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いつものように本を読み漁っていたある日。急にテレビの電源がつき、砂嵐が流れ始めた。僕はびっくりしてテレビを見つめる。すると「ザーッ」という音のなかから微かに言葉が聞こえ始めた。

「―おーい、聞こえているかー―」

相手はそう言ってるらしかった。聞こえているがそれを相手に伝える術がないと思っていると、

「―もし聞こえているなら赤いボタンを押しながら返事しろー―」

と微かに聞こえたので、僕は赤いボタン押しながら、

「ギリギリ聞こえてますよー、あなたは誰ですか?」

と返事をした。すると相手は

「―俺はシェルター番号(JPN089536631)の住民のイシダだ。きみのシェルター番号は?―」

参ったな。シェルター番号なんてどこに書いてあるか分からない。自分の名前すらも分からないのに。

「僕は記憶喪失してて分かりません。シェルター番号とは何ですか?」

「―なんだって?それは大変だな。テレビの底に番号書いてないか?―」

僕はテレビの裏を見た。すると裏には(JPN000001654)と書かれていた。多分シェルター番号はこれだろう。

「シェルター番号は(JPN000001654)みたいです、ところでイシダさん?、あなたは一体どちら様で…?」

「―別に怪しいもんじゃないよ?ただ趣味でいろんなシェルターの住人とコンタクトをとってるだけだ。―」

イシダは続けた。

「―他にはいるのか?君はそのシェルターに一人でいるのかい?―」

「このシェルターには僕一人しかいません、僕も何がなんやら分からなくて…」

「―そうか…まぁ寂しいと思うが頑張りな、もうすぐメンテナンスもあるのだろう?次はいつなんだ?―」

メンテナンス?なんだそれ?

「メンテナンス?とは何ですか?」

イシダは少しの沈黙の後、

「―まさかメンテナンスが来ていないとは…、ひどいな、残念だが君は見捨てられているようだね。かわいそうに―」

なるほど、シェルターのメンテナンスのことなのか。普通のシェルターには間隔をあけて

技術者が送られてくるのだろう。ならばメンテナンスを受けれてないこのシェルターは危険なのだろうか。

「―まぁ今日はこれぐらいにして、また話ししようや、君には話し相手が必要だろう?―」

確かに僕は目が覚めてからずっと孤独だった。かといって本を読んでいれば寂しさは感じてはいなかったのだが、やはり他人と話す時間というのはひとりの時間とは別のなにかがあった。まだよくイシダという男のことは分かっていないが、話し相手になってくれるなら悪いことではないと感じた。

「いいですよ、僕も一人は寂しいですし、こちらこそよろしくお願いしますね。」

「―あぁ、よろしく頼むね、それじゃあまた今度―」

そう言って通信は終わった。

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