目の前が暗い、光が見えない。
そんな中、俺の生徒たちの声が聞こえる。俺はあいつらを殺さなければいけない。
…何故だろう?それは思い出せない。だが俺の中の “誰か“ が言っている。
__アイツらを殺せ。
それを正しいと俺は認識している。
アイツらは家に帰らないんだ。だから殺している。
早く帰らないと、俺みたいになっちまう。
大好きな生徒にそんな思いはさせたくないんだ。だから
「お前ら、早く帰れよォ」
ずっと、ずっとこの言葉を…
「デ、デデデ刑事、来ました!」
「おい!希君に手を出すな!」
「猿山ヘイヘイw」
「煽っちゃダメだってぇ…!」
あの黄色い奴は誰だ?見たことがない。どうやら刑事のようだ。
アイツ、邪魔だな…拳銃を壊すか。
「っべ…!拳銃がッ」
拳銃は蹴って床に落とした。鎌を黄色い刑事に突き付けながら拳銃を拾う。
「刑事!」
カチャ…
「希がどうなってもいいのかァ?帰るなら許してやるよ」
「希君ッ!!お前…!」
「刑事ぁ…っ」
「俺は、呂戊太を助けなきゃいけない…」
「じゃあ殺す」
希は涙を出して震えている。黄色い刑事も震えているがな。
俺も解放された。猿山なんかじゃない。
おれは、好きなようにしたい…
「猿、山…」
「先生付けろォ」
「猿山先生…、もっと優しかったじゃん」
「あァ?」
「もっと、もっと…っ俺、好きだったんだ」
「………」
こんなのは罠だ。コイツらが好きだと思っている訳がない。
「どうせ嘘だろ」
「うそ、じゃ…」
「の、希君を、放せっ!!」
「じゃあ帰れ」
「ッ、」
「(猿、さすがに騙されんか…これはどうだ、?)」
嘘なんだよ、好きとか。
“猿山家の希望“ 希望なんかになりたくなかった。だけどならないといらないとされてしまう。
「猿山先生…ごめんな」
「……?」
「俺、猿山先生が辛いの知らんくて…ホンマごめんなさい…っ」
__らだぁ!
「…ぁ、?」
いつの間にか希がいない…手に取ってあった拳銃もない。
逃げられた…?
パァン
「ぐ、ぁぁぁあ!!!?」
「よっし…!みんな、出てきていいよ」
「ゾム、お前演技上手いなぁw」
「ナイスすぎる!」
「猿山先生の鬼の部分に撃ったんですよね」
「うん、そうだよ」
おに、鬼…?俺は人間だ。鬼じゃない。
意識が、遠く…
助けて、天乃
コメント
2件
わぁ....めっちゃ最高 続き楽しみにしてます!