テラーノベル
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後日、洋平の実家へ披露宴の案内と、招待者リストを持って行った。
しかし、両親は出かけていて留守だった。
「父と母もうすぐ、駅に着くらしいから、俺、迎えに行って来るよ。」
「うん、分かった。ここちゃん、寝てるし待ってる。何分ぐらい?」
「町の方まで行くから片道30分、往復1時間ぐらいかかるけど…」
「分かった。アルバムでも見せてもらって待ってる。」
「うん、写真選んどいて!適当に何か飲んでてイイよ。」
「うん、ありがとう。気をつけてね。」
「じゃあ、行って来る。」
「いってらっしゃ〜い」
「実家から送り出されて、なんか変な感じ」
「ふふ。気をつけてね。」
「うん、じゃあ」
洋平を送り出し、鍵をかける。
元、洋平の部屋からアルバムを持って
ここちゃんが寝てるリビングへ
「わあ〜可愛い〜」
『やっぱり、洋平ってイケメンだなあ〜』
「あ、そっか、スライドにする写真を選ばなきゃ」
すると、玄関の鍵を開ける音がした
「え?忘れ物?」
「え?」
「あ、お帰り〜航平くん。久しぶり〜お邪魔してます。」
「どうして?」
「あ、披露宴の打ち合わせと写真を借りて行こうと思って…」
「そっか、披露宴決まったんだ」
「うん、10月10日空けておいてね」
『屈託のない笑顔を俺に向けないでくれよ。
また、好きになってしまう…』
「おー!ん?兄貴は?」
「お父様とお母様を迎えに駅まで」
「そっかあー、《《ココ》》良く寝てるな」
「うん、ぐっすり。」
「アルバム?」
「うん、スライドショーをしてもらうんだけど…
可愛いね、この頃の洋平と航平くん」
「うわ、懐かしい〜でも、なんだか恥ずかしいなぁ」
「え?どうして?可愛いよ〜」
「まあ、その頃は確かに可愛かったけど…」
「ふふ、自分で言う?洋平と同じだね」
「えー?兄貴と一緒にしないでよ…」
「ふふ、いいじゃない2人ともイケメン。
そりゃあモテるよね〜」
「まあな」
「ふふ、ほらまた〜」
『ダメだ、近くに居ると、触れたくなる』
「ハハ…何か飲む?」
「うん、ありがとう。適当に飲んでてって言われたけど、やっぱり、自分んちじゃないし…勝手に冷蔵庫は開けられないよ」
「そういうとこ、律儀だね。じゃあ、俺も飲むから一緒に…何がいい?」
「ありがとう!じゃあ、サイダーもらおうかなぁ〜」
「おー」
「ふふ」
「何?」
「おー!っていう言い方も同じだね」
「そう?」
「うん」
『だから、兄貴と一緒にしないでよ』
しばらく、2人で写真を見ていると、
ここちゃんが起きた
「あ、おはよう〜ここちゃん起きた?」
寝起きが良く、スッキリ目覚めたようだ。
「パパ」
「え?」
「パパじゃないでしょう、ここちゃん。
こうちゃん」
「こうちゃん?なんか、恥ずかしいなあ」
「じゃあ、なんて呼ばせる?」
「じゃあ、こうちゃんでイイよ」
「パパ」
「ココ、パパじゃないよ!こうちゃんでしゅよ〜」
「ふふふ」
「何?」
「でしゅよ〜も、洋平と同じ言い方」
「え?だいたい、そうなるでしょう?」
「そうだけど…言い方が似てる」
「そう?」
「うん、あ、ここちゃんオムツ替えないと…
《《パパ》》に替えてもらう?」
「え?誰が?パパじゃね〜し、俺、替えたことないし…」
「何でも経験よ!」
「パパ」
「あーあ、もうパパって覚えちゃってる。ココ、こうちゃんだよ〜」
「はい、オムツお願い!」
「うん、分かったよ。教えて!」
「うんうん、まず、新しいオムツを下に敷いて…」
「こう?」
「うん、オムツを外して…」
「良かった、ウンチしてなかった」
「ふふ、良かったね」
「前から後ろに拭いてあげて」
「こう?」
『うわ、なんかリアルだなぁ〜』
「うん、そうそう、上手上手。しっかり、漏れないように、お尻まで包んで、前で止める。」
「こう?」
「うんうん、上手〜簡単でしょう?」
「乗せ上手だよね」
「ふふ、又、やってもらえるかと…」
「ハハ」
「あ!あれ?」
「どうしたの?」
「オムツ、たくさん持って来たつもりだったのに、 もうないや、帰るまで足りないなぁ〜買いに行かなきゃ」
「ドラッグストア行く?」
「うん」
「じゃあ、車乗せて行くよ」
「え?いいの?ありがとう」
「OK〜ココ行くぞ!」
「パパ」
「まだ、言ってる。」
「洋平に連絡しとくね。」
「うん、じゃあ行こう、行こう!」
内心、航平は嬉しかった。
プチ デートみたいだ。
航平の車は、初めて乗せてもらう。
「どこに乗ったらいい?」
「あ、どこでもいいよ。」
「じゃあ、ここちゃんも居るし、後ろに乗せてもらうね」
「おー!」
「ごめんね、タクシーみたいで…」
「あ、いや、いいよ。」
『ホントだよ。2人なら絶対、隣に乗せるのに…』
数分でドラッグストアに到着。
「あ、ごめん、すぐだと思ったから抱っこ紐、持って来なかった。ここちゃん抱っこしてもらってもいい?」
「うん、いいよ〜ココしゃん、おいで〜」
「パパ」
「だから…」
「ふふ、洋平ビックリするわね」
「ホントだよ、ココしゃん、パパじゃないよ、こうちゃんだよ!」
「きゃっきゃっ」
「まあ、可愛いからいいか…」
オムツを持ってレジへ
心美を抱っこした航平もレジ近くへ
心美が「ママ、ママ」って呼ぶから、手を振る美優
航平を見て「パパ」
「ふふ」
レジの店員さんが
「可愛いですね〜いいね〜パパに抱っこされて〜」
と…
航平は、ただただ笑ってる
「ププッ、ありがとうございます。」
お金を払って店外へ
「だから、パパじゃないってば…」
「航平くんもパパになったら、こんな感じだよ。練習、練習!」
「ふふ」
そして、また車に乗せてもらって、洋平の実家へと戻った。
「ありがとう。はい!お疲れ様〜」と、
缶ビールを1本、航平に渡す美優
「え?そんなのイイのに…」
「まだ、車乗るの?」
「いや、もう今日は乗らない。」
「じゃあ、どうぞ」
「サンキュー」
『そういう気遣い、好きだなぁ〜
これ以上、俺を惑わせないでくれよ』
「ん?呑まないの?」
「うん、まだ授乳中だから、私はコレで…」
「え?さっきのサイダー、炭酸抜けてるんじゃない?」
「あ、大丈夫だよ」
「じゃあ、氷入れる?」
「ありがとう、ごめんね、気を使わせて…」
「いや、それぐらい。
だって、自分で冷蔵庫開けられないんでしょう?」
「あ、バレた?」
「いいのに…」
「お|義母《かあ》さんがイイって言ったらね」
「ふふ、|頑《かたく》なに…」
「だって、そうでしょう?」
「うんうん、いいね」
「あ、なんかバカにしてる?」
「ううん、いいと思うよ、そういうとこ」
『あ、何言ってんだ俺は…』
「ありがとう!
ここちゃん、パパまだかなぁ?」
「パパ」
「あ、また思い出させちゃった、ハハ」
「じゃあ、もうパパでいいや。パパだよ〜」
「ふふ、開き直った。」
「赤ちゃんが居ると、こんな感じなんだなぁ〜」
「うん、大変なこともあるけど、楽しいよ。」
「だよなぁ〜」
「子ども欲しい?」
「うん、子どもは欲しい。」
「じゃあ結婚は?」
「う〜ん」
「余計なこと、聞いちゃった?」
「いや、まだ、この人!っていう人に出会えてないみたい。」
「そうなんだ…」
「あ、前の彼女のこと…だよなぁ。別れたよ。」
「そうなんだ。」
「まだ、色々思案中!」
「《《色々》》ね…モテるんだね」
「まあな…」
「ふふ、否定しないところも兄弟同じだね。」
「そっか…じゃあ、好きになるタイプも同じかもな」
「え?」
「あ、何言ってんだ俺、1本で酔ったか…ハハ」
「そんなに弱かったっけ?」
「いや、そんなわけないけど…まあ、しばらく飲み会がなかったからな」
「あ、そうだね…」
『何言ってんだ、俺は…』
『今のは、どういう意味なんだろう?』
「酔ったついでに、もう1本飲もうかなぁ?」
と、立とうとして、よろける航平
「大丈夫?」と、咄嗟に手を出した美優
その手を掴み、ぐっと引き寄せて抱きしめる航平
『え?何これ?今、私達、抱き合ってる?』
『うわ〜細いのに、柔らかい!イイ匂いがする』
「大丈夫?」
「うん、あ、ごめん。ちょっとトイレ…」
『大丈夫かなぁ?』
『何やってんだ、俺!
2人きりにした兄貴が悪いんだからな…!
いや、違うな、俺が悪いな…クソッ!感触が手に、匂いが鼻に残ってる…』
「ただいま〜ここちゃ〜ん」と、義母
「あ、帰って来た!」
「お帰りなさい。お邪魔してます。」
「いらっしゃい、ごめんね遅くなって…」
「いえいえ」
「おー美優さん、ここちゃんいらっしゃい!」と義父
「お邪魔してます。」
トイレから出て来た航平
「あ、航平帰ってたの?」
「うん、随分前にね」
「紙オムツが無くなったので、ドラッグストアまで 連れて行ってもらいました。」
「あ、そうなの?」
「おー」
「ただいま〜美優、ここちゃん、お待たせ〜」
「お帰り〜」
「お、航平悪かったなあ」
「あ、いや」
「パパ!」
「パパでしゅよ〜」
「ププ」
「ふふ」
「何?」
「いや…」
「ね、言い方、そっくりでしょう?」
「ハハっ、まあ兄弟だからね」
「似てる?」と洋平
「うん」
「顔は、違うでしょう?」
「でも、ここちゃんがずっと航平くんにパパ!って」
「えーここちゃん、それはショック!」
「どういう意味だよ!」
「顔は似てないだろう?」
「そうだけど、ココが勝手に間違えたんだよ」
「若い男性なら、皆んなパパかも…」
「えーパパがいっぱい居るね」
「なんでよ!」
「ハハ」
そして、ご両親と披露宴の打ち合わせをして、
写真を選んだ。
航平の心の中は、モヤモヤ
美優は、『航平くん、酔わせちゃった大丈夫かなぁ?』と、心配していた。
帰る時…
「ごめんね、なんだかバタバタさせちゃって…」義母
「いえ、打ち合わせも出来ましたし、写真も選べましたから…」
「じゃあ、またゆっくり来てね」
「はい、ありがとうございます。」
「ここちゃん、バイバイ、またね〜」と義父
「航平くん、ありがとう」
美優は、航平にお礼を言った
「あ、いや。また〜」
どこか、ぎこちない航平
「うん、またね〜」
「またな、じゃあ、行くわ」
そう言って、車に乗り込み帰路についた。
「美優、疲れたか?」
「あ、ううん、大丈夫」
「寝ててイイよ」
「うん、ありがとう。また、航平くんに悪いことしちゃったかなぁ?」
「なんで?」
「ドラッグストアまで連れて行ってもらったから、お礼にビールを渡して飲ませちゃった。」
「じゃあ喜んだだろ?」
「ちょっと酔わせちゃったかも…」
「え?1本で?」
「うん、分からないけど、よろけてた。」
「いや、アイツそんなに弱くないだろう?」
「う…ん」
「ん?酔って何かされたか?」
「ううん、まさか…」
でも、美優は引っかかっていた。
あれは、なんだったんだろう?
「航平くん、やっぱり別れちゃったんだって」
「へーそうなんだ」
「昔から兄弟で女の人の趣味って似てるの?」
「いや、アイツとは違うと思うけど…まあ、おっぱい星人は同じかも…」
「ふふ、そっかあ〜」
『なんで、美優そんなことを聞くんだ?
何か言われたのかなぁ?』
「美優…航平に何か言われたのか?」
スースー
「ふふ、お疲れ様〜おやすみ」
『帰ったら、スライド写真の順番決めなきゃ。
披露宴は、これで大丈夫かなぁ?』
信号待ちで、眠ってる美優の手を握り…
「ようやく披露宴出来るなぁ〜待たせてごめんな」
『可愛い寝顔、抱きしめたいなぁ〜
キスしたい』
軽くチュッと、頬にキスをした
「愛してるよ♡」
『う〜ん♡なんて可愛いんだろう♡大好きだ
帰ったら、絶対抱きしめよう!
キスしよう』
そう決めた洋平
「美優、着いたよ」
「あ、ごめん、寝ちゃってた」
美優のシートベルトを外して
なんだかたまらなくなった洋平
「美優〜」と抱きしめた
「ん?どうしたの?」
キスをした
「ふふ何?」
「キスしたくなった♡」
「ヤダ〜部屋まで我慢出来なかったの?」
「うん♡美優の寝顔が可愛いくて…」
「ふふ」
もう一度、唇を重ねた
「ふふ、入ろう」
「うん」
美優は、『洋平どうしたんだろう?』って
少し気になった。
『洋平、何か感じたのかなあ?』
『何もないよ、ただ、よろけて抱きしめられただけ』
『でも、航平くん、あんなにぎゅーっと抱きしめなくても…驚いたのは事実。』
ここちゃんをそのまま寝室に寝かせてくれる洋平
リビングに戻ってきた
今度は美優から抱きしめた
「ん?」
「ううん」
「美優〜嬉しいんだけど…♡」
「ふふ」
久しぶりに、立ったままキスをする
美優は少し背伸びをして、
洋平は、少し前屈みに…
「子どもが出来ても、こんなにキスする夫婦
居るのかなぁ?」
「居るよ、ここに…」
ふたたび、唇を合わせる
甘〜く、優しく、絡め合う
ぎゅーっと抱きしめる洋平
「美優〜どうしよう?」
「ん?」
「好き過ぎるんだけど…」
「ふふ、嬉しいよ」
「美優は?」
「大〜好き♡」
「美優〜♡」
もっと強く抱きしめる
「ふふふ、痛いよ〜」
「あ、ごめん」
チュッ 美優からキス
止まるはずのない洋平
そのまま、美優を抱き上げて
和室へ
「なんで?」
「ここちゃん、あっちで寝てるから…」
和室の布団をわざわざ出して敷く洋平に、
美優は、また、イタズラなキスをする
チュッチュッ
「美優〜♡いつもイタズラする〜♡」
「ふふ」
「お待たせ〜」
「ふふ」
いつまでもラブラブな2人♡
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