第5話
目黒
『寝た…?』
岩本
『うん。ぐっすり笑』
辰哉たちにはお風呂に入ってもらって、そのまま空き部屋で寝てもらうことにした。
目黒
『そっか…ひとまず安心だね…』
岩本
『うん。てか蓮は亮平くんと何話してたの?』
目黒
『え?んー…秘密かな、笑』
岩本
『なんだそれw』
目黒
『…でも、今こうして寝てくれてるってことは、俺たちのことを信用してくれたってことだよね…』
岩本
『…そうだな。。』
目黒
『…………俺たちも寝よっか、笑』
岩本
『そうしよう。今日は疲れた、、笑』
この病院は俺たちが暮らす家と病院でもあるから結構広い。
辰哉たちが寝ている部屋も余っていた飽き部屋だ。
目黒
『じゃあ、おやすみ。』
岩本
『うん、おやすみ。』
そして俺らは眠りについた。
ー翌朝ー
岩本
『ん……朝…』
ガチャガチャ…
岩本
『…(キッチンから物音がする…)』
岩本
『…!?まさか…っ』
辰哉たちが逃げようとしてる…!?
なんて思った俺はキッチンを見て思わず拍子抜けしてしまった。
亮平
『あ、おはようございます…!』
岩本
『えっ、亮平くん、?な、何してるの…?』
亮平
『朝ごはんを作ってて。その…これから色々お世話になるので生活のお手伝いが出来たらいいなぁって。。』
岩本
『朝、ごはん……』
目黒
『ふわぁ、、おはよ…ーーえっ、亮平??』
岩本
『おはよ。笑』
亮平
『あ!えっと…目黒さんおはよう!』
目黒
『蓮でいいよ。笑
それよりも、亮平君料理できたんだ…』
亮平
『別にそこまで得意ってわけじゃないですけど、…昨日はいろいろと迷惑かけちゃったんで…』
岩本&目黒
『……………』
岩本
『あれ、そういえば辰哉は…?』
亮平
『辰哉ならまだ寝てる、かな。起こしたんだけど布団の中でずっと黙ってて…』
岩本
『、そっか……』
亮平
『…多分嬉しいんですよ辰哉も。今まで僕たちに居場所なんか無かったから…』
亮平
『でもまだお2人のことを信用できてないってところもあるのかもしれないです…ごめんなさい……』
目黒
『亮平くんが謝ることじゃないよ。今はそってしておこう?』
亮平
『…はいっ。』
その後、俺たちは亮平が作った朝食を食べ、仕事の準備に取りかかった。
辰哉もごはんの匂いに連られたのか起きてきて。笑
俺たちが仕事をしている間、亮平達には家のことをやってもらった。
というよりも自分達から進んでやってくれた。
【 PM 19:00 】
目黒
『ふぅー…お疲れ様。』
岩本
『蓮もお疲れっ。何ていうか…、今日の診察がスムーズに進んだ気がしない?』
目黒
『分かる。やっぱり亮平達のお陰かな…』
岩本
『うん。感謝だな。。』
診察に必要なものを一回教えたら亮平はすぐ覚えて持ってきてくれた。
辰哉はまだ少し無愛想かな?って思っちゃうけど、少しのことでも気にしてやってくれた。
亮平
『2人とも、お疲れさまです。』
目黒
『ありがとう亮平。亮平も今日1日ありがとう。』
岩本
『亮平のお陰で助かったよ。』
亮平
『これぐらいしないと助けて貰った恩返しができないもん、お安いご用だよ。』
目黒
『そういえば……辰哉は、?』
亮平
『あれ、、?外に5分前ぐらいにゴミを捨てにいったけど、まだ帰ってきてないですか…?』
岩本
『…俺ちょっと見てくる、っ』
目黒
『あっ、照!』
岩本
『悪いことに巻き込まれていなかったらいいけど…』
ゴミ捨て場は病院のすぐ近くにあって、5分ちょっとで帰ってこれる。
でもその場所に辰哉の姿は見当たらなくて。
岩本
『マジかよ…っ、どこにいるんだ…!』
近くを走って探していると、公園の横に人影が見えた。
見た限りだが、座り込んでいるよう見える。
岩本
『…辰哉、?』
〇〇
『…………』
辰哉
『…あ、岩本さん…』
そこにいたのは辰哉で。
一気に肩の力が抜けた。
ん…?辰哉が何か抱えている…?
岩本
『………それ…』
ニャ‐
辰哉
『猫、です。多分捨て猫だと思います…。』
岩本
『まだ小さいね。可愛い。』
辰哉
『………うん…っ。』
今日1日辰哉のことを見ていて分かる。
辰哉は動物が好きらしい。
でも辰哉は自分の気持ちを伝えるのが苦手だ。
というより言えないんだ。
だからこそ、俺は辰哉を笑顔にしたい。
岩本
『……一旦うちへ連れて帰ろう?一応診てみるよ。』
辰哉
『え…、連れて帰ってもいいの…?』
岩本
『うん。その猫も帰る場所がなくて困ってる。だったら連れて帰って家族になればいいんだよ。』
辰哉
『………俺たちも家族、、?』
岩本
『当たり前だろ、俺らはもう家族だよ。』
辰哉
『…っ!』
岩本
『その猫のお世話も辰哉に任せるから、自分で頑張ってみな?』
辰哉
『っうん…!』
ニャ‐‐
辰哉
『ふふっ、ニャーっ』
岩本
『(あ、笑った…!)』
辰哉
『あっ、ちょ、顔舐めないでっ、くすぐったっ笑』
岩本
『っ…………』
誰かを笑顔にさせるとこんなに嬉しいなんて。
俺はこれからもこの笑顔を守っていきたい。
辰哉
『岩本さんっ、帰ろう…?』
岩本
『…あ、、うん。帰ろっかっ。』
このときの俺はまだ知らない。
この18歳の少年を家族として
見ることができなくなることを。
NEXT……♡200
コメント
9件
なにこれやば、最高なんだけど。 早く続きを見たいっていうわがままいうくらいみたいです。サイコウ♡
初コメ失礼します 続きも楽しみです