テラーノベル
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信愛たちが美沙と共に事務所へ向かっていた頃。
Zappの喫煙所では哲哉が一人、タバコを吸っていた。
「ふぅ〜・・・」
濁った煙を吐き出しながら、哲哉は深いため息をつく。
「まいったな〜・・どうしたもんか・・」
頭を悩ませているらしく、その表情は浮かなかった。
そこへ、一人の男がタバコに火をつけながら入ってくる。
「なんか大変な事になってるみたいっスね」
声をかけてきた男を見て、哲哉の表情がぱっと明るくなった。
「おお!龍ちゃん!来てくれたか!」
そこに現れたのは、オカルト雑誌MWのライター・馬場龍河だった。
「いや、まさか哲哉さんから
相談されるとは思ってもいませんでしたよ」
「いやぁ、困った事になってな」
哲哉は灰皿にタバコの灰を落としながら、龍河へ事情を話し始めた。
「オカルトに詳しい君なら
何かいいアドバイスをもらえると思ってな」
話を聞いた龍河は、少し考えるように顎へ手をやった。
「まぁ、俺でよかったら力になりますよ!」
そして龍河は、哲哉から事の経緯を詳しく聞かされた。
「なるほど・・・」
龍河は静かに呟く。
「今は美沙ちゃんが、その高校生と
一緒に事務所に向かってるんだよ」
「もしかして、その霊感がある高校生って
狗頸学園高校の生徒じゃないっスすか?」
「ああ、美沙ちゃんからそう聞いてるよ。なんでも
前に詐欺師の逮捕に協力した事があるらしいよ」
その瞬間、龍河の中で一つの人物が浮かび上がった。
「もしかしたら、その高校生
俺の知り合いかもしれません」
「なに?そうなのか?」
「以前、取材中に偶然知り合いましてね」
哲哉が驚いたように目を見開く。
「そうだったのか!?」
「俺が記事にしたバスに一緒に乗ったんスよ」
「え?バスって・・あのカルネアデスバス?」
哲哉はさらに驚いたが、一つ引っかかっていることがあった。
「でも確か記事には、知り合いの
霊媒師の力を借りたって書いてあったよな?」
「ええ、それがその高校生の事なんですよ
記事に高校生と書くのは、さすがに色々マズいんで
知り合いの霊媒師って、あえて濁して書いたんスよ」
「なるほど・・・そうだったのか」
哲哉はようやく納得したように頷いた。
龍河は吸いかけのタバコを灰皿へ押しつける。
「なら、俺もその事務所に向かいますよ」
「ああ、頼んだよ。君がいれば安心だ」
哲哉は安堵したように笑みを浮かべた。
「うまい飯、期待してるんで」
龍河は哲哉の肩に手を置くと、イタズラな笑みを浮かべる。
「まったく!そーゆー所は
相変わらずだな〜龍ちゃんは」
哲哉は呆れながらも、どこか楽しそうに笑った。
「まぁ、いいよ。わかった」
「なら今すぐ向かいますね」
こうして龍河もまた、信愛たちが向かった事務所へと足を運ぶことになった。
◇ ◇ ◇
一方事務所では、いち早くZappに戻って千秋に話を聞こうとする信愛を皆が宥めていた。
「やっぱり無茶ですよ、危ないですって」
朝陽は、焦る信愛を制するように声を上げた。
しかし、信愛の表情から焦りが消えることはなかった。
「でもこうしてる間にも、またTAMAYAさんが
狙われるかもしれない!一刻の猶予もないの!」
「落ち着きなって信愛」
さくらがなだめるように声をかける。
「何をそんなに焦ってんの!」
信愛は少し言葉を詰まらせた。
「あの霊・・とっても悲しそうな顔をしてたの」
美沙が眉をひそめる。
「千秋さんの霊が?」
「は、はい・・・」
信愛は小さく頷いた。
「あの顔を見たら、救ってあげたいってそう思ったの」
その言葉に、朝陽は複雑そうな表情を浮かべた。
「気持ちはわかりますけど、無茶はダメですよ」
「そう・・だよね・・ごめん」
信愛はようやく自分が焦りすぎていたことに気づき、申し訳なさそうに目を伏せた。
しかし美沙はそんな信愛を責めることなく、すぐに話を切り替えた。
「とりあえず、他に手がかりになる物がないか
調べましょう。何かしら資料が残ってるかもしれない」
「そうですね・・・」
信愛は静かに頷く。
千秋の死に隠された真相、彼女の霊が現れた理由、TAMAYAが狙われた理由、何もかも何一つわかってはいない。
だからこそ今は、焦って動くのではなく、一つずつ手がかりを探すしかなかった。
コメント
1件
うわああ龍河さん登場!🥺✨ 哲哉さんとのやりとりがほっこりするんだけど、まさかあのカルネアデスバスの記事の裏に信愛くんがいたって伏線回収エモすぎる…!信愛の「救ってあげたい」って気持ち、すごく伝わったよ。焦っちゃうのもわかるけど、美沙さんの冷静な切り替えでチーム感が出てて好きなシーンだった!続きが気になりすぎる😭💕
#普通
野々さくら
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ありあ
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