この作品はいかがでしたか?
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私は今日、小学校の近くにあるプールに遊びにきた。市営の小さなプールだ。小学生以下は無料で入れるから、4年生の私にはありがたい。水着の入ったビニールバッグを持って女子更衣室に入る。すると、そこには先客がいた。小学校低学年くらいの男の子とお母さんだった。
男の子はスマホでパシャパシャ自撮りしていた。女子更衣室なのに信じられない。けど、他に人がいなかったからかな? 男の子は私よりも年下なのは間違いないけど、顔に見覚えはない。近所に住んでいる子だろうか? まあ、そんなことはどうでもいいや。私が入ってきたらスマホは片づけたみたいだし、とにかく着替えよう。
「…………」
あれっ、おかしいな。なんか私のことをじろじろ見ているような? いや、気のせいか。私は気にせず着替えることにする。まずはTシャツを脱ぐ。そしてスカートに手をかけたところで、男の子の顔を見る。やっぱりこっちを見ている気がするんだけど。でも、ただの勘違いかもしれないし。とりあえず無視してスカートも脱いだ。次はパンツだけど……。うーん、どうしようかな。このままだと恥ずかしいし。
そうだ! 奥のカーテンつきの場所で着替えよう。カーテンを閉めて着替えようとすると、
「母ちゃん先に行っとくからな」
という声が聞こえてきた。お母さんが先に出て、男の子だけが残っているみたい。女子更衣室なのに、いいのかな? まあいいか。早く着替えてしまおう。そう思って急いでいると、突然後ろから声をかけられた。
「お姉さん、おっぱい大きいね!」
はぁ!? 思わず振り返ると、そこにはさっきの男の子がカーテンを開けて覗いていた。一方、私の方はパンツも脱いで裸になっているところだったので慌てて胸を隠しながらしゃがみ込む。
「きゃあっ!!」
悲鳴をあげて手で顔を覆った。指の間から見ると、男の子はニヤニヤしながらこっちを見ていた。
「ちょ、ちょっと!! 何見てるのよ!!」
「えへへ。ごめんなさい」
まったく反省していない様子だ。このガキめ! 一体どういうつもりなんだ?
「早くカーテン閉めなさい!」
「はーい」
男の子は素直に従ってカーテンを閉めた。全く、最近の子供ときたら……って今はそれどころじゃないよね。とりあえず水着を着ないと。
「もう入ってきちゃダメだからね」
念のため注意しておく。また覗かれたらたまったもんじゃないわ。しかし、その言葉が終わらないうちに、カシャッという音がした。まさかと思い、振り向くと男の子がスマートフォンを構えていた。
「ちょっと! 写真撮ったの!?」
「うん、ばっちりだよ」
そう言って画面を見せてくる。そこには私の姿があった。もちろん、水着姿ではなくて、全裸の姿を。なんてことしてくれるんだ。
「消しなさい! 今すぐ消さないと警察呼ぶわよ!」
「え~、別にいいじゃん」
「良くない! ほら、早く消しなさい!」
私はスマートフォンを取り上げようと手を伸ばす。すると、男の子とスマホの掴み合いになった。
「やめてよ! 返せ!」
「うるさい! 人の裸勝手に撮っといて何様のつもり?」
「だって、見たかったんだもん」
「そういう問題じゃなくて、こういうことはしちゃいけないの」
「なんで? 友達にも自慢できるよ?」
「バカ! そういうことじゃないの」
「じゃあ、どういうことなのさ?」
「それは……とにかくだめなの!」
「ケチ」
「なんですって!?」
私は怒りに任せて怒鳴ってしまう。すると、男の子は泣き出してしまった。
「うっ……うっ……」
ああ、やってしまった……。と、そこへ母親が戻ってきた。
「ちょっとあなた、うちの子に向かってそんな言い方はないでしょう! 」
「……」
「謝りなさい」
「……すみません」
私は母親の剣幕に押されて頭を下げて謝った。
「うちの子泣かせて、ごめんなさいだけで済むと思ってんの!?」
「いえ、あの……そんなつもりはなくって」
「あんたがどんなつもりだろうと関係ないのよ! 大体ねえ、女の子ならもっとおしとやかな振る舞いをしなさいよ! そんなこともできないの? それともわざとやってんの? 」
「えっと……あの、ごめんなさい」
「口答えしない! 」
「はい、わかりました」
「わかればよろしい。どうする、お姉ちゃんごめんなさいって言ってるで。許す? 」
母親は男の子にそう聞いた。
「うーん……でも、僕は裸の写真が撮りたいんだよなぁ」
はぁ!? (続く)
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