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#恋愛
ばたっちゅ
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コメント
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みぅです🤍🥀 第16話、読ませていただきました! もう最初の調理台の汚さで「えっ…」って引いちゃったけど、ユウトが家事スキルで清めていくシーン、めっちゃ爽快だった…!笑 そしてサフランとティアレが喘いじゃうの、予想外すぎて思わず声出た😂 カエンボクの悪役っぷりもいい味出してるし、料理対決の行方がすごく気になる展開でした🌙
翌日。ハルディンの街の中央広場では、身動きが取れないほどの群衆が詰めかけていた。町の有力者たちが特等席に陣取り、熱気とざわめきが広場全体を包み込んでいる。特等席にはエルムもアルダーもいるのが見える。
「これよりエルム卿とマホガニー卿による料理対決を開始する!」
進行役の声が響き渡り、歓声が上がった。
俺たちは緊張しながら、広場に設置された特設の調理台へと向かった。
……のだが。
「……なんだこれ」
俺たちの調理台に用意されていた器具を見て絶句した。
包丁は刃こぼれして錆びついており、鍋やフライパンには黒焦げ、得体の知れない洗い残しがこびりついている。まな板には水垢だけでなく黒カビまで生えていた。
「酷い……こんなのどう見たって嫌がらせだよ!」
ふと隣の調理台を見ると、相手のカエンボクのいる陣営には、綺麗に磨き上げられた最高級の調理器具が並んでいた。
(昨日アルダーが言っていた、飛竜の討伐中にエルムに仕える料理人が大怪我をしたって話……やっぱり仕組まれていたのか。相手を確実に潰すための戦術……悪徳貴族らしいっすね)
俺が呆れていると、隣の調理台から嫌味ったらしい笑い声が聞こえてきた。
「はっはっは! エルムも随分落ちぶれたようだ。こんな平民を代役に選ぶとは」
長い赤髪を後ろで結び、魔法使いなのに大柄の男。あいつがカエンボクなのだろう。鼻で笑いながらこちらを見下ろしていた。
「平民にはその汚い道具がお似合いだろう?」
ニィ……と笑うその顔は悪役そのものだ。
すると、俺の後ろで身を縮めている小さな姿を見つけ、更に口角を歪めた。
「おやおや、誰かと思ったら、ナーヌ家の突然変異じゃないか。騎士の家庭なのに大魔法使いになるとか言って家を飛び出したんだったか? その結果そんなゴミみたいな男の下働きとはな。傑作だぜ……!」
カエンボクの容赦ない言葉に、ティアレはギリギリと歯軋りをした。
「ユウト、あいつやっていい?」
ティアレの方を見ると、彼女は強烈な魔力を纏っていた。
(いやいや、ここで魔法対決するんすか!? そんなことしたら損害賠償とんでも無いことに……!)
俺がどうにかしてティアレを止めようとしていると、カエンボクは続けた。
「どうせ魔法の加減もできない欠陥品なんだろう? その薄汚い道具と一緒に地べたに這いつくばって負けを認めるんだな!」
(これだ……!!)
「ティアレ」
俺は彼女の頭をポンと撫でた。
「気にするな。それに今日は火力勝負じゃなくて、チョロチョロ魔法だからな? あんなの小物の遠吠えっす」
「うぅ……」
「で、でも……こんな錆びた包丁や汚れたお鍋じゃ料理できないよ」
サフランが不安そうにこちらを見た。
俺はカエンボクを完全に無視して、目の前のゴミのような調理器具と向き合った。
――
ゴォォォン!
対決の開始を告げる音が鳴り響く。
「さぁ行くぞ! まずは肉の解体だ!」
カエンボクの合図とともに、彼の隣に控えていた筋骨隆々の剣士が、巨大な飛竜の肉に剣を振り下ろした。
ドガン! バキン!!
「はっはっは! 見よ、この豪快な肉捌きを!」
(いや、ただ乱暴に叩き切ってるだけだろ。あんな切り方したら肉の繊維が潰れて、旨味が全部抜けちまうぞ……)
歓声を上げる群衆とドヤ顔のカエンボクをよそに、俺は一人静かに精神を集中させた。
「ねぇ、ユウト。どうするの!? 早くお肉を……」
サフランが心配そうにしている。俺は振り返って安心させるように微笑んだ。
「いいっすか、二人とも。料理の基本は清潔な厨房からっす。器具に染み付いた油汚れや錆は、高級食材の風味を殺してしまう。それなら……」
――家事スキル:業務用強力洗剤と特殊研磨スポンジ! そして仕上げ砥石!
俺の手の中に、光と共に異世界にそぐわない業務用の洗剤やスポンジが出現した。
「さぁ、まずはこのふざけた汚れから掃除してやるっすよ!」
俺はスポンジに洗剤をつけ、目にも止まらぬ超高速で真っ黒な鍋を磨き始めた。前世の便利屋時代、数え切れないほどのゴミ屋敷を原状回復させてきた。そのプロのスピードで黒焦げの油汚れが嘘のように溶け落ちていく。
更に、錆び付いた包丁を砥石に当てて、丁寧に研ぎ澄ます。綺麗にすればするほど、俺たちはキラキラと聖なる光に包まれていった。
「なんなんだあの動きは!?」
「は? あいつら料理せずに掃除してるぞ!?」
「それだけじゃない、光り輝いているぞ?」
広場の観衆たちが、俺の動きを見てざわつき始めた。
だが、俺が器具を磨き上げるにつれて、俺の背後にいた二人の様子がおかしくなっていった。
「あぁっ……♡ 厨房の瘴気が消えて空気が澄んでイク……ッ♡」
「んぁっ、ダメっ♡ 僕の体がおかしくなっちゃう……♡」
サフランとティアレが突然顔を真っ赤にして、熱い吐息を漏らし始めたのだ。
二人は内股になってモジモジと身を捩り、体をビクビクさせている。
「あぁんっ♡ ユウトが綺麗にしてくれる度……力が……何かが溢れてくる……っ♡」
「んっ、僕、もうダメ……♡ 魔力が研ぎ澄まされるっ♡」
(ちょ……お前ら、こんな大勢の前で発情すんな!?)
広場のど真ん中で、美少女二人が喘ぎながら悶えるという異常事態だ。
観衆が呆然と口を開ける中、特等席に座っていた高齢の審査員が鼻血を出しながらガタッと立ち上がった。
「おぉ……なんという破廉恥……いや聖なる光だろうか。見ているこちらまで心が熱くなるわい。審査員! 特別点を! プラス10点だ!」
そう言うと、観衆からもざわめきが起こる。
(いやいや、料理の点数を入れてくれ!)
俺は心の中で必死に突っ込んだ。
「んー? 何をやってんだあいつらは?」
カエンボクはこちらを見て狼狽えていた。周囲の光が収まってくると、二人も落ち着き始めた。
「ふぅ……」
俺は額の汗を拭い、浄化を終えた調理台を見下ろした。カビは消え去り、鍋は新品のように輝いていた。包丁も鋭い光を放っている。
「さぁ、最高の舞台は整った。ここからが本番っすよ」