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#普通
野々さくら
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ありあ
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一同は、信愛から事務所で起きた出来事を聞き終えると、それぞれに複雑な表情を浮かべていた。
「そんなやばい状況だったの?」
美月が心配そうに尋ねる。
すると茜は、興味を隠しきれない様子で身を乗り出した。
「死後の世界ってどんな感じだったの?」
「うー・・・ん、なんて言うかな・・・」
信愛は記憶を辿るように、しばらく考え込んだ。
「綺麗なところだった。辺り一面花畑って感じ」
「へぇ〜・・・」
茜が感心したように声を漏らす。
その話を黙って聞いていた焔垂が、ふと表情を引き締めた。
「でもその事務所の社長、いきなり
殺しにくるとか只事じゃないよな」
「確かにそうね・・・」
美月も神妙な面持ちで頷く。
「もう目の焦点が合ってない
って感じでめっちゃ怖かった」
さくらが思い出しただけでも恐ろしいとばかりに肩をすくめる。
だが、焔垂には別のことが引っかかっていた。
「でもその社長から察するに、その千秋さんの自殺に
事務所が関与してるってのは明らかだよな」
「うん・・・そう思う。千秋さんの記録だって
法律無視して破棄してるみたいだし」
信愛も静かに頷いた。
「探られたらマズい何かがあるって事だよな」
焔垂の言葉に、朝陽が同意するように口を開く。
「でなきゃ破棄なんてしないでしょうしね」
その時、焔垂が何かを思い出したように茜へ顔を向けた。
「あ、そう言えばさっき茜何か言いかけてたろ?」
「え?」
「ほら!歌詞がどうのって話だよ!」
「歌詞?」
美沙が首を傾げる。
信愛も同じように茜を見た。
「歌詞って?」
「いや、実はさ。TAMAYAってさ
『ここクリ』とか『言葉の刃物』とか
本当に自分で作詞作曲してるのかな?って」
「え?どう言う意味?」
信愛が聞き返すと、茜は自分の考えを整理するように続けた。
「さっき焔垂にも話したんだけどさ。『ここクリ』を
リリースする前のTAMAYAの歌ってさ
かなりロックテイストな歌ばっかりだったの」
「え?そうなの?」
「確かにそうですね。英語混じりの
歌とか多い印象ですよね」
朝陽も記憶を辿りながら同意する。
「そうだったんだ・・・」
さくらが呟くと、美沙は少し考えてから口を開いた。
「確かにテイストはかなり変わってるけど
それだけで決めつけるのは早計じゃないかしら?」
「確かにそうかもですけど」
茜は完全には納得していない様子だった。
すると信愛が、これまでの出来事を頭の中で一つずつ繋ぎ合わせるように口を開いた。
「でも茜の考えは、あながち間違いじゃないかも」
「え?」
美沙が信愛を見る。
「千秋さんの名前を聞いた時の
TAMAYAさんの明らかな動揺」
信愛は指を折るように、一つずつ違和感を並べていく。
「千秋さんの自殺」
「法律を無視して記録を破棄した事務所」
「更に、社長のあの異常さ」
そして最後に、茜へ視線を向けた。
「そして茜が教えてくれた、今と昔の曲調の違い」
全員が黙り込み、信愛の言葉に耳を傾ける。
「それらを総合して考えれば──」
信愛の言葉を引き継ぐように、さくらが一つの仮説を口にした。
「TAMAYAは千秋さんが作った歌を
盗作して、自分の歌として発表」
一同の表情が次第に険しくなっていく。
「それにショックを受けた千秋さんが自殺」
さくらが一言一言を丁寧に紡ぐ。
「それを隠蔽しようとして、社長と共謀して
千秋さんの記録を破棄した・・って感じ?」
さくらが確認するように首を傾げる。
信愛はこれまでに得た情報を頭の中で整理し、静かに頷いた。
「そう考えれば、全てがひとつに繋がると思う」
「そ、そんな・・・」
美沙の顔から血の気が引いていく。
「摩耶さんと社長が・・・」
信じたくない。
だが、これまでに浮かび上がったいくつもの違和感が、その可能性を否定させてはくれなかった。
美沙が青ざめた顔で立ち尽くしていると、不意に静かな部室へスマホの着信音が鳴り響いた。
「あ、私だわ・・・」
我に返った美沙がスマホを取り出す。
画面に表示されていた名前を見た瞬間、その表情がわずかに変わった。
小諸哲哉。
それは、哲哉からの着信だった。
「小諸さん?」
美沙は不思議そうに呟き、スマホの画面を見つめる。
こんなタイミングで、一体何の用だろう。
「どうしたんだろ・・・」
胸に小さな不安を覚えながら、美沙は鳴り続けるスマホへと指を伸ばした。
コメント
1件
みぅ🤍🥀 わあ……ついに、ここまで来たんだね。さくらが仮説を口にした瞬間、背筋が冷たくなったよ。TAMAYAの曲調の変化と、千秋さんの♡♡♡、そして記録の破棄——全部が一本の線で繋がった感じがして、すごく納得できたし、同時に胸が苦しくなった。 そして最後の哲哉からの着信…あのタイミングで、しかも美沙の不安そうな反応。次の展開が気になって仕方ないよ。×××さんの伏線の張り方、本当に巧みだと思う。重いけど、ちゃんと向き合いたくなる物語だよ🌙