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最後の花火が消えるまで

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最後の花火が消えるまで

3 - 第3話 消えるまで。

2025年08月09日

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3.消えるまで

花火は次々と夜空を彩る。金、青、赤――光の粒が海面に反射して揺れている。

その美しさの中で、美咲は横目で遥斗を見た。


「……ねぇ、どうして今日、急に誘ったの?」


遥斗は少しだけ間を置いて、笑った。


「東京、来月には出るんだ。今度は長く戻れないと思う。だから……最後に、約束を叶えたかった」


胸の奥で、何かが崩れる音がした。

涙が込み上げそうになり、必死に上を向いた。

でも、花火の光と一緒に、目の縁が熱く滲んだ。


「ずるいよ……そういうこと、花火が終わる前に言わないでよ」


「ごめん。でも、君と見る花火が、一番綺麗なんだ」

最後の花火が消えるまで

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