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「ご招待ありがとうございます」

ミヤマさんは、家に入ると改めてそう言い、深々と頭を下げた。

「いえいえ、こちらこそ有難う御座います!」

お母さんは事情を聞いて、ミヤマさん大歓迎モード。4人で食事をし(急な来客なのに難なく用意するお母さん、流石です)、その後両親とミヤマさんの3人で話し始めたので、私は席を外させて貰った。

部屋に戻る前にキッチンで、冷蔵庫から柑橘系炭酸水を取り出して廊下に行くと、ミヤマさんがリビングから出て来た所だった。

「トイレですか?こちらですよ」

私は、案内の為トイレの方向を手で示し進み出す。

「有難うございます」

言いながらついて来るミヤマさん。グラデーションの眼鏡の奥の目に、少し違和感を感じた。白目の部分に赤い無数の点がある様に見える。

「気になりますか?」

私の視線に気付いたのだろう、ミヤマさんがそう言った。

「ゴメンなさい、不躾でした」

「いえ、構いませんよ」

そう言って眼鏡を外す。私に向けて目を見せてくれた。三白眼の両目の白い部分に、星の様に散る赤い斑点。

「医者の話しでは、怒り過ぎだそうです。視力には影響が無いのでご心配には及びません」

「そうですか・・・」

内出血の様に見えなくも無い。眼鏡で隠していると言う事は、慢性的な物なのだろう。目の血管は細いから傷付きやすいのだろうが、怒り過ぎとは、なんなのだろう・・・。

「それよりも」

私が原因について思案していると、ミヤマさんはそう言って私に顔を近付けた。そして、顔周りに鼻を寄せてクンクンと匂いを嗅ぐ。

「えっと、何か匂いますか?」

私は驚いて、顔を引きながら聞いた。

「匂いますね。小さな、空飛ぶアレの匂いが」

「・・・アレ、ですか?」

「はい、アレです。透子さん、お気を付けなさい。アレは、穏やかな顔をしていますが危険なモノです。決して騙されない様に」

「えっ・・・」

何を言っているんだろう・・・。

「アレの加護があるので、我々は手を出せません。ですが、見ている事は出来ます。幸い、家に『招待』を受けることも出来ました。今後は家の中に入って来る事も出来ます」

加護とか招待とか、一体何の事だろう。

私は背筋に寒気を感じた。

「ミヤマさん、トイレ分かりました?」

リビングからお母さんの声が聞こえた。

「はい、大丈夫です」

ミヤマさんは、そう答えて眼鏡を掛け直し、私を見ながら横を通り抜けた。

その目が「見ていますよ」と言っているような気がする。

私は、会釈して逃げるように自分の部屋へと逃げ込んだ。


ミヤマさん、何者なんだろう・・・。

私はドアを背に炭酸水の蓋を捻って一口飲んだ。

加護って何?招待?空飛ぶアレの匂い?

頭の中にクエッションマークが飛び交う。

赤い斑点の三白眼、鋭い眼光が目から離れない。

その時、私の鞄の中でスマホが鳴った。

ああ、そう言えば、宮本先輩から来たLINEが和樹に見られたままで既読スルー状態だ。

私は慌てて鞄からスマホを探し出し、画面を見た。宮本先輩からの着信だった。

「もしもし、ゴメンなさい。さっきスマホを叔父に取られて、先輩からのLINE見て無いんです」

「あ、透子ちゃん。良かった、出てくれて。そうなんだ。俺無視されてるのかと思って心配しちゃったよ」

「すみません」

申し訳無さで、声が小さくなってしまった。

「でさ、土日なんだけどどっちが良い?俺どっちも暇だから両方でも全然OKなんだけど」

どちらか行く事が既に確定しているような言い方に、少し笑ってしまった。

「まだ行くって言ってませんけど?」

「あれ?そうだったっけ?でも行くよね?」

宮本先輩の明るい声で、さっき迄の不安と恐怖が消えて行く。

「天気良さそうだから外が良いよねー。遊園地とかどう?ショッピングも良いな、夏物とか見たいよね」

勝手にどんどん進めて行く宮本先輩。この人は本当に、勝手で自己中で

「動物園とかもアリかなー、透子ちゃん動物好きそう」

でも明るくて、声聞くだけで元気が出て来ちゃう。

「・・・動物は好きですよ」

思わずそんな事を言ってしまう。

「えっ、本当?なら動物園行く?」

向こうからキーボードを打ち込む音が聞こえて来た。PC前で検索しながら電話しているようだ。

「あー、こんなご時世だから人数制限してるや。今週末は一杯っぽい」

ああ、しょうがないな。そんなに一生懸命になられちゃうと断れない。

「明日の土曜日なら良いですよ」

私はそう答えた。

「え!マジ?やった。嬉しい!ありがとう透子ちゃん!大好きだよ!」

最後にチュッという音が聞こえて来た。ははは・・・。

「どうしよう遊園地行く?こっちならまだ余裕ある」

「お任せします」

「おし、なら決めちゃうね。えーとねー・・・」

その後、宮本先輩と話しながら明日の予定を決め、大分遅くまで話し込んでしまった。

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