テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「私たちって巻き込まれ体質?」
現在、凛の頭には拳銃が突きつけられている。
俗に言う強盗ってやつだ。
どうしてこうなったのか説明しよう。
「暑い!疲れた!だるい!」
「死んじゃいます〜、、、」
「溶ける、、、」
私たちは道中の猛暑でやられていた。
「なんとかしろよー、前みたいに術使えよー」
「頼ってくんな。私は風と炎の術しか使えないんですー」
「私は炎しか、、、」
夏に使えばそれこそ死ぬ。それに、風の術は基本的に巻き込まれてぐちゃぐちゃになる。
「冬にしか使えんな、、、」
暑さでヘロヘロになりながらも歩いていると道の先にはあの店が、、、。
「あ、茶屋」
い、生き残った!テンション爆上げで走る。
「いくわよー!一番の人にアイス買ったる!」
「うおおおおおおおお」
全速力で茶屋に乗り込む。
「やったー!一番乗りです!」
「動くな!手を上げろ!」
こうして1番についた凛は人質に取られ、まんまと脅されてしまったと言うことだら、
「私たちって巻き込まれ体質?」
「いや。俺の不運が働いてんだろ」
やれやれと言った感じだ。一方凛はというと。
「助けてくださいー。じにだぐないよー。」
泣き喚いている。
「あんたどうにかしなさいよ」
「だって刀取られたし、、、」
使えないな
「凛!あんたワンコなんだから噛みつきなさい!」
「無理ですよー打たれちゃいますぅ。」
どうしようかなー。
刀は強盗の後ろ。上には大きめの模型。
目で凛に伝える。
(凛!あんた打たれたらしゃがんで避けて!んで、足で払って転ばせて!)
凛は死にそうな顔で頷く。
「雲竜、私が刀を取りに行くから、それで上の模型の縄切って。」
ひそひそ声で会話する。
「強盗を切るんじゃダメなのか?」
「リンが避けるより早く打たれる。模型を当てて怯んだところをズバッといきなさい。」
返事も待たず、足に力を入れて思い切り床板を蹴る。ほぼ一瞬で刀を握り、今度は思い切り投げる。
「何してるんだ!打つぞ!」
「打てないでしょ、臆病者」
焦る強盗は挑発に乗り、震える手で引き金を引くが、その一瞬を凛は逃がさない。
「凛!」
叫ぶと同時に、凛は緩んだ腕の中からすり抜け、銃弾を躱す。凛が逃げ、店の外に出た所で、上から模型が降ってくる。
「うぎゃあ!」
模型は直撃、雲竜の峰打ちで強盗は気絶。縄で縛りつけた所で完全勝利。
「雪さまぁぁ!」
警察を連れた凛が抱きついてきた。
「逃げたと思ったら、ポリスを呼んだのね」
「怖かったです、、、死んだかと思いましたぁ、、、」
啜り泣く凛の頭を撫でていると、警察は強盗をお持ち帰りし去っていった。
店の人からの拍手喝采を受け、感謝としてアイス割引券を大量に貰った私たちは、並んでアイスにありついたのだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!