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肉塊を散々咥え込んでいた膣口は、すんなりと豪を受け入れ、半分ほど入ると一気に最奥まで腰を突いた。
律動はせず、繋がったまま奈美の身体を抱きしめ、艶やかな唇にキスを幾度も落とした。
「豪…………さ……ん……?」
腰を動かさず、肉槍を埋め込んだまま、じっとしている彼に、奈美が彼の名前を呼んだ。
「今夜の俺は、奈美をメチャクチャに抱きたい気分で……激しくしてしまったが……最後に抱く時は、イくとか拘らずに、ただ奈美を感じながら繋がって抱きしめたかった……」
豪の言葉に、奈美の中の肉壁が反応して陰茎に絡み付いている。
恐らく、今の豪と奈美の行為は、俗に言うスローセックスっていうヤツなのかもしれない。
情交でこんな気持ちになったのも、初めての事だ。
過去に女たちと身体を交えたのは、単なる性欲処理だけのジャンクセックスだったのかもしれない。
相手が奈美だからこそ、セックスでこんな思いを抱くのだ。
豪は、一度陰茎を膣口ギリギリの所まで抜いた後、緩やかなスピードで彼女の中へ挿入し、繊麗な身体を抱きしめ、キスを交わした。
「奈美は……挿入して抱きしめるだけのセックスは……不満か?」
彼女は蕩けた瞳を彼に向けながら、ゆっくりと数度、首を横に振る。
「不満じゃないよ。心も身体も……すごく気持ちいいし…………満ち足りてる……」
豪は嬉しさが込み上げてきたのと同時に、胸の奥が強く締め付けられた。
「奈美」
彼は呼び掛けながら、彼女の艶髪に触れ、そっと撫でた。
「愛してる」
吐息を零しながら、奈美のアーモンドアイに、眼差しを絡めさせる。
セックスの最中に、愛を囁くのも彼女が初めてだ。
『愛してる』って言葉は、今も、これから先も、奈美だけにしか言わない言葉。
黒曜石のような瞳を揺らしながら、彼女が華奢な腕を伸ばし、彼の頬に触れてくる。
「私も……豪さんを…………愛してます……」
「奈美っ……!」
豪は堪らず、奈美の柔らかな身体を掻き抱いた。
いつしか二十四時を過ぎ、レインボーブリッジのライトアップが終了したようだった。
夜の陰影が色濃くなったベッドルームは薄暗く、都心のビルの明かりが微かに入り込む程度だ。
外を見やると、あと少しで丸くなりそうな月が浮かんでいる。
豪と奈美は、互いの愛を感じながら、時間を忘れて繋がったまま抱きしめ合っていた。