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「まず最初に言っておきます。僕にとって彩香さんは彩香さんであって、種族がどうこうというのはその次の問題です。魔女と聞いても、それが理由でどうのこうのという事はありません。
それに日本では、魔女が怖がられているという事も無いんじゃないかと思います。
もし怖がられるとしても、それは魔女である事そのものが理由ではない。未知の存在である魔法を使えるという事だけだと思います。普通の人が使えない力を使えるという理由。自分より力が強い人とかに対する感覚と同じ事でしょう。
とりあえず思った事を言ってみたけれど、答えはこんな感じでいいですか」
彩香さんはちょっと考える様な感じで、そして口を開く。
「悠君は私を怖いと思わないんですか」
「思いません。全然」
これは即答出来る。
「本当に」
「本当だって。だって、彩香さんが怖かったら今の学校、逃げ出す事になりませんか。何せ、いわゆる普通の人間じゃないところの巣窟なんですから。それに普通の人間だって、草津先生みたいにとんでもない人もいますから」
「そんなにとんでもないですか」
「充分です」
まあ先生も目が笑っているし、これくらい言ってもいいだろう。
「それで本題に戻るのですよ。折角だからその魔法を利用して、自転車も乗れるようにしようというのが私の意見なのです。悠さんの経験を使えば、自転車に乗るのも簡単に出来るようになると思うのです」
未亜さんがそう話題を変える。
「あの人の経験を得る魔法、私も日本語習得に使わせてもらったからわかるけれど、個人のプライバシー関係は一切取得しないからな。まあ私の場合は、私自身が魔女ではないから、魔法を使える奴にやってもらったんだけどさ」
これは川俣先輩。
「先輩もなんですか」
彩香さんが先輩の方を見る。
「ああ。彩香を日本に送った組織と、多分同じだと思うぞ。ペルシャは魔法の本場のひとつだが、イスラム教との相性が悪くてな。私を含め、色々逃げてきている。うちの両親も育ちはトルコだが、インドに逃げて暮らしているしな」
なるほど。
僕の知らない世界が色々とあるようだ。
普通の生活をしているだけでは、知りようのない世界が。
「という訳で、彩香はそろそろ覚悟を決めて、さっさと魔法を使って欲しいのです。ここで本音を言わせてもらえば、早くこの自転車の真価を確認しに、皆で出かけたいのですよ。2キロくらい走れば、行ってみたい美味しいパン屋さんがあるのです」
おい、未亜さん。
それが本音なんですか?
まあカミングアウト等の後押しも兼ねての発言なのだろうけれどさ。