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『消えた歌、響く声』

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『消えた歌、響く声』

2 - 第2話輝きの代償

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2025年04月23日

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リナ、17歳。

ガールズバンド「StellarVox」のボーカルは、彼女の力強い歌声でインディーズシーンを沸かせていた。

小柄な身体から放たれる声は、ライブハウスの空気を震わせ、観客の心を鷲づかみにした。


彼女が作詞作曲した曲は、青春の痛みと希望を鮮やかに描き、ファンを熱狂させた。


事務所の社長・高木は、リナを「金のなる木」と呼び、メジャーデビューを餌に彼女を酷使した。


だが、輝きの裏には重い代償があった。バンドメンバーの彩花と美咲は、リナの存在感を疎ましく思っていた。


彩花はギタリストで、派手なパフォーマンスで注目を集めたが、リナの歌声が話題をさらうたびに苛立ちを隠さなかった。


美咲はベーシストで、静かな性格だが、彩花の不満に同調し、リナを冷たく突き放した。


「リナ、今日の路上ライブの準備、頼んだよ。雨でもちゃんとやってね」

彩花の軽い口調に、リナは黙って頷いた。冷たい雨の中、機材を運び、マイクを調整するのはいつも彼女の役目だった。

ライブ後、ファンが

「リナの歌、最高だった!」

と駆け寄ってきても、彩花と美咲がその輪に割り込み、リナはただ立ち尽くした。

高木社長は、リナの疲弊を見ながら、「君が頑張ればデビューはすぐそこだ」と繰り返した。

彼の目は、まるでリナの声を金に換算するようだった。

『消えた歌、響く声』

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