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身の程知らずって、この人の事を言うんだね。 自分を着飾りブランドに身を包む生活をするには自らを捧げて男からお金を搾り取る。 さすがとしか言いようがない。 それも、もうお終いだわね。

きゃ〜何か奈美の隣になっただけで悪い病気😷移されそうだ😱
ナミはすごい😱 こんな人と一緒に仕事はしたくないなー 颯介さんはキチンと話を聞いてくれましたね 2人とも気持ちは通じていると思うけどな🤗
颯介は、凛を湾岸エリアの夜景が一望できるレストランへ連れていった。
ウォーターフロントに突き出したテラス席は、足元すれすれまで海が迫っている。
対岸に広がるきらびやかな光の帯は、見る者の心を一瞬にして奪うほどの迫力だった。
秋の夜風は少し肌寒かったが、そばにあるストーブとひざ掛けのおかげで十分暖かい。
凛はまるで魔法にかかったように、周囲の景色に見入っていた。
「景色を見るのもいいけど、メニューも見てくれないかな」
颯介が微笑みながら言った。
「あ……はい」
二人はメニューを開き、いくつかの料理を頼んでシェアすることにした。
アメリカンシーフードの店だけあって、どれも食欲をそそるものばかりだ。
ソテーしたシュリンプをマカロニとチーズに絡めてグリルした一皿、ピリ辛のケイジャンシュリンプにガーリックブレッドを添えたもの、白身魚のレモンガーリックソース、そして彩り豊かなシーフードサラダ。
シーフード尽くしの料理が、次々とテーブルに並んでいった。
二人はノンアルコールビールで乾杯をしたあと、さっそく料理を味わい始めた。
「美味しい!」
「うん、美味い」
「ここ、来たことあるんですか?」
「うん。何度かね」
その答えを聞いた凛は、余計なことは考えないようにしようと思った。
今は、この美しい夜景と料理を楽しみたい。
あまりの美味しさに食べることに夢中になっていた凛は、ふと西岡と奈美のことを思い出した。
「そういえば、タクシーの二人は?」
「さすがに、店の中までは来ないだろう」
颯介は周囲を見回しながら答える。
凛も視線を巡らせたが、二人の姿は見えず、ほっと胸をなでおろす。
そして、先ほど決意したことを思い出し、口を開いた。
「あの……一つお話ししていないことがありまして……」
「ん? なんだ?」
「その……私、見ちゃったんです」
「見たって、何を?」
「実は先日、社内の会議室で、西岡さんと沢渡さんが密会しているのを……」
その言葉に、颯介の眉がぴくりと動く。
「密会?」
「はい……」
「仕事じゃなくて、『密会』と言うからには何か理由があるんだな?」
「はい。言うべきか迷ったんですが……これを見てもらえますか?」
凛は携帯に保存していた動画を再生した。もちろん音は消してある。
「…………」
颯介は無言で動画を見つめ、やがて呆れたようにため息をついた。
「この男が西岡?」
「そうです」
「節操がないな。男も男だが、彼女はいったい何がしたいんだ?」
颯介でさえ理解に苦しむという表情だった。
動画を閉じて携帯をしまおうとした凛に、颯介が言った。
「その動画、俺に送ってくれないか? これも田辺さんに報告するから」
「えっ? でも……」
「悪いようにはしない。俺を信じろ」
「わ、わかりました」
凛は素直に動画を送った。
すると、颯介はバッグから茶封筒を取り出し、テーブルに置いた。
「これは?」
「興信所からの報告書だ。見てごらん」
「はい……」
凛は少しためらいながら書類を取り出し、目を通した。
そこには、最近の奈美の行動が写真付きでまとめられていた。
写真を見た瞬間、凛は思わず声を上げた。
「えっ?」
写真に写っていたのは、居酒屋風の店内で奈美が男にしなだれかかる姿ばかりだった。
しかも、その相手は毎回違う。
どうやら彼女は毎晩、別の男と飲みに出歩いているらしい。
「これって……」
「毎晩、男遊びをしてるみたいだな。それも毎回違う相手と」
「信じられない……」
会社で見る姿からは想像もつかず、凛はかなり驚いていた。
さらにページをめくった凛は、次の写真を見て息をのむ。
「えっ? これは?」
「男とホテルに入る瞬間だ。ほぼ毎日、行ってるみたいだな」
「うそ……あの沢渡さんが……?」
「これは俺の勘だが、金目当てで体を売ってるか、セックス依存症か……そのどちらかだろうな」
「まさか……」
「彼女の経済状況を調べたら、借金まみれみたいだ」
「…………」
凛はショックで言葉を失った。
華やかで愛想がよく、同僚たちとも楽しげに過ごしていた彼女が、借金まみれだなんて……想像すらしていなかった。
だが、ふと脳裏にある光景がよみがえる。
(そういえば彼女、いつも新しい服やジュエリーを身につけて、バッグも全部ブランド物だった……。てっきりお嬢様育ちなんだと思ってたけど……違ったんだ)
凛は小さく息を吸い、颯介に尋ねた。
「だから、お金持ちの真壁さんに近づこうとした?」
「多分な。金に困って、相当焦ってるんだろう」
「でも、どうしてそんな借金を?」
「住まいは代官山のセレブ向け賃貸マンション、買い物依存症気味にブランド物を買いあさり、毎晩夜遊び。金がないくせに、有名美容院や高級エステ、ネイルサロンにも通ってる。これじゃ、いくらあっても金は足りないよ」
「…………」
凛は驚きすぎて、言葉が続かなかった。
そんな彼女に向かって、颯介が穏やかに言った。
「来週、これを田辺さんに報告するよ。君は何も知らないまま、普通にしてればいい」
「……わかりました」
「まあ、あんまり落ち込むな。今はせっかく奴らがいないんだ。美味しい料理と夜景を楽しまなくちゃな」
颯介はそう言って微笑むと、グラスに残ったビールを静かに飲み干した。