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ちいさな手の、まほうの道

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ちいさな手の、まほうの道

26 - 第6章 星のおまつり 第26話 おまつりの朝

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2025年08月24日

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その朝、村じゅうがにぎやかな音で目をさました。太鼓の音がどんどん鳴って、

あちこちの家から笑い声や歌が聞こえてくる。


窓をあけると、広場には人がいっぱい。

赤や青や金の布が風にゆれて、

屋根の上には星の形の飾りがきらきら光っていた。


「ついに今日なんだね…」

胸の奥がどきどきして、落ち着かない。


お母さんはきれいな着物に着替えていて、

「ミナもお祭りに出るんでしょう?」と髪をとかしてくれた。

お兄ちゃんはまだ布団にいたけど、

昨日よりも顔の色がよくなっていた。


「ミナ、楽しんでおいで」

にこっと笑ってそう言ってくれた。

その笑顔を見たら、わたしは胸がぎゅっとあつくなった。


わたしにはやることがある。

集めてきた宝物を持って、

星の女王さまに会いに行くんだ。


笑顔花の花びら。

金色の卵の殻。

星の粉。

曲がった字のお手紙。

そして、ひかりのキャンディ。


小さなかごにそれを全部入れて、

わたしは両手でぎゅっと抱きしめた。


「ぜったい、星の女王さまに届きますように」


広場の真ん中には大きなやぐらが立っていて、

夜になると、そこで一番きれいな飾りを披露するんだって。


朝の空はまだ青いのに、

もう星のきらめきがひとつ、ちらりと光っていた。


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