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🌟🎈(nrkr)/宇宙
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夜明け前
ベッドの上の中也の体は中学生ほどの大きさを経てほぼ元の160㎝の小柄な青年へと戻りつつあった
しかし意識だけはまだ薬の熱に浮かされ、幼児のような無垢さと大人の艶っぽさが混ざり合った危うい均衡を保っている
「……はぁ、………っだざ……い……」
汗ばんだ肌、乱れた赤毛
中也はシーツを掴み、苦しげに喘ぎながら太宰を見上げた
その瞳にはかつての相棒への信頼と本能的な渇望が渦巻いている
「中也、最後の一仕上げだ。これを飲まないと君の体は壊れてしまうよ」
太宰は嘘をついた
実際には放っておいても数時間で元に戻る
だが太宰はこの「無防備で従順な中也」を手放す前にどうしても刻んでおきたいものがあった
太宰は手元にあったグラスの水を口に含み、そのまま中也の顎を乱暴に上向かせた
「……んッ………!?ぁ………」
驚愕に目を見開く中也の唇に太宰が自身の唇を重ねる
逃げ場を塞ぐように後頭部に回された太宰の長い指が中也の髪を強く引き寄せた
冷たい水が熱い口内へと流れ込む
だが水が飲み下された後も太宰は唇を離さなかった
それどころか驚きで緩んだ中也の隙を突き舌を滑り込ませる
「……ふ、ぁ……っ、ん………だざ……い……っ」
中也の喉から甘く切ない鳴き声が漏れた
幼児化していたときの純粋な愛着と大人としての肉体的な反応が混ざり合い、中也は抵抗するどころか無意識に太宰の首に腕を回して引き寄せてしまう
太宰の舌が中也の口内の熱を奪うように隅々まで執拗になぞり上げる
それは解毒などという綺麗な言葉では片付けられない明らかな独占の儀式だった
「……っ、は………ぁ……」
ようやく唇が離れたとき、中也の瞳は潤み、透明の糸が二人の間を繋いでいた
太宰は茫然自失とする中也の耳元で蕩けるような甘い声でささやく
「これで君はもう私のものだ。記憶が戻ってもこの感覚だけは忘れないでよ、中也」
中也は返事をする代わりに太宰の胸元に顔を埋め、小さく「………ばか」と呟いた
その声はもう完全に大人の中也のものだったがその手はまだ幼児のように太宰のシャツをぎゅっと握りしめたままだった