TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)
迷子

迷子

「迷子」のメインビジュアル

1

第1話

♥

230

2024年01月01日

シェアするシェアする
報告する

-

暇つぶしで書いてるので

めちゃくちゃ適当です、ご了承ください

登場人物

海王星/魁星

リリー/莉ヶ

ブラック/富楽

スター/寿柁

―――――海王星視点―――――

「ふぃー。カンパーイ!!今年もよろしくー!」

「よろしくお願いします。」

「よろしくー!」

「よろしゅう頼むわ〜。」

今日は1月1日、令和6年。元日。午前1時34分。

せっかくの新年なので、人間界の私の家でみんなで呑んでいる。

「おいおい、海王星〜。もうすぐ初詣いこうぜ〜。」

「そうですね。そろそろいきましょうか。」

「いいね!初詣!親父から聞いたけど、お参りするんでしょ?」

「ええな!あ、おみくじも引こうや!」

温かい炬燵の中で、みんな楽しそうに笑っている。

いずれもコタツムリだ。

「よし。片付けも終わったことですし、皆さん御酒を

冷蔵庫の中に仕舞ってください。行きますよ。」

「ぐええええ……ボクまだ呑む……」

「オレもう炬燵の中から出られへん…おやすみぃ…」

「お前等…海王星に”怒られても”知らないぞ?」

「ええ、そうですよ。」

リリーがすれ違いざまにアイコンタクトをしてきた。

要するに、’怖がらせてやれ’ということだろう。

その誘いに乗り、私は二人の方に向いて、

にっこりと 笑ってみせた。すると、二人はみるみる青白くなり、

炬燵から飛び出た。効果抜群だ。

「ひぃっ……ご、ごめんって…海王星、冗談だよ…あはは…」

「す、すまんって!!片付けるから!始末せんといて〜!?」

二人はそう言うと、御酒の片付けを始めた。

私はその間に車を出す。最近買ったポルシェだ。

この四人の中で運転できるのは私とブラックだけなので、

それぞれ2組に分かれて出掛ける。勿論ポルシェも2台だ。

「皆さん、乗って下さい。リリーは私と。スターはブラックとです」

「わかったよ〜!!ブラックー、いこっか〜!」

「嗚呼、わーった。乗れ。」

「私の車ですけどね…あ、壁とかにぶつけないでくださいよ!?」

「へえへえ。お高いんやろ?分かっとるよ」

「よ〜し!海王星!飛ばせ!」

「リリー…危ないんですよ。高級車で飛ばすのは。」

「そうなのか?」

「はい。それでは、乗って下さい。ブラックは私の車を

追ってきて下さい。行きますよ」

「分かった。」

いつもどおりの茶番を終えて、私はポルシェに乗り込み

発車する。するとリリーがキラキラした目で過ぎていく景色を

見ている。それを横目で眺めながら、私は神社へ向かう。

「着きましたよ。」

「おー!…なんて読むんだ?」

「ええ?そんなんもわからへんのか?」

「は!?なんか悪いかよ!」

「落ち着いて下さい。あづちですよ。安土神社です。」

「良いところだね!」

「めちゃくちゃ暗いけどな…儂は闇目がきかないんだ」

「ボクも見えないよ?」

「じゃあなんで言ったん!?」

神社に着いてもなお茶番を繰り広げる3人に呆れながら

急な階段を登る。すると20段目くらいでスターが愚痴を零した。

「うえーん、なんでこんな階段あるのー?もう飛んで良い!?」

「駄目ですよ、スター。ちゃんと登らないと。」

「ちぇ〜…」

「ほら、階段終わりましたよ?」

「なんでこんな階段作る必要あるんだよ…儂は疲れないけど」

「ぜえ…はあ…ボクは疲れるのー!はあ、疲れた。少し休m」

「よし!おみくじ引きに行こか!オレに続けー!」

「………」

スターがマジかよ…といった目でブラックを見つめる。

その顔には絶望の二文字しか浮かんでいない。

きっと皆わかっているはずだ。 でも、じゃあ休もうと言う

優しい性格の人はこの空間には一人たりともいないので、

皆無慈悲に無視する。スターもそれは理解しているから、

仕方なさそうに歩き始める。

「人、多いな…オレが全員吸い込んでええか?」

「駄目に決まってるだろ…光さえ抜け出せないんだから…」

「そうですよ、危険ですから、お辞めください」

ブラックはチッ、と舌打ちをしてから気だるそうに人並みを

掻き分けながら進む。その早いことと言ったらたまらない。

「あっ、ちょっと!ブラック!迷子になったらどうするの!?

ボクたちほったらかすからね!?」

「…あら?皆さん、左に捌けてください!

あそこなら人、居ませんよ」

「…おっ!ナイス海王星!すぐ行くぜ!」

「おし、全員集まったか?」

「うん、四人いるよ〜。」

「随分ええとこ見つけたなあ、海王星。 」

「ええ、ありがとうございます」

私達が居るのは、神社の鳥居から見て左奥の小さな池が

あるところだった。幸いここは人もいないし、会うことも_

バッシャーーン!!

「「「海王星!!!」」」

一瞬視界が揺れた…と思ったら頭から池に落ちてしまった。

私は音を立てずにみるみる沈んでいく。

本来なら自力で這い上がることなど容易いのだが、今は

不思議と手足が動かない。このまま私はどこへ行くのだろう。

「ゲホッ…ゲホッ…」

「君…大丈夫?」

「あ?莉々、何やってんだ?」

「なんですか、莉ヶ……?」

「なんや?どうした?」

顔を上げると、そこには…リリーとブラックとスターと…私が

心配そうな目で私を見ていた。だが…なにかおかしい。

妙によそよそしいというか…なにか引っかかる。

そもそも、なんで私が二人居るのだろうか。

「ねえ、富楽?このこ、池に落ちちゃったみたいなんだ。

びしょ濡れで、風引いちゃうよ?それに…魁星に凄く似てる!」

「確かに…魁星ににてるなあ、お前。」

「ん?あー、確かにオレに似とるな。っつーか、

瓜二つやない?」

私に激似の…魁星(かいせい)と呼ばれている人は

不思議そうに私を眺めたあと、首に掛かっていたタオルを

私に被せた。ぶっきらぼうだったが、人情は持っているようだ。

「あ、ありがとうございます……」

「こいつ、オレに似てんのに性格は似てへんのやな」

「ふふ、面白いこといいますね。」

「莉ヶ、こいつも連れておみくじ引きに行こうぜ。」

「ん?良いよ、寿柁。行こうか。」

寿柁(すた)と呼ばれた人はどちらかと言えば性格はリリーに

似ている気がする。見た目は完全にスターそのものなのに、

性格だけリリーまんまだ。それを言えば、莉ヶ(りり)と呼ばれた

人の性格は完全にスターである。これも完全にリリーなので、

いつも暴言しか出てこない口から柔らかい言葉が出てくるのは

違和感だ。そういえば…ブラックに似ている敬語の人の名前は

なんというのだろう。どうせ富楽(ふらく)とかだろうが…

「なあ、富楽?おみくじどこや?」

「はい?なんですか、魁星。……うむ… ええと…

確かにどこでしょうか…?」

ほら、ビンゴだ。言わんこっちゃない。ふと、周りを見ると、

人はほぼ居なくなっていた。私は不審に思ったが、とりあえず

自己紹介しようと思い、口を開いた。

「あ、あの…私は海王星と申します。宜しくお願いします」

「へー?海王星…ね。オレは魁星。よろしゅう頼むわ」

「ボクは莉ヶだよ!宜しくね、海王星。 」

「儂は寿柁。よろしくな。」

「私は富楽です、宜しくお願いしますね。」

ご丁寧にどうも、と言いたいところだったが、我先にと

魁星が走っていき、その後を慌てて富楽が追っていったので、

言うにも言えなかった。私も魁星を追おうと歩き出す。

「ひーっ…寒いね、海王星。ボクのコート着な?」

うわあ、これがリリーだったら気色悪すぎだなあ…と思いながら

コートを受け取り、会釈する。

「なんだ?莉ヶ。妙に親切じゃねえか。」

「もう、寿柁?余計なこと言わないでよ〜。」

「へえへえ。わーったよ。儂らも魁星追うぞ」

「わ、分かりました…」

「ふふ、口調一緒だから富楽かと思っちゃうよ〜。」

「確かにな。似てるぜ、性格」

私は愛想笑いを浮かべながら、元居た筈の

リリーとブラックとスターのところへ帰る方法を考える。

そもそも、池に落ちてここに来たのだから、同じこの池に

落ちたら戻れるのではないか?…限りなく安直ではあるが、

可能性はあるだろう。だが、池から助けて貰ったのに、また

池に落ちるようじゃ不審がられるだろう。…別の方法を探そう。

今はただ、運命の指す方に歩いていくしか無いので、とりあえず

魁星を追うほかない。考えるのはことが終わってからだ。

私はため息を付き、莉ヶと寿柁と歩き始めた。











この作品はいかがでしたか?

230

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store