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二人はそれぞれ風呂に入り、下着のみでベッドの上に行き向き合う。
李仁は湊音をジトッと見つめるが、湊音は不安そうに見ている。
「愛してるよ、ミナくん」
「うん……」
優しく湊音を横に倒して上に覆いかぶさって李仁はキスをする。
「ね、ねぇっ……李仁、いつも僕が上なのに」
「ん? ちょっとね……それよりもキスしたい」
キスを深く深く、舌も絡ませた。いつもとは違う体勢、互いの心音も体温も高まる。
李仁が湊音の首元に吸い付いてキスマークを残す。
「あのね、ミナくん……もしかしてと思ってさ……」
「ん?」
「ミナくん、こっちなのかなって」
「こっちって……」
「逆かなって」
「……!」
つまり湊音が受ける側になることである。
もちろんそんなことは初めてである。
「大丈夫、優しくじっくり……」
李仁は緊張している湊音の下にタオルを敷く。
湊音はどうしていいかわからず仰向けのまま。
「力を入れちゃダメ。僕も最初怖かったけど相手がすごく好きだったからすぐに痛みより快感がきた」
「……な……」
また李仁からキス。湊音は彼の体を抱きしめる。
「力、抜いて……」
湊音は次第に息が荒くなる。李仁も彼の悶える姿に興奮してくる。
「こういうのも新鮮で……」
『なんか李仁の顔、いつもとは違う、ギラギラしてる……』
「あああああっ」
『ま、ま、まってっ! あああああ、ああああああああうあああああう!』
湊音はなんともならない声を出す。
李仁は鼻息荒くし湊音の反応を見ながらも快楽を感じる。
「うああああああっ!」
痛み、痛み、痛み……それしか感じない湊音。だが、だんだんそれを越え……。
『気持ち……いいっ、けど痛い……』
二人が結ばれてから1ヶ月後。
湊音は完全に李仁に夢中である。
いまだに外で出歩く際は周りの目を気にする湊音だが、二人でいる時はベタベタの甘々になる。
しかし李仁がまだ元彼のカイとまだ関係を持っていたのは事実であるが、あくまでも身体だけの関係だけでカイにはもう相手がいる。
湊音は数回か李仁と一緒にカイのマンションのことで話し合うために会ってはいるが、李仁のいないところで昨日李仁と会った、抱いたなど聞かされていた。
「もうカイとは会うなよ。しかも会っても車の中とか外でやるんだろ? そんなの大切にしてる人がやるようなことじゃないよ」
「……」
李仁はまだ口を閉ざす。
『前の妻にはこんなに優しくしなかったくせになんか愛おしく感じる、なんでだろう』
李仁が仰向けになり、湊音を見つめる。李仁の目から涙が流れた。
「ごめん、ミナくん。逆らえなかった。カイに。でも断ればよかった。ねぇ、もっとキスマークつけて。僕の体、ミナくんに染めて……」
「李仁……」
「愛してるっ」
「僕もだよ、愛してる……」
優しくキスをした。
そして互いにキスマークをつける。
たくさん、たくさん。
「李仁は僕のもの……」
「ミナくんは僕のもの……」
もうぐちゃぐちゃに入り乱れる。
朝まで、何度も何度も……。
実は翌朝にカイがやってきて権利書にサインをする日であった。
その時間までギリギリまで愛し合った。
「李仁は絶対僕のものだからね……」