歯車警察署
特殊事件・不思議死因殺人事件特別対策課
またの名を特死特対課、 業路教影、帝響姫、関繋義、この物語の主人公であり繋義と腐れ縁バディ、2児の父、命之賭輝。この街に隠れた裏で暗躍する者達に手を掛ける。
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3月9日午後11時23分
「もしもし、ごめんオーシェン、しばらく帰れそうにない。んでもってP.P.と桃に謝っておいてくれ」賭輝は留守電をいれた。
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3月10日午前1時
「…試作品」
「模造品…」
「模造品の域は脱していないが
試作品より…」
「遜色がない…」
「コピー」
「データは自動で転送…」
「博士…」
賭輝は青年と犯人の会話について考えていた。
「零式の模造品…本物と遜色はないが模造品の域は脱していない。
零式と試作品では雲泥の差…
データは自動で転送される…
博士、博士、博士、白衣…医者?研究者?学者?
タイムリミットは15分…試作品同士、試作品と模造品、試作品と免疫、模造品と免疫…」
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3月10日午前10時20分
「俺、クリーニング網浜周辺見てきますわ課長。繋義行くぞ」賭輝が課長に行き先を伝えると繋義と共に出ていった。
ピーンポーン
賭輝らが押したインターホンの音がクリーニング網浜から聞こえた。
「はーい」クリーニング網浜の奥さんが戸を右側に引いた。
「こういうものですが」賭輝がそう言うと二人は警察手帳を奥さんに見せた。
「あぁ刑事さん」奥さんは手帳を見てそう言うが顔が暗い。
「今日は何の用でしょう。家宅捜査は既にされたと思うのですが」と続けるが心なしか目に溜まった涙が見える。
「実は…一匡君、自分が捕まえました。そこで何か自分にしかわからないものがあるのではないかと思いまして」賭輝が気まずそう言う。
「そうですか。本当はうちの子がするなんて、嘘だ~。なんて言うべきなんでしょうが正直わからないんです。
恥ずかしながら親子間でのコミュニケーションもそこまでなかったので。急に息子がテロリストの組織の一員かもしれないなんて言われてもね…非現実的すぎて信じられませんが、自分の息子がっていう部分にはよくわからなくて。 でももしちゃんとコミュニケーションがとれていれば、踏みとどまってくれたのかな、とか考えると親としてもあの子の一番の見方として居られたかなって、情けないんです、あの子の一番の見方になるって決めてたのにわからないなんて言ってる自分達が 」奥さんは目に浮かんだ涙を溢しながら話す。
「そうなんですね」繋義が奥さんを慰める。
「あっすみません。
こんなところで長話なんてダメですね。
お二人ともお仕事なんですから。
どうぞどうぞ、上がってください。
一匡の部屋は2階の左奥です。」奥さんは二人を家にあげた。
「あのっお父さんは?」繋義が奥さんに聞く。
「あの人なら海に釣りに行っています。
なぜあの人を?」繋義に聞いた。
「いえっ特にはご挨拶をと思いまして」繋義は答える。
「すみません、ではお部屋見させていただきます。押収された臓器以外は全てあそこにありますよね?」賭輝が奥さんに確認する。
「はい、あの変な地図も滑り台も金庫も全て触れておりません」賭輝に答える。
「多分なのですが、全てを押収しに私どもの部下がもう一回家宅捜査をし、その時にほぼ全ての物が押収されると思います。申し訳ありません。」繋義が今後の事について話す。
「大丈夫です。
息子はそれなりの事をしたということ、わかっていますので、では私はこれで」奥さんは答える。
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二人が階段を上り一匡の部屋のドアを開けた。
「地図、歯車城を中心とした歯車州の地図。
対したことはないな州役所で置いてあるやつと変わりない」繋義が地図を見ながら話す。
「よく見たら、印つけてんな。」賭輝が地図に記された印を指差した。
「あれっこれ24人目の被害者の事件現場じゃねぇか?」賭輝が繋義に話す。
「あぁ。でもなんで最後の被害者だけ…」繋義は驚きながらも記されている場所は最後の事件現場のみであることから少し気がかりに思う。
「とりあえず、他に何かないか見てみるかぁ」繋義が呟いた。
「絶対なんか隠してる。
てか見つけられるはずがねぇ。
押し入れを開けたら、大量の心臓。
そんなことされたら捜査は当たり前に中断だ。」賭輝は引き出しや物置を漁りながら言う。
「おいっ見ろ、地図だ。
1,2,3…23枚。
印…全部殺人現場だ」繋義が賭輝を呼ぶ。
「…今だからわかることだが現場の印を線で繋げると図形が出てくるな。
だが順番がぐちゃぐちゃだから終わった後じゃねぇとわかるはずがねぇ」繋義が賭輝に話す。
「写真撮っとけ、回収は次回だ」賭輝は本棚に整頓された書物を調べあげている。
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賭輝は”※Arcadia’s book,history of Keyto”を見つけた。
※Arcadiaとはこっちの世界でいうヨーロッパ周辺である。
「アルカディアズの書、亰嶹の歴史…繋義!ちょっと面白そうな本見つけた。
俺読んどくわ。
アルカディア諸国から見たこの国の歴史だってよ」賭輝は繋義にそういうと本を読み出した。
Arcadia’s book,history of keyto original.
西暦465年作の歴史書、英語で書かれている設定だが振り仮名がめんどいので日本語で。
第1章~太陽の昇る国~
ある日東から2隻の船がやってきた。1隻は豪華客船のようだがあれは間違いなく戦艦だろう。
もう1隻はなんとも質素で東から遥々このアルカディアに訪れることのできる見た目はしていない。
しかし2隻とも破損は一切なく、私は質素な船を目にした時なんとも綺麗な造形をしており、涙を溢してしまった。
近年では珍しい木造の船だった。
あまりにも違う船だが2隻とも我々が知らない国の物たちだった。
その国のなもKeyto-亰嶹、そんなに大きくはない島国らしいのだが船を見る限り相当発展しているのであろう。
まぁ、2隻の組員とも東国らしい顔つきをしている。
アルカディア同盟同盟皇のArthur=Arcadia様は2隻を同盟国議会堂にてもてなした聞く。
俺は山賊の村の出で、今は都会に出て画家兼作家としてアルカディア諸国を渡り歩いている。まぁとある放浪者が通りすがりに東国の輩に出会ったって所だ。
俺には夢がある。それは王になること。
ただの王じゃぁない、賊の王だ。
どうやってなるかって、そんなの簡単大国の物を盗み大国で俺の名を知らしめられる、そして逃げ続け、山賊として海賊として、ありとあらゆる賊として同じことをすればいい。
俺はその為に都会に降りてきた。
画家や作家と言えば、取材に来ているだけだと誤魔化せるからな。
それに俺は賊だ、もちろん手先が器用、俺の絵なんて物は適当に描いてても値がつく。
実は俺は山賊として名を既に馳せている。
それもそうだろう、俺の村に来る奴らを全員丸裸にしてアルカディア諸国に送り返したんだぜ、もちろん身体以外は全部もらった。
俺は殺しはやらねぇ。
そして俺は自分がどれほどの男なのかを知りたいだけだ。
奪ったものは全て、貧しい奴らに与えてやったよ。
さってと俺の話はここまでだ。
あと少しだけ東国について。
質素な船の組員達は全員東国らしい服装をしていたが、豪華な船の奴らの服装は変わっていた。
何か臭うから、俺は奴ら2隻から出てきた亰嶹人に近付くとするぜ。
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「465年っていつの話だよ!!」賭輝は少しニヤけていた。
「おい!これ、押し入れにあったんだが…」繋義が賭輝にメモのようなものを見せる。
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過去に超能力を手に入れた人達。
秘密は何かわからないが物らしい。
あの人達はその物を手に入れたい、がなかなか見つからない、そして作ろうとしているらしい。
まぁ、俺も手伝ってみることにした。
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この後のメモは破られていて見れなかった。
「わかったぞ」賭輝が何かひらめいたようだ。
「何がだよ」繋義はいつも先に何かひらめく賭輝に少し腹が立っていた。
「あの言葉の意味だよ。
その超能力が手に入る何かの模造品が零式だ。
そしてそれを作るために試作品が存在した。
しかし、まだその零式は何かっていうのには足りない。
だから試作品より何かに近く、零式をさらに何かに近付けるようにコピーを作った。
そして零式にデータを送るために機能が追加されたものがコピー。
よって現段階の零式とは遜色がない。
ってことは奴らの目的は、その何かの収集はもちろんだがその先!!
超能力者の量産!!」賭輝は繋義に話した。
そう、あの組織の真の目的は超能力者の量産なのである。
To be continue.
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