諦めかけたその時、誰かが走ってくる音が聞こえた。
「大丈夫ですかー?掴まってください」
その声は男の人だった。私は差しだされた手に掴まった。すると、力いっぱい引き上げられた。
「瞳ー!!」
紗枝が駆け寄ってきて泣きながら私に抱きついた。心配してくれてくれた嬉しさと怖かったことを思い出し、涙が出てきた。
「あの、ありがとうございま、」
そこまで言いかけた時、顔を見て声をあげそうになった。なんとその人は前にはしごから落ちたのを助けてくれた人だったのだ。
「あ、この前の」
男の人も気づいてくれたみたいで、軽く会釈してくれる。また助けてもらっちゃった。
「何度も助けてくださりありがとうございました!」
私は深く頭を下げた。また会えたことが嬉しくて嬉しくてたまらない。
「いえいえ。」
「あの、お名前聞いてもいいですか?」
「いいですよ。如月颯太っていいます。あなたは?」
「斉藤瞳です!それと、助けてくれたお礼とかもしたいので連絡先交換してもいいですか? 」
すると颯太さんは頷き、私の携帯に連絡先を入れてくれた。
「ありがとうございます!颯太さんもキャンプに来てるんですか?」
「はい。」
「ここいいですよね。ではお礼はあらためて」
そう言って私と紗枝はテントに帰る。
「もうほんとに怖かったー!でもまた会えて良かったね!」
「うん、すごく嬉しい!連絡先まで交換できたし」
「でも確かにかっこよかった」
私たちはテントに着くまでずっと颯太さんの話をしていた。私は顔の緩みが止まらなかった。
着いた頃には、もう夕方になっていた。私たちはキャンプといえば定番のカレーを作ることにした。食材を切り、ご飯を炊き、ルーを溶き混ぜる。いい匂いがしてきた頃にはもうお腹がなっていた。
「「いただきまーす!」」
「おいしいー!」
外で食べるカレーはすごくおいしかった。2人はおかわりをした。