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#読み切り
ruruha
第6話 お宝の意味
水際で
イチョウが立ち止まる
細い指で
布越しに
包みを確かめる
重さはない
硬さもない
形だけが
確かに残っている
チョップは
少し離れて座る
厚い背中
膝に肘を乗せ
動かない
筋肉は休んでいるが
気配は張り付いたまま
イチョウが
包みを開く
中にあるのは
物ではない
線
点
揺れる配置
地面に触れた瞬間
図は
水のように広がる
売れる形ではない
飾れるものでもない
道だ
次の土地の
位置
まだ
誰も踏んでいない場所
イチョウは
息を呑む
思っていた重みと
違う
チョップは
それを見て
理解する
だから
守られていた
だから
一つしかなかった
奥で
ドラギが近づく
小さな体
短い翼
目は静か
図に
触れない
ただ
見ている
巣立てば
これが使われる
息が放たれる場所
ドラギの胸が
わずかに上下する
呼吸が
微かに揺れる
まだ
決めていない
だが
意味は
分かった
お宝は
富ではない
未来の
入口だった
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