩本くんが小さく笑う。
目を合わせられないのは、好きだからだなんて、言えるわけがない。
そんなこと、絶対に言えない。
言ったら、壊れる。
でも、何も言わないまま隣にいるのも、だんだん苦しくなってきた。
「別に、疲れてるだけなんで」
絞り出すようにそう言い、また歩き出した。