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“4時02分”
幽木たちが住む街が火事になったと聞いて、伊織は通報した後、薄暗い夜の中、猛スピードで街に移動している。
“4時00分”
「、、え?」
目覚めた礼唯は部屋中に燃え盛っている炎を見渡す。目の前の状況に礼唯は一瞬混乱するも、守ると誓った人物が頭に思い浮かぶ。
「父さん!」
礼唯は炎のダメージを最小限に抑えるため、体を布団で包み、炎を突っ切って、自分の部屋を勢いよく出た。
廊下に出ると、自分の部屋よりも状況がさらに酷かった。窓ガラスは割れていて、酸っぱい焦げ臭が鼻にツンとくる。礼唯は一階で寝てる父の安否を確認するため、勢いよく炎を突っ切って階段を降りた。リビングを駆け抜けて父の部屋に入ると、血を流している父の姿が見えた。
「父さん!!」
礼唯は急いで父のもとに駆け寄ろうとするが、近づくと、炎では見えなかった数人の人影が父の側に現れた。その姿は朧げではっきりとは見えなかったが、魔女の帽子(ウィッチハット)らしきものを被ってるように見えた。
「父さんを守らなきゃ、、」
礼唯は勇気を振り絞って、父の側にいる数人の人影に近づく。しかし近づいた瞬間、その人影は一瞬にして姿を消した。礼唯はますます頭が混乱したが、父の無事を確認するため急いで駆け寄った。
「父さん!父さん!」
礼唯は必死に呼びかけるも、その呼びかけに応えることはなかった。
“4時36分”
伊織は幽木たちのいる燃え盛っている街に到着した。
伊織は他の住人たちの救助を消防隊に任せて、急いで幽木の家に向かう。
「なんてことだ、、」
幽木たちの住む家に着いた伊織は、その変貌を遂げた家を見て唖然した。
家全体は炎に包まれていて、倒壊も起きていた。伊織は炎なんてお構いなしに玄関を勢いよく開けた。家の中は臭いがひどく、伊織は一瞬吐き気を催したが、炎の音ではかき消せないほどの甲高い泣き声が、燃え盛るリビングの奥から聞こえた。
「礼唯君!」
伊織はすぐさまリビングを駆け抜けて、碧の部屋に入った。
部屋に入ると、倒れている碧の側で泣いている礼唯の姿が見えた。伊織はすぐさま礼唯のもとに駆け寄る。
「礼唯君!いったいなにが、、」
「、、分からないです。大きい音が鳴ったから目が覚めて、、そしたら、、燃えていて、、そして、、父さんの側に誰かがいて、、」
礼唯は何も考えずに起きた状況を泣きながら話した。
しばらくして礼唯は気を失う。
「礼唯君!」
倒れる礼唯を伊織は片腕で抱きしめると、もう片方の腕で碧の肩を持ち、魔術で避難した。
#ファンタジー