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「怪しさ満載な話聞いたあとに、普通欲しがるかよ……」

「いやいやいや。レアとか言われたら普通に欲しくなっちまうって、ロキっつあん!」


『期間限定!』や『超貴重!』とか『ラスイチ!』って言葉は、人間だったら誰しも反応してしまう単語じゃないか!


「まぁどの道、あの棒にお前が選ばれた時点で拒否権はなかったがな……」

「はははっ……」


 俺はロキに苦笑いを返して、カゾさんを待つ。


「イオっ、イオ! 見たことない武器が沢山あるよ!」

「いけません、ヒナ! これは全部売り物なんですから! シラギクさんのところでやらかしたみたいに壊したら、全部弁償ですよ!?」


 好奇心旺盛な妹様を、伊織が必死に止める。グッジョブ、イオ。

 内心『全部弁償』という言葉に、ちょっとビビったとかしてないからな? 本当だぞ? ……実はビビったってことは、俺とお前の秘密だぞ?


「はっ! ヒロくんのただでさえ痛い懐が、さらに痛くなる……ってコト!?」

「そうですよ。ヤヒロさんの懐を思うなら、大人しくしててください」

「むむっ、それはヒナちゃんのお小遣いにも影響が出てくる可能性大……ここは素直に、あいあいさー!」


 妹と伊織のやり取りに、思わず「懐が痛い以前に、既に胃が痛いわ!」とツッコミそうになった。喉元まで出かけて飲み込んだ俺、すごく偉い。

 そんな妹と伊織のやり取りをヒヤヒヤキリキリと黙って見守っていれば、店の奥からカゾさんが出てきた。


「おう。またせたな、あんちゃん」


 カゾさんの腕の中にはこの一週間、待ちに待った物がある。

 それは俺がカゾさんに仕上げてもらった相棒。


「お、おぉ……っ!」

「これで本当に良かったのか?」


 その姿は俺が要望した通りであり、オタク……いや、俺としては心くすぐる神々しい姿になった。


「あぁ、もちろん! スッゲー! バッチリだよおやっさん!」


 子供のように大はしゃぎしながら喜ぶ俺に、カゾさんは嬉しそうに鼻の下を擦る。


「なになに〜? ヒロくんどうし……おぉっ!?」

「どうしたんですか、二人とも?」

「見ろよ、ヒナ! イオ!」


 俺は自慢するように、二人に俺の相棒を見せつける。


「これが俺の麺棒……改め、相棒のだ!」


 そう、俺がカゾさんに要望した相棒の姿。

 しかも日本人に馴染みの深い、あの木刀の形にしてもらったのだ。


「やっぱ俺としては木剣ぼっけんよりも、木刀の方がしっくりくるってゆーか。そりゃあ剣とか日本刀とかもカッケーけど、やっぱ刃があるのは危ないし怖いじゃん? それに元々麺棒だったわけで、ならコイツと相棒としてやってくなら木刀の方が俺の心にグッとくるわけよ! ヤベェ……木刀とか京都に修学旅行で行った時にちょっと触ったくらいで、あの時の俺にもっと軍資金と度胸と土産を買う時間があれば今頃……くっ!」

「おい。そのよく分かんねぇ話、長くなるならあとにしろ」

「あとならいいんッスか!? ロキっつあん!?」

「うおっ!?」


 この一週間……トラブルメーカーのストッパーや監視。また保護者として未成年二人の前で、俺なりに大人しくしていた反動か。相棒の新たな姿を目にした俺は今、かなりテンションが上がっている!


「いいんだな? あとでならこの相棒への、クソデカ感情をロキっつあんに語り聞かせてもいいんだな!?」

「ひぃぃぃっ!? ……きっしょいわ!! こんっっのぉ、バカ兄貴!!」

「グエッ!!」


 俺はロキから、華麗な右ストレートを頬に食らう。



 ……あとで聞いた話だが、この時の俺は相当興奮していたらしく……鼻息はあらく、瞳孔はガンギマリ。

 普段は社畜でほぼ心が死んでただけに、控えめに言っても相当気色悪かったらしい。


 お巡りさんに突き出されなかったのは、この世界にはお巡りさんはいない。仮にいても、それは巡回してる街の警備兵さん。つまり異世界のお巡りさん。

 あとはドン引きこそしても、優しいみんなのおかげだ!




 良い子のみんなはいくら興奮していると言っても、俺みたいなことはするんじゃないぞ。悪い子のみんなも、約束な!

お兄ちゃんは『妹が!』心配です

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