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颯介さんと凛ちゃんのやり取りが楽しい^_^ 奈美きっと引っかかるよね 土曜日のデート色々な意味で楽しみ😊
ズボンずり下げ腰振り男‼️🤣凛ちゃん、マンマじゃん🤣💦しっかり見られてながら言いよるサイテー男西岡💢キモ○わ🤮 凛ちゃん&颯介さんコンビは凛ちゃんのわざとら演技に大ウケな颯介さん🤭奈美に罠を仕掛けてホイホイ乗ってくる奈美が単純でお花畑な頭で良かった🥀しっかり罠にかかってよね、奈美😠😤💢
ズボンずり下げ男が凛さんを狙ってるのかぁ。 残念だねぇ。西岡あなたの正体は凛さんにバレちゃってるのよ。 さてデートにどんな感じで現れるかしらね。
二日後、凛は少し早めに出社し、人がまばらな社内である物の準備をしていた。
昨夜、颯介からキューブ型の小型カメラが届いたため、それを持ってきたのだ。
凛はカメラを網目状の小物入れに忍ばせ、網目の隙間にカメラのレンズを合わせて固定する。
さらに、小物入れが動かないよう、念のため両面テープで机に固定した。
(これでよしっと!)
任務を無事に終えた凛は、周囲に誰もいないことを確認し、さりげなくペン立てのペンをチェックした。
一昨日、凛がペンを戻したときには電源が切れていたはずだが、今は充電されているようだ。
(沢渡さんが充電して、また置いたのね)
そう思い、凛は小さくため息をついたが、すぐに仕事の準備を始めた。
しばらくして、凛はふいに声をかけられた。
「よーっ、二階堂ちゃん、調子はどう?」
振り返らなくても、その声の主が誰か、凛はすぐに分かった。
(げっ、ズボンずり下げ腰振り男が来たっ!)
声の主は、西岡だった。
振り返る前から、凛はあの生々しい情景を思い出し、吐き気が込み上げてくる。
とはいえ無視するわけにもいかず、作り笑いを浮かべて振り返った。
「西岡さん、お疲れ様です。うちの部に何かご用ですか?」
「うん。次の案件の企画でちょっとね」
そう言いながら、西岡は奈美の席をちらりと見た。だが、奈美はカフェコーナーにいるのか、席は空いていた。
すると西岡は、凛の隣の空いた席に腰を下ろし、こう切り出した。
「ところで、今夜はどう?」
あまりにも唐突で、凛は意味がつかめず聞き返す。
「どうって、何がですか?」
「もちろん、飲みだよ。『また時間があるときに』って前に言ってただろう?」
(げげっ! あれは単なる社交辞令だったのに)
心の中で悲鳴を上げつつ、凛は苦笑いを浮かべて答えた。
「あーっ、たしかに。でも、すみません、ちょっとまだ忙しくて……」
その言葉を聞いた西岡は、露骨にがっかりした表情を見せた。
「忙しいったって、ほんのちょっと飲みに行く時間くらいあるだろう?」
その上から目線の物言いに、凛は思わずムッとする。
(あんたみたいに会社で腰振ってる暇があればそうでしょうけど、私は忙しいのよっ!)
つい口に出そうになった言葉を必死に飲み込み、凛は再び作り笑いを浮かべた。
「そうなんですけど、実は……」
西岡とのやり取りにうんざりした凛は、ついにこんな嘘を口にした。
「実は私、今、交際している人がいまして……」
その言葉に、西岡は目を見開いた。
「はあ? 交際してる人? お前、婚活はやめたって言ってなかったっけ?」
「はい。でも、突然いいご縁がありまして……」
相手について詳しく話す必要はないと判断し、凛は言葉を濁しながら続けた。
「その彼がすごくやきもち焼きで……男性と飲みに行くなんて知ったら大変なことになるので。本当に申し訳ありません」
そこまで言われてしまうと、もうそれ以上は何も言えない。
西岡はがっかりした様子で言った。
「そっか、じゃあ仕方ないな。あ、課長が来たから俺行くわ。またな!」
バツの悪そうな表情のまま、西岡は課長席へ向かった。
なんとかうまく断れた凛は、胸をなでおろしつつ、ふと疑問に思う。
(沢渡さんとうまくいってるのに、どうして私を誘うの?)
西岡の行動が理解できず、凛は小さく首をかしげてから、再び仕事へ戻った。
一方、課長席へ向かいながら、西岡は苛立ちを募らせていた。
(二階堂に恋人? いったい誰だよ……俺があれだけ誘っても乗ってこなかったのに! その相手はそんなにいいのか? 俺よりも条件のいい男? あり得ない、絶対にあり得ない……)
悔しさが込み上げ、彼は手に持っていた書類をぐしゃりと握りつぶした。
その日の昼休み、凛は颯介からの電話を待っていた。
レコーダー付きのペンが稼働していれば、凛がメッセージで知らせることになっていた。
凛からの連絡を受けた颯介は、昼休みに電話すると言っていた。
「二階堂さーん、1番に真壁さんからお電話でーす」
今年入社した新人の女子社員が、明るい声で凛に呼びかけた。
(え? 携帯じゃなくて会社の電話? それも、直通じゃないほうに?)
一瞬不思議に思ったが、凛はその理由がすぐにわかる。
颯介があえて会社の電話にかけてきたのは、奈美に『気づかせる』ためだ。
颯介からの電話が来たと分かれば、奈美は今日、遅くとも明日の朝までにはペンを回収するはずだ。
(さすがは真壁さん)
そう思いながら、凛は電話に出た。
受話器を取りながら、さりげなく奈美の方を見ると、彼女はいかにも『仕事中です』という顔で電卓を叩いている。
(いつもは昼休みになったら真っ先に外に出るのに……)
凛は笑いをこらえつつ、颯介からの電話に出た。
「もしもし?」
「お疲れ! 今、大丈夫?」
「大丈夫です」
「じゃあ、打ち合わせした通りにやるぞ」
「はい」
この会話がすべて奈美の耳に入ると思うと、凛の胸にじわりと緊張が広がった。
「じゃあ、いくぞ。デートは土曜でどう?」
「えっ、デ、デートですかあ?」
凛は、周囲のデスクに誰もいないことを確認してから、わざとらしく声を上げた。
「ぷっ、演技がしらじらしいぞ」
颯介は受話器の向こうで笑っている。
凛は慌ててペン立てから離れ、受話器を手で覆って小声で返した。
「だって、聞き取りやすくしないとでしょ?」
「それはそうだけど……まあいいか。じゃあ、待ち合わせ場所を言うぞ」
「はい」
「いつもの山下駅前のコンビニに、13時でいい?」
「えーっと、待ち合わせは山下駅前のコンビニですね。時間は13時。承知しました」
「声デカいな……じゃ、そういうことでよろしく!」
「はい。では、土曜日に」
そう答えると、凛は電話を切った。
(あーっ、緊張する~っ! 一目惚れのイケオジとのデートに加えて探偵の真似事まであるのよ! アドレナリン出まくりだわ~)
そう思いつつ、さりげなく奈美の席を見ると、すでに彼女の姿は消えていた。