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うちの母方の家系って女系家族で、男が生まれにくい。遺伝もあるだろうけど、男の子を誰も妊娠しない。
うちの母には兄が1人いるけど精神的になんかおかしい(昔は良い叔父さんだったんだけど離婚してからおかしくなった?)から、今じゃ家庭内で失踪扱いされていて、本家を売った後から誰も行方を知らない。
母も私が幼い時に父と離婚している。
母には兄弟がもう1人いたのだけど、4歳の時に事故で亡くなっている。
生きていたら私の叔父さんに当たる人で、序盤の『叔父さん』という話で出した、あの人だ。
結局夫の守護達に助けてもらって、『叔父さん』は成仏することもなく食われて終わってしまった。
思えばあの人が亡くなってから、身内で男児を出産することがなくなったという。
私も女だが、私の子も女の子で、私の母方の従姉妹2人も女。どんなに男家系の血筋と繋がっても女しか生まれない。
どうにも不思議だなと思って、好奇心のあまり試しに娘と祖父母の家に遊びに行った時、仏壇の奥に棲まう先祖に聞いてみた。
祖父母の家の仏壇奥には、3人の先祖がいる。
この先祖達はずっと同じ仏壇奥にいて、どうにか本家の祖父母達を守っていた。
彼らが言うに、『叔父さん』はずっと「皆不幸になればいい。幸せになどなるものか。末代まで祟ってやる。子孫繁栄などあるものか」と言っていたらしい。
というのも、祖父母は『叔父さん』が亡くなってから悲しみに暮れてしまい、祖母は毎日仏壇に「あの子の生まれ変わりを授けて下さい」と朝から晩まで祈り続けていたそうだ。
『叔父さん』は生まれつき手に痣があり、証拠として同じ痣を持つ子が欲しいと願ったそう。
ただ、ここからが祖父母と上の解釈の違いになる。
祖母は『叔父さん』の生まれ変わりを再度我が子として育てたいと願った。
幸いその後すぐに妊娠が発覚し、私の叔母に当たる人が誕生したのだが、彼女には手に生まれつきの痣があった。
祖父母は生まれ変わりの願いが通じたと大喜びで、かなり過保護に叔母を育てたそうだ。叔母は今でも家族想いの良い人なので、傍から見たらここまでは子をなくした親の悲劇とその後の美談になる。
しかし、人の生まれ変わりのサイクルはそこまで短くない。よく閻魔の所で上か下のどちらに行くか決めるというのは、間違いではない。本来はその後、成仏という方法で上に行き、しばし順番を待ってから次の輪廻転生に行く。
だが、輪廻転生よりも早くから願ってしまった祖父母の元に降りたのは、全く別の魂だったそうだ。
あのまま供養し続けていたら大丈夫だったかもしれないが、祖父母はもう生まれ変わったと思い込み、『叔父さん』への祈りが絶たれた。そこから『叔父さん』の暴走が始まったらしい。
今まで自分の為に泣いて、自分の為に祈ってくれていた人達が一斉に離れたことがショックだったのだろう。
ましてや亡くなったのは4歳だ。まだ父と母には愛情が注がれていて当たり前の年代である。
後に生まれた妹のことばかり安全や幸福を願うようになれば、面白くないのは仕方ない。
そしてこの『叔父さん』はおそらく、霊感も強かったのだろう。祖父母が言うに、彼は生前とても4歳と思えないほどしっかりしていて、兄や姉を引っ張っていくような性格だったらしい。
これは私の予想だが、『叔父さん』はきっと自分の死期を悟っていたと思う。
だから必死で年相応の振る舞いもせず、やけに大人びた印象を与えて一生懸命短い時間の中で愛されようとしたんだなと、死期が近くなった時の私の娘の態度を見て改めて思った。
あの時の娘も異様に大人びた言葉で「ママ、わたしがいなくても元気でね」などと、普通の4歳じゃ有り得ない台詞を残そうとしていた。
あの時娘を狙ったのも、4歳という節目だったのと、当時は霊感が少しあったことで干渉しやすい状態だったこと、更に末代まで祟るという強い怨念から来るものだったんだなと察した。
私も4歳の時に心臓病で手術をしていて、守護が言うにはその時にも干渉してきたらしいが、S兄や憑依守護達の連携が上手く、手術は無事成功。その後も何かと引っ張られることはあったが、守護達が払い除けていたからそんな死に追いやられることはなかった。
本来なら娘どころか私も『叔父さん』に殺られていたかと思うとゾッとする。
今はもう対応が終わったので、『叔父さん』の魂はこの世にもあの世にもいない。
祟りや怨恨が本人不在でも残るならまだ続いている可能性もあるが、今後私や従姉妹、娘が将来子を授かった場合、男の子だったら祟りは終わったんだなと思う。
先祖が言うには「この怨恨は根深い、だから困っている」そうなので、もしかしたら女系家族のまま一族の血筋は途絶えるかもしれない。
まあ、私は別に気にしないので娘が将来無事に家庭を持つなり、自分なりに幸せに暮らしてくれたらいいさ、と思っている。
嫁いだって一応血筋は続くもんね。出産時に死ななきゃ何でもいい。
ふと疑問なのだが、養子を引き取った場合もこういった血筋の呪いは発動するのだろうか?血縁者のみなのか、苗字が変わった時点で一族とみなされるのか、その辺は謎である。
さて、事の経緯を知っているのは家系で唯一私だけだろう。この事を本家の人に伝える気はない。
どうか、身内で幼くして亡くなった方がいたら、供養は何年でも続けて欲しい。末代まで供養して。悲しまなくてもいいが、せめて忘れないであげて欲しい。堕ちるところまで堕ちると、もう助けることもできないから。