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花月夜れん
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柴田
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#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
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あれから森の中を進み、3つのダンジョンの状況を調査した。俺のカバンの中には、ダンジョンから持ってきた鉱石や植物、魔物のドロップ品などがパンパンに詰まっている。今回は調査だけとの話だったが、どうせいつか、冒険者たちによって攻略されるのだ。こっそりボスを倒して、核も持ってきてしまった。屋敷に帰ったら壊して、また付与の材料にしようっと。
「にしても、たくさん拾いやしたねぇ、アステル様」
「あぁ! 帰ったら早速、1つずつ見てみよう」
俺とカグアは、馬車の手綱を握るクラリスに聞こえないよう、小声で話す。
「もう夕方ですけど、次行くところが最後なんですよね?」
「あぁ、今日はこの先の泉で野宿してから、明日また向かうそうだ」
森の中の泉って、どんなところだろうか。やっぱり神秘的な感じなのかなぁ。妖精とかがいたりして! 冒険者はそういったところにも行くのだろうか。
「そういえば、クラリスは昔、冒険者だったんだよな?」
俺は馬車の中から身を乗り出し、馬を操るクラリスに話しかける。
「えぇ、師から言われての加入でしたが⋯⋯なかなか良い経験になりましたよ」
いいなぁ。俺も独り立ちできる歳になったら、冒険者になってみようか。公爵家の末っ子だし、家に縛られることはないもんな。そんなことを考えていた時である。ワッと歓声が起こり、鋼の音が激しく聞こえた。
「グリズリーベアだ!」
兵たちが戦闘を開始し、俺は馬車の中に隠れる。なるほど、グリズリーベアの群れか。あれ? でも熊型の魔物って、群れを作るんだっけな? ちょっとよく見てみようっと。
「アステル様! 危険ですので、貴方は馬車に隠れて⋯⋯!」
クラリスがそう叫んだ時、一体のグリズリーベアが襲いかかってきた。あ、危ない⋯⋯。
「セイッ!」
と思ったら、どこかから掛け声と共に、矢が飛んできた。これはまさか⋯⋯。
「B級冒険者、エナ! 助太刀するのよさ!」
おおっと、歓声が沸き起こる。やっぱり、エナだったか。
「あれが前に、アステル様が助けたとかいう冒険者ですかい?」
「そうそう、元気そうで何より⋯⋯ん?」
そんなことをカグアと話していたら、馬車に掛けられた布がめくられ、エナと目が合った。あれ、戦ってくれるんじゃないのか? カグアが慌てて後ろに隠れる。
「君、どっかで見たことあるような〜、ないような〜?」
まずい、俺がアルカスだって気づかれたか?
「アルカスと同じ『巡息術』の呼吸法⋯⋯。でも全然子供だし⋯⋯って、どわぁ!?」
あー、ほら、油断するから⋯⋯。エナの背後には、いつの間にかグリズリーベアが近づいていた。
が、その首はあっけなく胴体から離れる。見るとクラリスが、若干キレ気味に大剣を担いでいた。てゆーか、包帯ついたままでも切れるのか、その大剣。
「気安くアステル様に触れませんように⋯⋯あと、背後の魔物には常に注意を払いなさい。アナタそれでもB級冒険者なんですか?」
「うるさいのよさ! 触れてないのよさ! あと、背後の魔物くらい、気づいてたわけ! 『巡息術』舐めんな!」
おっと、喧嘩が始まってしまった。やはり女性同士は仲が悪くなるものなのだろうか。
「あー、ハイハイ! 助太刀は感謝するよ! でも、喧嘩はしないでくれ」
そう言ってルカ兄さんが間に入る。ナイスだ、ルカ兄さん! こうして2人の奮闘もあって、あっという間にグリズリーベアは片付けられた。
森を抜けて、泉に到着する。お、あの丘の上にあるのが、明日行くダンジョンだな。馬車での長旅はさすがに疲れた。兵たちは早速、テントを組み立てている。ホタルが飛んでいて、凄く綺麗なところだな!
「さっきは助かったよ。僕はルカ。エルシア公爵家の第六子にして『封者』の称号を授かった者だ」
ルカ兄さんが、エナに感謝の礼をしている。エナは俺たちが大商人の隊列だと思っていたらしい。慌てて頭を下げていた。
「うわわっ、お貴族様だったのね! あたしはエナ。この領地で、B級冒険者として稼がせてもらってるのよさ⋯⋯ます!」
いまいち口調が定まっていないのが、少し面白い。
「ハハッ、商人というのは、あながち間違いではないかもね。僕は家の中でも、商いを担当しているから」
兄さんは相変わらず、罪な男だなぁ。さっきからエナがメロメロである。
「りゅ、ルカ様! もし宜しければ、今度一緒にお茶を⋯⋯」
「今は仕事が忙しい時期でね、また今度呼んでくれよ!」
あー、断られて、可哀想に。まぁ、兄さんは女性相手にはいつもこうだから、仕方ないのかもしれないが。
(くぅーー! 随分な堅物なのよさ! でも、いつか絶対に、お茶会に誘ってくれるように、頑張るってわけ!)
エナの目が爛々と輝いている。まさか諦めていないのか? 結果は悲惨なものになると思うがな⋯⋯。
どれ、テントもできたようだし、俺は休んで⋯⋯。
「ま、また魔獣が出たぞー!」
え?こんな綺麗なところにも、魔獣は出るのか。しかも今度の魔物はハイベアの群れ。身体強化系の魔力を保有している、グリズリーベアの進化系である。
「クラリスはアステルを守って、下がっていてくれ! 他のものは剣を持ち、三人一組で相手をしろ!」
ルカ兄さんの指示が飛び、兵たちも一斉に動き出す。エナも戦闘に参加してくれるようだ。
にしてもなぁ⋯⋯やっぱり変な気がする。熊型の魔物は群れないって、文献にも書いてあった気がするんだが⋯⋯。
「アステル様、アステル様!」
「ん? どうしたんだ、カグア」
いつの間にか、カグアは俺の元を離れていたようだ。慌てた様子でこちらへ飛んでくる。
「あの丘の上にあるの、ダンジョンじゃありませんぜ! よく似た見た目をしていましたが、封印地です。しかも、俺と同じ魔人の! もう出払った後でした」
「へぇ、カグアの他にも魔人が封印されているんだなぁ」
「感心してる場合っすか! この俺よりも、遥かにいい場所に封印されやがって! 羨ましいこと、この上なしですぜ!」
怒るべきところはそこなのだろうか。しかし、魔人は既に封印から解放されているのか⋯⋯ということは?
「クフフフフ⋯⋯人間どもが、やりおるわ。よくも我のグリズリーベアを殺してくれたなぁ⋯⋯」
お、早速お出ましか。ヤギの見た目をした、コウモリの翼を持つ人型の影。The、魔人って感じだな。
「さぁ行け! 我が眷属、ハイベアたちよ! 今こそ我を封印せし人間どもに、復讐を果たすのだ!」
数多のハイベアが、狂気の目を輝かせながら走り出す。あっという間に、泉は戦闘音で溢れかえったのだった。
コメント
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みぅです、読ませてもらいました🥀 群れないはずの熊が次々出てくる不気味さ、いいですね…エナとクラリスのバチバチした空気、思わず笑っちゃいました。でも最後の魔人の登場で一気に緊張感が走る感じ、ゾクゾクしました。カグアが気づいた封印地の話も、もっと深い闇がありそうで続きが気になります…!