TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

冥王が倒れたと思われたその瞬間、鋼谷の背後に冷たい風が吹き荒れる。篠田が警戒の目を向けると、冥王の倒れた体が不自然に震え始め、その目が再び開かれた。まるで死を乗り越えたかのように、冥王は静かに起き上がった。

「…終わりじゃねえ。」冥王の口から、声が漏れた。まるで死んでもなお蘇る力を持つかのように、その姿は再び動き始めた。

「そんな…!」篠田が驚き、鋼谷は冷静さを保ちながら冥王を見据えた。

冥王の体は、倒れたときとは違っていた。目にはかつてないほどの力が宿り、皮膚がひび割れ、血管が黒く膨張しているのが見て取れる。その姿はまるで、何かしらの進化を遂げたかのようだ。彼の全身からは、今まで感じたことのない圧倒的なエネルギーが放出され、周囲の空気を歪ませていた。

「冥王の…進化か?」鋼谷が呟く。冥王は今までの戦いで自らの限界を超えようとしたが、それがこうした異変を引き起こしたのだろう。

冥王の手がゆっくりと伸び、その掌が開かれる。周囲の物質が、まるで重力を無視するかのように浮き上がり、彼の周囲に集まり始めた。鋼谷はその異常な現象をすぐに察知し、篠田に声をかける。

「篠田!すぐに動け!今の冥王は…ただの人間じゃねえ!」

篠田は鋼谷の指示に従い、素早くその場を離れながら周囲を確認した。冥王の進化は、まさに物理法則を超越していた。彼が放つエネルギーは、周囲の空気や重力を操作し、物質を引き寄せては圧縮するかのような力を発していた。

冥王はその目を鋼谷に向け、にやりと笑った。「お前たちが思っているより、俺の力ははるかに大きい…」

その声には、もはや人間とは思えない、恐ろしい威圧感が含まれていた。冥王の体内から放たれるエネルギーは、まるで次元を越えていくような錯覚を生んでおり、鋼谷はその力を間近で感じ取ることで、さらに警戒を強めた。

「これは…異能を超えた存在だ。冥王が求めていたのは、力じゃない…『支配』だ。」鋼谷はその言葉を噛み締めるように発した。

冥王の進化は、ただの力の増大ではなく、完全なる支配を目指したものだった。彼は自らの体を過去の異能の枠を超え、無限に近い力を手に入れるための実験を繰り返していたのだ。鋼谷が見てきた冥王は、あくまでその力を使うための人間でしかなかったが、今やその力そのものが冥王の一部となり、冥王は自らを神に近づけようとしていた。

「さあ、もう一度試してみろ。」冥王が鋼谷に向けて手を振り下ろすと、その手から放たれるエネルギー波が鋼谷に迫った。目の前に現れたその波動は、まるで世界を塗り替えようとするかのような破壊力を持っていた。

「くっ!」鋼谷は素早く身をかわしながら反撃を試みるが、その間に冥王は何度も力を放ち、周囲の空間を崩壊させていった。

篠田はその力に圧倒されながらも、自らの異能を駆使して冥王の攻撃を防ぎつつ、鋼谷に援護を送る。

「こいつ…まじで化け物だ。」篠田は冥王の圧倒的な力を前に、冷や汗をかきながらも冷静に対処しようとした。

冥王は鋼谷と篠田を徐々に追い詰めていく。その姿はもはや、ただの人間のものではなく、異次元的な存在のようだった。

鋼谷は深呼吸をし、再度立ち向かう決意を固める。「こんな奴に…負けてたまるか!」

冥王との戦いは、もはや単なる戦闘ではなく、異能を超えた壮絶な戦いへと進化を遂げていた。

この作品はいかがでしたか?

27

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚