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マキ
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#あやかし
がくじゅつてき・あかげ
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ねこさん⛄️
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その後も、しばらく寝込んでいた。その間、またお手洗いで動けなくなったらいけないとヤカ(人型)に言われて、ヤカ(透明スライム)に抱き上げてもらってトイレの送り迎えをやってもらっていた。めちゃくちゃ世話を焼いてもらっている……。 で、体調ちょっとマシになってきた日の朝。ベッドの上ではあるけど、体を起こして、久々にまともな食事を食べた。ヤカが用意してくれたのは、レバーとクレソンのオープンサンド、赤黄パプリカのマリネ、ミネストローネ。
{レバーはよく臭みを取って赤ワインで煮たので、それなりに食べやすいと思う。あとは鉄分の吸収をよくするビタミンの野菜を揃えた}
「ありがとう……すごく助かる……」
レバーは全然臭くなく、パサついてもおらず、ねっとりしてコクがあっておいしかった。クレソンのわさびっぽい辛味もいい。マリネは酸っぱめで目が覚めて、ミネストローネはセロリたっぷりで香りがいい。これで貧血治るかなあ、いや、一度病院行って、鉄剤もらったほうがいいかな。鎌倉から引っ越してきたから、この近くに行きつけの病院作っておきたいし。
霊薬も、ちゃんと飲んだ。
食べ終わって、ヤカ(床から生えてきた触手)がお皿を下げてくれて、でもヤカ(人型)はそばにいてくれたので、私は聞いた。
「ねえ、私が寝てる間、矢車ちゃんと薄荷ちゃんはどうしてた?」
手が空いてるときは勉強してもらいたかったけど、寝てる間放置してたんだよなあ、やってもらいたい教材見つけたのに。
{申し付けられた通り、空気の入れ替えや買い物や食事作りをしていて、空いた時間はExcelの勉強をしていた。矢車氏はかなり進んでいるので、半分は薄荷氏に教える時間だった。あと、社会的なニュースも見るようにとあなたが言っていたので、薄荷氏がネットに慣れるのも兼ねて、時事通信と47NEWSのサイトの見出しをざっと眺めることを勧めておいた}
「うわー助かる……本当にありがとう……」
ヤカ、SNSに毒されてないだけで、ネットやテレビはそれなりに見てたそうなんだよね。夜は暇なんだって。
「私、2人にやってほしいネットの教材があってさ、特に薄荷ちゃん。でもExcelの勉強邪魔してもアレかなあ」
{薄荷氏はインターネットにうといことも気にしているので、教えてもいいのではないか?}
「そっか、じゃあやってもらおうかな」
{どういう教材なのだろうか?}
「文科省のサイトの、情報モラル学習サイト問題集ってやつ。ネットでやっちゃいけないこと、気をつけなきゃいけないことを教えるやつで、小学生から高校生までカバーしてるやつだから、あの子たちに一通りやらせたいの」
{よいのではないか?}
「じゃ、今日の午後時間作ってやってもらいましょう」
食べたら少し元気がでたので、私はベッドから出た。
「歯磨いて、シャワー浴びるわ……サボっちゃってたから」
ヤカは不安げだ。
{大丈夫か? 入っている間にまた倒れないか?}
「大丈夫だと思うけど、そうねえ、45分たっても出てこなかったらシャワー室に突入してくれない?」
{拝命した}
ヤカはしっかりと頷いた。倒れてそのまま放置されるの嫌すぎるし、全裸で倒れてたとしても、助けてもらう方を優先するしかない。
で、歯磨きしてシャワーしてあちこち洗って、でも特に貧血は起こさなかった。シャワー室から出てヤカに安心され、スキンケアして、髪乾かして、やっと人心地ついた。
「あー、生き返った……やっぱりお風呂は命の洗濯だわ」
ベッドに座ってそうつぶやくと、ヤカが私を覗き込んだ。
{もうすぐ薄荷氏たちが来る。あなたが無理そうなら、私から二人へ指示を伝えておくが}
「大丈夫大丈夫、シャワーしてあったまったら、だいぶ元気。まあ、歩き回るのはよしとくけど」
{そうか、よかった}
私は、なんとなくヤカを見上げた。ヤカ(人型)は白いフードを目深にかぶりすぎていて、見上げる視点でも顔が全然わかんない。顔見えなくもない位置だと思うんだけど、フードの下が妙に暗くて、なんにもわかんない。
「ヤカってさあ、恥ずかしがりだからフード被ったままなの?」
ヤカは戸惑ったようだ。
{対人的なことに慣れていないのは否定しないが……どういう顔にしていいか決めかねているからだ}
「そうなんだ、そうか、顔わざわざ作らないといけないんだったね」
そうだよ、元々透明スライムなんだもん。作らなきゃ顔なんてないよね。
ヤカは肩を落とした。
{感情に表情をつなげるのも練習中だし、かなり先になるだろう}
「ふーん……どういう顔にしたいとかないの?」
{あなたに好かれる顔になれたら、それが一番いい。何か希望はあるだろうか?}
「ええ!?」
ヤカ、そんなに私の意向を取り入れる気なの!?
「いや私、そんなこだわりないというか……ヤカがどんな顔でも、ヤカは私の命の恩人よ」
{しかし、好みくらいはあるだろう}
「そうねえ……」
私はしばらく考えた。
「まあ……親しみが持てる顔だと嬉しいかな」
{非常に参考になる}
どちらかといえば、程度の話だったんだけど、ヤカは嬉しそうだった。
「あと……私の好みじゃなくて、ヤカの人間関係が楽になるんじゃないかっていう意味での提案だけど、ある程度は整った顔のほうがいいと思うの」
ヤカは首を傾げた。
{整った顔だと、好感を持たれやすいからか?}
「まあ、そう。それを狙って顔作るのはちょっとずるいかもしれないけど、ヤカはそれくらいの強みを作っておくくらいでちょうどいいと思うの」
{では、それも検討する。今の条件で、いくつか候補が絞れた}
「そう? それはよかった」
{まだ時間はかかるが、あなたに顔を見せられるように努力する}
「無理しなくていいのよ、ヤカのペースで。楽しみにはしてるけどね」
ヤカと顔を合わせられたら嬉しいけど、ヤカに頑張りすぎてほしくはない。頑張りすぎはよくないよ、私みたいになるからね……。
コメント
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うわああ、やっと体調回復に向かってて本当に良かった…!😭💕 ヤカの献身的な看病が尊すぎて泣ける。レバーの臭み取って栄養バランス考えたメニューとか愛が深い…。そして「あなたに好かれる顔になれたら」ってヤカのセリフに胸がきゅんきゅんしちゃったよ〜!!🥺✨ でも主人公が「頑張りすぎはよくない、私みたいになるからね」って自分を重ねてヤカを気遣うところ、じーんと来た。2人の距離がちょっとずつ縮まってる感じがたまらん…!🌸