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花月夜れん
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柴田
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#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
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【感想】 アステルくん、ついに魔剣を完成させたんですね!自分で素材を集めて術式を書き込む姿に、彼の成長と探究心がすごく伝わってきました。カグアのツッコミ「えげつない魔剣になりそうですぜ」に思わず笑ってしまいました。そしてルカ兄さんへの“駄々っ子封じ”必殺技も可愛くて、つい応援したくなります。クラリスも加わって、いよいよダンジョン調査に出発したところで続きが気になります。
朝食を食べた俺は、早速手に入れた剣を眺めていた。横でカグアがプウと頬を膨らませて不満そうにしている。昨日のことをまだ気にしているらしい。
「そんなボロ剣手に入れるために、おれを見捨てたんすね⋯⋯」
「う⋯⋯悪かったって。でも、これはボロ剣なんかじゃないぞ」
そう言って俺は、剣に向けて魔術を掛ける。
時間属性上位魔術──『時界』──
一定領域の時間を支配する、特殊属性の魔術。時を進める、または戻すといったことができる。生命に使うには、制約もあるのだが⋯⋯今回は戻す方を剣のみに範囲を指定して掛けた。
錆が落ち、純白の剣身が露わになる。
「思った通り、なかなかの業物だな」
「おぉー。これをアステル様が使うんですかい?」
「そのつもりだ。だが、どうせなら⋯⋯」
そう、俺にピッタリの剣にしたい。この長剣は俺には長すぎて扱いにくいし、ただの剣じゃなくて、もっと実用性の高いものにしたいのだ。というわけで。
「付与で俺に合ったものを作ろう!」
「一体どうするんで? 武具への付与には、専用のインクが必要ですぜ」
「実はダンジョンの核を壊した後に、残った灰を取ってある! これを水に溶かせば、付与に使えるはずだ!」
そう言って、用意していた小瓶を見せる。中には黒に近い灰色をした、怪しげな粉が入っていた。
「あぁ、昨日ずっと手を握りしめていると思ったら、その灰をこぼさないようにしてたんですね」
俺は水に灰を入れて混ぜ合わせる。うーん、足りない魔力は俺が足せばいいか。これを剣に使って術式を書き込めば、付与が成功するはずだ。
「何を付与するんで?」
「そうだな⋯⋯剣の長さを自在に変換できるようにしたいな。俺の成長に合わせて、長さを変えられたら便利だろ? 後は強度と⋯⋯せっかくだし、何かアレンジも加えるか!」
「うわぁ⋯⋯えげつない魔剣になりそうですぜ」
しかし、問題はその術式に必要な文章量である。長剣は細長いので、あまり多くは書き込めない⋯⋯いや、禁術の『符号術式』が使えるかもしれないな。
「よし、やるぞ〜カグア!」
「はいな! ⋯⋯ってうわぁ! △してからのいきなり✕!? ちょ、そこは□を書かないと大変なことに⋯⋯! てゆーか、→くらいしないと、斬撃が飛び散っちまいやすよ! アステル様ーーー!」
こうして俺は、丸一日かけて、思いつく限りの付与を剣に施した。
俺は眩しい光に目を覚まされる。カグアが腹の上に乗っていて重い。何だか騒がしいな⋯⋯。ガシャガシャと鳴る鋼の音⋯⋯?
「おーい、カグア〜起きろー」
「はふっぁぁ⋯⋯なんですかい⋯⋯ん? 下が騒がしいですね」
「そっか、今日だったか」
「?」
「行くぞー! カグア!!」
「えぇ!?」
俺は素早く私服に着替えると、勢いよく自室の扉を開けて、飛び出していく。そう、今日はルカ兄さんたちが、ダンジョンの調査に出かける日だ! 俺もついて行きたい!
「いや、ついて行くって⋯⋯こないだ断られてましたよね!? 行けるわけないでしょうが!」
「いや、この魔剣を見てもらえば、ワンチャンあるかもしれないぞ! 戦闘には参加できずとも、見学くらいはOKしてくれると思うんだ!」
俺は廊下を全速力で走り、兵の集まっている中庭を目指す。ルカ兄さんはどこだ!?
「ルカ兄さーん!」
「アステル!? 随分と早起きな⋯⋯」
「兄さん! 俺も連れて行ってください!」
「いやぁ⋯⋯前にも言っただろう、アステル? ダンジョンは危ないところだから、僕らの冒険譚くらいで我慢して⋯⋯」
「いいえ、俺は大丈夫です! 何なら、準備もしてきました!」
そう言って俺は、ジャーン! と得意げに、完成した魔剣を見せる。フッフッフ⋯⋯これならたとえルカ兄さんといえど、認めざるを得ないはず!
ルカ兄さんは俺の手から魔剣を受け取り、まじまじと見つめた。どうだ⋯⋯?
(これが⋯⋯アステルが作った魔剣? 付与魔術は、成功率がとても低いのに、これほどの術式を書き込めるだなんて⋯⋯! これなら⋯⋯いや、しかし⋯⋯)
「アステル? さすがに、子供を連れて行くのは⋯⋯」
クソッ、ダメか! だったら、最終手段を使うしかないな⋯⋯!
やるぞ⋯⋯兄さん、覚悟しろ⋯⋯! これこそ必殺の!
「イヤです、イヤですーー! 兄さんのケチ! 俺もついて行きたいーーー!!」
必殺──『駄々っ子封じ』!
どうだ、ルカ兄さん! さすがの兄さんも、これには⋯⋯!
(いや、キツすぎんだろーー!)
アステルの背に隠れていたカグアは、内心で叫んでいた。
(仮にも12歳だぞ! 早ければ反抗期が来る歳だってのに⋯⋯プライドってものはねぇのか!? この馬鹿ガキは!!)
「うっ⋯⋯わかった、わかったよ、アステル。見学だけなら、ついて行くことを許そう! (あぁぁぁーーー! アステル可愛いーーーーー!!)」
「わーい! ありがとうございます、ルカ兄さん!」
(ウソだろ!? あっさり了承されやがった⋯⋯! どんだけ弟に甘いんだ、あの『封者』!)
フッフッフ⋯⋯! ルカ兄さんは、俺に甘いからな。子供らしい真似をすれば、こうなることは当然なのだよ!
「さ、さすがですね⋯⋯アステル様⋯⋯」
うんうん。カグアも俺の作戦に感心したようだ。
「ただし!」
おっと、何か条件でもあるのか?
「万が一の時のために、クラリスも連れて行きなさい」
「えぇー!」
「お呼びでしょうか、アステル様、ルカ様?」
うわっ、クラリス。一体いつから聞いていたんだ⋯⋯。
「アステル様の護衛をする、というお話でしたよね。承知しました。謹んでお受けいたしましょう、ルカ様」
「うん、頼んだよ、クラリス」
見るとクラリスは、彼女自身の身長よりも遥かに巨大な、包帯でグルグルに巻かれた大剣を担いでいた。アレを振り回して戦うのか⋯⋯。
「それでは、早速出発するとしよう」
ルカ兄さんの号令に合わせて、兵たちは馬車を囲むように隊列を作り、進んでいく。これからこの領内にある、幾つかのダンジョンの状況を調査するらしい。どんな収穫を得られるだろうか⋯⋯!
俺はウキウキしながら、クラリスと、こっそり身を隠したカグアと一緒に馬車に揺られるのだった。