季節は冬に近くとも、肌寒い夜の繁華街はネオンライトで看板を輝かせ、元気な賑わいを見せている。
どの飲み屋に入ろうか迷う仕事帰りの人々の隙間をすり抜け、戸惑う雨宮くんの手を引き、お目当ての裏メニューのモツ鍋が美味しい居酒屋へ。
繁華街から少し離れた静かな場所にある、隠れた名店のこの居酒屋は、一見外観は古く地味に見えるが、のれんをくぐると感じの良いおかみさんと豪快な店主が美味しい料理とお酒を振舞ってくれる。
ガラッと引き戸を開けると、おかみさんが柔らかい笑顔で迎えてくれた。
「あら、あいちゃん。いらっしゃい」
「こんばんは、奥のお座敷空いてます?」
「空いてるわよ。どうぞ」
おかみさんは柔らかく微笑み、私の後ろにいる雨宮くんを見てまた口を開く。
「彼氏さんも、ごゆっくりどうぞ」
「おかみさん、彼氏さんじゃないです」
「あぁ、そうなのね。手を繋いでるからてっきりそうなのかと…******************
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