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「はあ」
政賀を肩に乗せ、端に腰掛ける。
「すみませーん!」
あっ。
また誰か来た。
「どうぞー入ってください!」
「これ終わりました!」
「随分と早いですね」
「あぁん!?俺様が先だ!」
猪頭が言う。
「誤差は関係ないので、はい良いですよ。次のやってきてください」
めんどくさいから、とりあえず猪頭を帰した。
そして竈門さんから課題を受け取る。
「あの!日の呼吸知ってますか?」
「もちろん」
「詳しい話聞き集めてて」
「そうなんですか。私は、日の呼吸の使い手の子孫の住む場所を訪ねたことがありますよ」
「えっ!ど、どんな風でしたか?」
「山の中腹辺りに住んでらしていました。小さな建物が見えたので近寄ろうとしました」
「けれども、血の匂いが漂ってきて、慌ただしく動き回る3人の人影が見えたので私は足を止めました」
「えっ」
「おそらく、鬼に殺られたのではないかと思います。かの継国縁壱の子孫ですからね。それか、山の中ですので、単に鬼が出世するための踏み台にされたか、でしょう」
「そんな…」
「そんなお顔をなさらずに、きっとどこかで今も生きているかもしれません。今思えば、あの時見た人影はあまね様でしたし」
「なぜあまね様が?」
「おそらく、私と同様、継国縁壱の子孫をお探しになられていたのでしょう」
「なるほど」
「まあこの話はここまでにしましょう。次の課題に取り組んでください」
スッと手渡された物を返却し、立ち上がる。
彼も立ち上がり、一礼すると、こちらに背を向けた。
「あっ」
「峰(みね)!」
峰とは、キョウと昔から一緒に居て、鎹鴉の役割もしている鷹だ。
「おかえりなさい!今日の隊士の様子はどうだった?町に物怪の気配がある場所はあった?」
そんな会話が弾んでいる間の向こう。
丸い硯を3つ重ねたくらいの大きさの漆塗りの箱があった。
より深く見える漆黒が、闇をあらわにしようとしている。