いつも冷静で、表情からはなにを考えているか読めない、そんな雨宮くんが紅潮した顔をこちらに向け、熱っぽく私を見つめる。
それがアルコールのせいだと分かっているのに、近距離でこの男前に見つめられると、嫌でも意識してしまう。
見つめ合っていたのは数秒、だけどそれが何分にも感じられた。そして私はハッとし、雨宮くんの手を振りほどき、おしぼりをぎゅっと握りしめる。
「ほら、なにしてるの酔っ払い。早く拭かなきゃダメでしょ」
「……高城って」
「今度はなに?」
「優しいよな」
「……なによ、いまさらっ」
表情を崩さず、真っ直ぐに私を見つめ、雨宮くんは言葉を放つ。
優しいという言葉が少し照れくさくて、私は動揺したような、上ずった声を出してしまう。
「いつも飲みに行くと、自分勝手に飲んで酔っぱらって、無駄に絡んでくるのに」
「……」
「人が落ち込んでると、こうやって寄り添ってくれるんだ******
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