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#恋愛
ばたっちゅ
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うわっ、第17話、すごく楽しかったです!✨ サフランの包丁さばきが剣舞みたいで美しくて、思わず「おぉー!」って声が出ました。ティアレの温度管理も、大魔法使いでも難しい技って審査員が驚いてるのがめっちゃグッときました…! ユウトの低温調理、成功してほしいなあ。カエンボクの煽り&爆炎に負けずに、このチームの丁寧さが実を結びますように🔥 続きが待ち遠しいです!
ピカピカに磨き上げられた調理器具たち。俺は新品同様に輝きを取り戻した包丁と大きめのフォークをサフランに渡した。
「サフラン、まずはこの飛竜の肉を調理しやすい大きさに切り分けて欲しいんす。相手の剣士は力任せに肉を叩き切っていたけど、あれだと肉の繊維が潰れて旨みが逃げてしまうっす。繊維を潰さずに切れるっすか?」
「繊維を潰さずに……やってみる!」
「頼りになるっすね、サフラン」
「大きさはどうする?」
「そうだな、レンガくらいの大きさだな」
俺は手を使って大きさを表現すると、サフランはこくりと頷いた。
サフランが包丁を構えると、凄まじい集中力で飛竜の肉と向き合った。先程の家事スキルのおかげだろうか。彼女の体がキラキラと光って見えた。
スゥッ……トンッ。
包丁は流れるような軌跡を描いて肉を切り分けていく。力みなど一切ない完璧な刃筋だった。相手の剣士が力任せに肉を叩き切っていたのと正反対で、サフランは肉の繊維を潰すことなく切り分けてみせた。
「おぉー!」
サフランの美しい包丁捌きに歓声が上がる。
「完璧だ。サフラン、今切り分けた肉を包丁のみねでトントンと満遍なく叩いて、その後にフォークで無数の穴を開けてください」
サフランはコテっと首を傾げた。
「えーっと、切るんじゃなくて叩いて穴を開けるの?」
「そうっす。硬い肉は繊維を叩いてほぐし、穴を開けることで柔らかくなる。しかも下味が中までしっかりと染み込むんすよ」
俺がそう言うと、サフランはニコッと笑った。
「なるほど! わかったよ。任せてね、ユウト!」
「はぁっ……!」
ドドドドドドドドッ!!
目にも止まらぬ速さでサフランは包丁の背で肉の繊維を叩きほぐした。そして、瞬きをする間にフォークで均等な穴を開けていく。料理というよりは剣舞のようだった。
カエンボクはその様子をぽかんと見ていた。
「な、なんだありゃあ……」
「チッ……小賢しい真似を」
隣にいた剣士はサフランの様子を見て、忌々しそうに舌打ちをした。
「ありがとう、サフラン!」
「えへへ、どういたしまして! いつもより凄く早く動けたよ」
戻ってきたサフランとハイタッチをする。
「よし、完璧な下処理だ。次はこれっすね」
俺は昨日サフランに微塵切りにしてくれた、たまねぎに似た野菜を取り出した。
「この野菜を使って肉のタンパク質を極限まで溶かして柔らかくするんだ」
俺はその野菜を飛竜の肉全体にすり込んでいく。それを見ていたカエンボクが腹を抱えて大爆笑し始めた。
「ぎゃはははははっ! 何をしてるんだ、あいつは。残飯みたいなドロドロを塗ってるぞ、意味あんのか、あれ」
観衆たちもざわめき始める。
「何をしてるんだ……?」
「高級食材が台無しじゃないか」
「周りもみんなお前のこと馬鹿にしてるぜ。俺たちは秘伝の香辛料をブレンドして味付けをする! そんな野菜で何ができるんだ?」
煽り散らかすカエンボクを横目に、俺は家事スキルを発動した。
――家事スキル:耐熱密封袋!
取り出したのはチャック付きの透明袋だ。どの家庭にもストックが一つはあるあの便利な袋。相変わらず異世界には不釣り合いだが。
俺はその透明な袋に玉ねぎまみれになった肉を放り込み空気を完全に抜いて密閉した。
そして鍋を取り出し、ティアレの方を向いた。
「ティアレ、水を出してください」
「うん、これでいいかな?」
ティアレが念じるとキラキラと輝く水が鍋へと流れ込んだ。水魔法もパワーアップしているのだろうか。いつもより透き通って見えた。俺は水を張った鍋をセットし、真剣な表情でティアレと目を合わせた。
「ここからが肝心だ。ティアレ、実はお肉って沸騰したお湯に入れると硬くなるんだ。だから指を入れたら少し熱いくらいの温度……沸騰させない状態にキープしてください」
「うん! ユウトの言う通りやってみる!」
ティアレが構えると、彼女の全身が光り出す。魔力が極限まで研ぎ澄まされているのだろうか。両手を鍋の下にかざすと、彼女の手のひらから青白い炎が放たれた。
その炎は風が吹いても一切揺らがない、静かで美しい炎だった。
「なんなんだあの娘は……!水魔法と火魔法両方使える、だと……!?」
「それだけじゃないぞ!」
特等席に座っていた審査員たちが一斉に身を乗り出した。
「魔法とは本来、暴れ狂う力をいかに爆発させるかが基本だ。あそこまで出力を絞って揺らぎのない温度を保ち続けるなど、大魔法使いでも至難の技だ……!」
審査員たちがティアレの魔法技術に感嘆の声を上げた。
「ユウト、今日は何だか力のコントロールが楽にできる……! 僕が炎そのものになったみたいだ」
ティアレは嬉しそうに微笑みながら、完璧な温度調整で鍋を温め続けた。
(よし、サフランの下処理もティアレの温度管理も完璧っす。これなら飛竜の肉でも最高の低温調理ができる!)
俺が満足げに頷いていると、隣からゴォォォォォォッ!という凄まじい爆炎が上がった。
「うわっ、何だ!?」
「見ろ、凄い火力だぞ!」
周りがざわつくので、俺もカエンボクの方を見た。すると、カエンボクが飛竜の肉を直接炎魔法で焼き焦がしていた。
「はっはっは! 何だ、その地味な炎は。俺の炎魔法を見ろ!」