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ここは地下にある小さな部屋。僕はここで一人で暮らしている。僕はなぜここに一人でいるのか分からない。目覚めたらこの部屋にいたのだ。部屋は円柱型になっており、部屋には部屋の半数を占めている本棚、キッチン、ブラウン管のテレビなどがある。本棚には小説や世界の歴史と語学、人と機械について、そして化学物質や地上の大気汚染についての本がある。キッチンには大量の保存食が置かれており、テレビはつけてみたが砂嵐しか映らなかった。天井はガラス張りになっており外の様子が見え、たまに黒い鳥が飛んでいるのが見えたりする。
僕にはこの部屋に入るまでの記憶がない。多分、記憶喪失になっている。それでもなんとなく自分の置かれている状況は理解しているつもりだ。本棚にあった本によると、地上では大気汚染、地球規模の戦争、海面上昇などにより住める場所が減ってしまっている、とまるで神が人類を滅ぼそうとしているかの如く、人類への危機が起きていた。なぜ以前の記憶がないのかは分からないが、少なくともこの部屋にいる限りは安全なんだろう。ただ、外に出てみたいという気持ちも少なからずある。
既に僕が目が覚めてから1ヶ月近く経ったと思う。やることが本を読むぐらいしかないので10000冊ぐらいあるであろう本をただひたすら読んでいる。中には内容がとても難しいものもあったが、なぜかすんなり頭に入ってきて読むことができた。まるで本に書かれている情報を元々知っていたかのように。そのため、もしかしたら本を読むうちに記憶が戻るのではないかと期待して読んでいるが、今のところ記憶は戻りそうにないのであった。