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ある日近くを飛んでいた妖精達がこんな話をしていた。
「黒い妖怪が幻想郷を徘徊している」
「見つけた者を容赦なく倒しに来る」
そんな話を聞いた。
自分も気おつけなければ、と、そのまま博麗神社まで箒に乗って飛ぼうとする時、こんな話が聞こえ、私の頭は真っ白になった。
「博麗の巫女が黒い妖怪にやられた」
私は信じられなかった。
霊夢は妖怪には絶対に負けないはずだ。
なのに、何故やられたんだろう。
並の妖怪ではないのか。
黒い妖怪とはなんなのか。
「博麗の巫女は今永遠亭で眠っている」
私はその言葉を耳にした途端、博麗神社から行き先を変え、その場を後にした。
目的地は永遠亭。
霊夢は死んでいないのだろうか。消えていないだろうか。
心配すると共に目から涙が溢れ出た。
なんで私、泣いてるんだ。
泣けば霊夢も悲しむだろう。
何故、泣く。
「…」
もし私が博麗神社を知らぬまま今になっていたら、私は今何をしていただろうか。
霊夢に出会わなかったら、人生はどう変わっていたのだろうか。
霊夢に出会わなかったら、今頃このことなんて他人事だったのだろうか。
涙が出なかっただろうか。
妖精の会話なんて聞き流しただろうか。
霊夢のことを、知らないだろうか。
霊夢は、私の最高の親友になっていなかっただろうか。
そんな事を考えているうちに、気ずけば迷いの竹林の前まで私は来ていた。