テラーノベル
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※口調迷子※
※キャラ崩壊※
※謎世界線※
〜〜〜〜〜〜
……また、この学校だ。
灰色の空気が肺の奥まで満ちている感覚。
目覚めてすぐに思うのは、
ここがもう何周目かさえ
覚えていないということだ。
猿山の姿を探すのが、
いつの間にか癖になった。
どこかにいるはずだ。
同じようにきょろきょろと、
どこにも落ち着けずに、
もどかしげに歩いている。
見付けるたびに、
不思議とほっとする
――目が合えば、
「また会ったな」
と、当たり前のように声をかけてしまう。
この妙な世界で唯一、
俺が本当に欲しいものはいつも
手をすり抜けていく。
隣にいて、くだらない話をして、
ただ一緒に歩いていたいだけなのに。
指先が触れそうで、決して触れられない。
その距離がたまらなく苦しかった。
何度繰り返しても、猿山は変わらない。
諦めきれない目で、
少し不器用な仕草で、俺の隣に来る。
本当は伝えたいことが山ほどあるんだろう。
俺も、そうだ。
「俺たち、また同じだな」
声が自然と静かになった。
一歩だけ近づいてみる。
けど、猿山はやっぱり遠い。
本当は、言ってしまいたい。
全部ぶつけてしまえたら、
どんなに楽なんだろう。
でも毎回、声は喉で止まってしまう。
“また”の世界で、
また次の最初を迎えてしまう。
輪廻のリセット音が耳に絡むたび、焦る。
“いますぐ輪廻”
と心が叫んでも、何も変わらない。
それでも猿山の顔を見ると、
次こそは、と思ってしまう。
次こそ、届くような気がしてしまう。
たとえ結ばれなくても、
こいつともう一度、もう一度――
諦めきれない想いが、
輪廻の鎖ごと俺を締め付ける。
「なぁ、猿山。…今回も、お前を…」
結局、口をついて出るのは
ごまかした言葉だけ。
本当はただ一度、
“好きなんだ”と伝えたいのに。
俺はまた、次の繰り返しへ踏み出す――
たったそれだけのことが、
どうしようもなく大切に思えてしまう。
出口のない学校で、今日もまた、
猿山ーー
お前だけを探して、
俺はまた、銃を突きつけた。
コメント
6件
天才??やばいめっちゃ好き過ぎる! こう、なんて言うんだろう、言葉に出来ない表現力と言うかなんと言うか、とにかくすごい!!(語彙力壊滅)
もしかして...なきそさんの『いますぐ輪廻』ですか...!?