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無事に仲直りをしたオレと天乃は、今日1日で今まで話せていなかった面白かったことやびっくりしたこと、悲しかったこと…そんなしょうもないけれどなぜか楽しい話をずーっとしていた。もちろん、下校中まで。

掃除時間も2人でトイレ掃除だったため、はしゃぎまくった。

───やっぱ、楽しい。


「じゃーな!また明日!」

「明日は土曜日だろー。また月曜な。」


そう天乃と別れを告げて、お互い背を向けて自宅方面へと足を向ける。この足は、登校時よりも重い。


……………


「………ただいま帰りました。」


どんよりとした空気は変わらないままの家に、足を踏み込む。ギシギシと音を立てる床は静かなこの空間だと酷くうるさく聞こえた。


「夜ご飯は食べました?」


そう問いかけるも、返事はない。

キッチンへと足を進めれば、昨日作ったカレーの食べた跡。食べたんだ、と思いながら皿洗いを始める。酷く静かな時間で水の流れる音だけしか響かない。どうやら母は寝てしまっているのか、少しの寝息が聞こえた。

そんな姿に安堵してしまったのは悪い子かな。 でも、さっさとこんな家出ていきたいなんて言えるわけもない。


「ねぇ。 」

「っ!!」


ふと聞こえた母の声。皿洗いの音で起きたのかこちらをギロリと睨んでいた。


「あっ……えっ、と。う、うるさかったですよね!ごめんなさい。」


そう言って水を止めて母の前に歩み寄る。

刹那、パチンッという音と共に頬が熱くなる。


「………ぇ?」


酷く体が震えた。左頬が痛い。熱くて、ジリジリしたような痛み。何?何か怒られるようなことはしていないはず。なら、なんで───


「塾、なんで行かなかったの?昨日あったよね?」

「ぁ………」


昨日は塾だったが、こっそり休んだ。そりゃそうだ。家でもこんな扱いを受けて、塾でも酷く叱られる始末。何をどうすればいいっていうんだ。


その後は、とにかくビンタの連発。暴力の連発。鋭い刃物のような言葉の連発。

───あー、塾行きたくねぇ。もう限界だ。



……………


「……あまの。」


天乃の家に行ってみれば、そこにいたのは天乃1人だけ。部屋は明るいくせ逆光のせいか天乃は寂しそうに見えた。


「ら、らだぁ?!」


今は午後7時ごろで、冬の今はすでに暗い。そんな時間帯に怪我だらけのオレが来るなんておかしな話だろう。


「………。」


助けて、と言いたくてもなぜか言えなかった。胸が酷く痛い。叫びたい。今すぐに助けて欲しいと。文句を言わせて欲しいと。家の中に入れて欲しいと。


「………へへ、いいよ。家の中入りなよ。」


ふと聞こえた天乃の声に、オレは少しびっくりした。何にも言ってないのに、なんでそんなことがわかるんだと思って。

そして天乃はエスパーかのようにこう続けた。


「わかるよ。オレとお前は親友だからさ。」

「っ…!」


胸があったかいのは気のせいじゃなかった。

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