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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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想う















_______________

青side






僕はただ、紫くんの書く

小説が大好きだった。



美しくて、綺麗な表現に合わせて

独自の異様な世界を放つ雰囲気。


それにハマる人々が続出し、

僕自身もすごくハマっていた。


一緒にいるけど、その紫くんの

紫くんたけの世界は分からなくって

僕はずっとその世界を見たかった。




けれどそこに踏みいれば、

紫くんは僕を拒絶する気がして



なんだか怖くなった。

僕でも分からなかった。



自分の感情が、苦しみが

安定せずに僕から溢れていって




筆をすすめる紫くんに手をかけた





紫くんは僕がしていることを

拒絶していたけれど、それでも

僕のことを抱きしめてくれた。






ごめんね、大丈夫だよ、の二言を

必ず言って僕を支えてくれる。



今思えば優しすぎて、

もっと幸せにすべきだと思う。



でもその当時の僕は、

本当に精神的にきていて。




そんな時人間は何をするか

何をしでかすか分からない。


僕はそんな紫くんの

思いを踏みにじって、

そこでずっと同じことをした。




紫くんは優しすぎるから、

多分壊しがいがあったんだろう。



思っていたよりもずっと

一途で内に秘めた芯の強さが、

しなやかさが際立っていて

紫くんという存在を知らせている。





僕にとって、紫くんは

何かのものでしかなかった。

きっと桃くんにはしていないだろうが、

していそうなのが自分だ。



僕は人一倍嫉妬が凄い。

見つめて笑いあって抱き合って、

それらを見ると病んでしまい

誰かに当たってしまったり

自分をとことん責めたりする。



それもどうにかして見せぬように

小説の世界観を守るために、

紫くんには手を出さないようしてた。




でも僕の中では限界で、

紫くんの世界をぶち壊してみようと、

壊してそこから入ろうと思った。


そうじゃなきゃ近づけない。

そうじゃなきゃ、入れない。



僕にとって紫くんとの距離だった。





















「….青、ちゃん?」





「…なん、で…」






















何度紫くんの服に手をかけただろう

















「ずっと一緒って、

約束してたのにね」



「毎日。ずっと、一緒。」




「そう思ってたのにさ、

距離なんか置いちゃうんだ」





「紫くんって酷いな」


















何度紫くんを苦しめただろう



小説を書く手を止めさせただろう




悲しませただろう








殺したんだろう。

















今でも、何故か後悔する



あんだけ酷いことをしたのに、

紫くんは僕に命を託した。



どうして、と問いたい。

ずっとそれだけが心残りだった





が、それが今日晴らせる。







目の前にいるのは紛れもない紫くん。



僕がこの手で苦しめた、

その張本人なのだ。



















「青ちゃん、久しぶりだね」




「元気に、してた?」




「まぁその話はまた後で。

とりあえず今話したいこと話すね」





「、、っ家、いえ、はいる..?」





「..じゃあ言葉に甘えて」



「あ、そうだ、橙くん、赤くん」




「ありがとう。ここからは

俺たちふたりで話してくる。」


















紫くんは振り返り手を振って、

最後に僕の方を見た。













「じゃあ行こっか」














____________________







「俺、これからずっと、

生きていてもいいかな」



「他の人から、俺の心臓を、

肝臓をもらいました」



「1人。たった1人。

あの通り魔事件で脳死した

本当に若い若い運転手」



「後々聞かされた。言うても

ほとんどさっきなんだけどね」




「赤って人が、俺を生かして

俺の事を守ってくれてたんだ」




「それに、赤って人はね、

あの通り魔事件の犯人で、、」



「俺は犯人に助けられた。

だから訴えるも何も出来ない」



「それは裏切りだからさ、

そんなの小説で書くとしても嫌で」


「俺は俺として守りたい。

青ちゃんもわかって欲しい」



「俺も1度は死んだ…

死にかけたことだってあった」




「あ、俺、青ちゃんの事

全面的に許してはないよ?」



「けど、青ちゃんは本当に

寂しがり屋で可愛くて、面白い。

俺がないものをいっぱい持ってる」


「嫉妬がすごいのは

欠点かもしれないけど、

俺の付き合い方も問題だったし」


「何より俺は悪くないって、言えない」





「青ちゃんをそうさせたのも、

小説に専念しすぎてしまったし」



「大好きな人を苦しめてたし、

青ちゃんに抱えすぎてしまった。」



「…………ごめんね」




















紫くんが謝ることじゃない。



僕だってわかっている。

紫くんも悪いかもしれないけれど

僕の方が100倍悪い。


何より死の寸前まで追い詰め

僕にとっての大切を壊した


これは、だめだって

ちゃんとそういうのが出来なかった




僕には出来ないものが多い。


僕だけだ。

紫くんも橙くんも、黄くんも、できる






みんなみんな、できてる。











桃くんだって、桃くんだって

僕よりも大きな大切があったはず




けれど、何があったか

まだよく分からないけど

僕のせいで死なせた。



溺死だ。溺れて死んだ。

息が吸えなくなって死んだ。



僕がそうやって苦しめた。

水が苦しめたんじゃない。

僕が苦しめたんだ。




なんてことをしているんだろう。

人2人を完全に死なせていた。

















「….ごめん」




「、いいよ。青ちゃんの事

心から大好きだからさ」




「…でももうお別れかな。」




「….また一緒に居たら。

同じこと、なっちゃうから」



「うん」



「俺も、大切な人見つけるね」



「うん」



「…..じゃあ俺もう、帰るよ

今までありがとう。」



































「いつかこの事を書きあげる」


「別名義で青ちゃんに秘密に

書いてみるから、見つけて」



「そんで、この家俺だけに埋めてね」



「大好きな終わり方でよかった

って最後に書くから」




「それ見て苦しみながら生きて」



























______________

黄side




青ちゃんが職場に来なくなった。




法医学としてかなりいる

カメラ撮影してくれる人。


今は補佐を呼んでいるから

足りているがそれが何日持つか、

まずどうなるのかすら分からない。



僕も橙くんも思うままに

解剖できないのが本心だ。




何やってんだあいつは。




橙くんとは思うことは同じ。


明日から毎日ピンポンダッシュと

パンケーキ奢りと渾身の一発ギャグ。


そっからの罰ゲームは

何かあったら、でつける。






青ちゃんの家に押しかけるために

超テキパキに仕事を終わらせて

2人とも定時で帰れることになった。





















「…じゃあいきますか」



「ん、流石に居るよな?」















ぴんぽん、と鳴らして

青ちゃーんと僕が言う。



がちゃ、と扉の音がして

青ちゃんが頭を出す。



















「青ちゃんどうかしました?」





「………………..」















「…ああ、」



















非常にやつれて死人のような顔をした

とても大丈夫とは思えない姿だ。


子供が泣くレベルの恐ろしさ。

空気が張りつめるほどの苦しさ。





















「..失恋したんですね。」






















橙くんは下を向いた




僕、またハブられてるな。














_________________



もしかしたらこういうのかも。

もしも、このことを言ったらこうなるかも。



この人ならこういって、

この人ならこういう反応をする。



そう考えながら書くの、

本当に楽しいです。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

3

ユーザー

だぁぁぁぁぁあああああああああぁぁいいいいじょじょじょぶでですすすすすすすすすすこうしししんんありがとううううござざざいますすすすすすすすすすすすすすすす

ユーザー

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