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「うわぁ〜! 黄色い教本、懐かし過ぎなんだけど!」


「初見でも吹けそうな二重奏の曲から吹いてみようよ」


奏がマウスピースを唇に当て、軽く鳴らした後に楽器に装着し、瑠衣と奏は楽器を構え、呼吸を合わせて演奏し始めた。


(やっぱり一人で吹くよりも、二人で吹くと楽しいな。しかも奏ちゃん、十年振りという割には、いい音出てる……!)


瑠衣がそんな事を考えつつ、二人が時間を忘れて教本に載っている二重奏を順番に吹いていると、防音室のドアが開き、侑と奏の恋人、葉山怜が入ってきた。




「あ、怜さん。お疲れ様。響野先生、こんばんは。お邪魔してます」


「響野先生、お帰りなさい。お疲れ様でした。先生が昔使ってた楽器、お借りしてます。葉山さん、こんばんは」


「九條さん、こんばんは。奏から連絡が来た後、すぐに侑へ連絡して迎えに来た。それにしても侑の家の防音室、すんげぇ広いじゃん」


「音羽さん、こんばんは。九條と一緒に楽譜を探しに行ってくれてありがとう。ああ、楽器は使って構わない」


一通り挨拶を交わした後、瑠衣と奏が楽器を構え、二重奏の演奏を再開した。


その様子を腕を組みながら、じっと耳を傾けている侑、怜は久々に見る恋人のトランペット演奏に目を細めている。


瑠衣と奏の二重奏を聴いていた侑が、区切りのいい所で徐に口を開いた。


「音羽さんはトランペットを吹くのは高校卒業以来なのか? なかなかいい音を出しているな」


「恐縮です……。久々に吹いたので、とても楽しかったです」


奏が照れ笑いをしながら侑に答えると、『時々で構わないから、また九條と一緒に吹いてやってくれないか?』と声を掛けた。




「さて、そろそろ帰るわ。侑、急に邪魔してすまなかったな」


「ああ、また二人で来いよ」


「瑠衣ちゃん、また練習しようね! お邪魔しました」


「うん。奏ちゃん、葉山さん、気を付けて下さいね」


侑と瑠衣は怜と奏を玄関先で見送ると、友人カップルは手を振り、東新宿の家を後にした。

もう一度、きかせて……

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