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86 - 第5話:碧族の街のテレビから

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2025年04月13日

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第5話:碧族の街のテレビから



🍽️ シーン1:食堂でわちゃわちゃ


昼下がり、建設エリアに併設された碧族直営食堂《ミドリの台所》。

清潔感のあるガラス張りの外観。内部は緑とうす黄を基調にした空間で、壁には碧族による設計図がずらりと飾られている。


テーブルのひとつには、いつもの五人が集まっていた。


「うおーっ!“碧族肉盛り定食・建築士盛り”来たっぺー!!」


ゴウが褐色の腕を振り上げ、巨大な肉の山を前にして歓喜している。右腕の重機フラクタル義手は食事中だけスリープモード。


「食事前の騒音、毎回恒例だっぺね……」

ギョウが冷静にナイフを入れつつ、眼鏡の奥で苦笑している。


キョウは黙って完食中。碧色のキャップとマスクをつけたままだが、食べる速さは誰よりも速い。


ケンチクはと言えば――ゴーグルを首に下げたまま、スープをすすりながら建設図を見ていた。


「うちの塔な、夕方になると光がちょっとだけ赤みがかかんねん。あれ、“夕焼けフィルター”仕込んであるねんで」


「それ、塔の内装と反応して照度調整もしてる。僕のプログラム」

アセイが端末を横に置いて、静かに微笑む。白と青の設計スーツがどこかくつろいで見えた。


すずかAIが、壁の小型端末から声を発する。


「皆さんの食事行動、安定しています。現在、チーム幸福度78%。とても良好な状態です」


「おお……すずか、ええこと言うやん。あんたも食べる?」


「……私は食事の必要がありません。ですが、見ていて心が温かくなります」





📰 シーン2:世界の動き、テレビ画面にて


店内の壁に設置されたモニターが、番組を切り替える。

「碧族ネットワーク公式ニュース」――アナウンサーは碧族の青年。背景には碧のロゴ。


『本日の碧族化人数は19名。うち12名が日本国内、4名が北欧地域、3名が旧アメリカ西部州で確認されました』


『新たに発見された“友好的人間集落”では、碧族に対する理解活動が始まっています』


画面が切り替わり、草原で農作業する老夫婦が映る。

「碧族?ああ、わしらが育てた野菜、食ってくれるなら、誰でもええわいな」


「……そういう人、もっと増えたらええのになぁ」

ケンチクがしみじみと呟く。


そして次の瞬間、画面が切り替わった。


『緊急特報:碧族の英雄・ゼインが短時間ながら都市第8号を視察』


モニターに、黒髪の少年と、眼鏡の青年が映る。

ゼインは風のような身軽さで塔の周囲を歩き、ナヴィスが横で歩いている。


「うおっ、ゼインやん!相変わらず自由な奴やなぁ……」

ケンチクが笑い、アセイがわずかに頷いた。


「彼が来たってことは、ここの街も、世界から注目されてるってことだ」





🤖 シーン3:すずかAIとの対話


夜。中央塔の建設区画、照明の落ちた作業室にて。


アセイがひとりで図面を眺めていると、背後から静かに声がした。


「まだ休まないのですか、アセイ」


「……すずか。今日のゼインの映像、少し見たよ。あの人、ずっと走り続けてる。……なのに俺は、何かを守る塔すら満足に作れない」


「彼の使命は“破壊と再構築”。あなたの使命は“記憶と未来をつなぐ”こと。

アセイ、あなたの設計には、人の想いが残っています」


「……それって、強さになるかな」


「はい。私はそう信じています」


アセイの手が、静かに図面の一点を修正する。





🌌 シーン4:塔の上で語る未来


深夜。中央塔の頂部――建設途中の展望層に、五人が集まっていた。


ケンチクが背伸びをして言う。


「……ここ、完成したらな、星空も見える展望カフェにするんや。デートにもええやろ?」


「へぇ。ひとり用席、たくさん設けてくれ」

ギョウが意外とノリよく返す。


「星……街の上に、未来がある」


キョウの短い一言に、全員がしばし黙る。


その時だった。夜空の一点に、薄く輝く光が現れる。





🌀 シーン5:謎のフラクタル文字


「……あれ、なんや?星か?」


塔の上から見える夜空に、文字のような光が浮かぶ。

淡く、でも確かに“何かのコード”のような図形が、空に走った。


アセイが目を凝らす。


「……あれは、ただのノイズじゃない。誰かが、“上”から送ってきてる」


すずかAIの声が震える。


「フラクタル反応、検知……未知の領域からの信号。解析を開始します」


夜の空は静かで――その分、謎は深く、そして美しかった。





――休息の一日。その空に浮かぶは、始まりの兆し。

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